アンジュルムの「愛・魔性」の衣装が発表された時、その赤と黒の組み合わせに惹かれ、それを纏った橋迫鈴ちゃんに「おーっ!」ってなりました。
この衣装は、はっさこさん大人っぽくないですか? 新時代が始まった感がないですか? 髪型か? メイクか? 年齢か?
ふと思い返すと浮かんでくるのは、タケがリーダーに就任してまもなくの頃、新幹線に乗って名古屋までやってきて、新メンバーにアンジュルム加入を報告しに行った時の光景。部屋の広いおばあちゃんの家(だったと思う)に遊びに来ているはっさこさんが小動物のような愛らしさで小さくなっていました。
アンジュルム加入後も末っ子ポジションでふんわりと浮かんでいるような佇まいが印象的だったはっさこさん。私服が黒いイメージがあるのは単なるイメージでしかないか。でも、爬虫類雑誌の表紙に抜擢された時も黒でしたね。
そうでした。はっさこさんは爬虫類が好きなのだ。その嗜好が明らかになった時の驚きと、「そうなのか」と妙に納得させられた既視感。そう、既視感めいていた。過去にそういう嗜好のメンバーがいて、その子とイメージが被るという訳ではない。この子なら、そういう趣味があってもおかしくはない。そんな気分が納得感という姿で湧き上がっているような感じ。
はっさこさんって擦れた感じはしないけれど、ヲタク受けするような清純派な雰囲気でもない。不思議な雰囲気に包まれていて、でも安心感のあるような懐かしさもあり、だけれど、やっぱり爬虫類を抱いている姿が絵になる、斜めに上がったフォトジェニックっぷりを備えている。
それはなんだろう。表通りから一本横に逸れたら、そこに良さげな店が並んでいた。そんな裏通り感? 少し違う。はっさこさんは陰か陽かといえば陰な感じはあるけれど暗い訳ではなく、華のあるビジュアルだと思うのだ。表通りに佇む小さな良店。それに近いかもしれない。
そんな例え話はいい。日々、月々、年々、変化していくはっさこさんのビジュアルに、ヲタは刮目しなければ置いていかれてしまう。それを今回のシングル曲で気づかされたのです。
そうして変化していくビジュアルにあって、はっさこさんの揺るぎない芯の部分はブレずに、あの日タケがやってきた頃のままであるような気がして、そこに懐かしさを感じているのかもしれないとも気づいたのでした。
そういえば、自分はアンジュルムの新曲映像が公開される度に、はっさこさんの姿を追っている気がする。赤と黒は陽と陰。熱と冷。二つを同居したはっさこさんに似合う筈だと、MVを何度も視ているうちに気づきました。今回、気づいてばかりな自分。ああ、これが「魔性」ということですか?
アンジュルム『愛・魔性』Promotion Edit
ハロプロに数々の名曲を提供してくれたロックミュージシャン中島卓偉さんが三月いっぱいでアップフロントグループのジェイピールームを円満退社しました。そして、新生第一弾曲が公開されました。
中島卓偉『風に飛び乗れ』
ビジュアル的にはアップフロント移籍前の路線を彷彿させ、メッセージ性のある楽曲はアップフロント時代を継承していて、曲はキャッチーで耳にまっすぐに入ってくる。
振り返ってみても卓偉兄さんのハロプロ提供曲もそうだった。一度聴くと耳に残るメロディ。サビが印象的。音がカッコイイ。その一貫した作りは自身の楽曲と共通する魅力をハロプロにも注いでいたと言ってよいでしょう。
卓偉兄さんは、ハロプロに提供した楽曲をセルフカバーしたアルバムも出していて、そのアルバムを引っ提げてのツアーも行いました。
楽曲提供は2005年の安倍なつみ「鳴り止まないタンバリン」に始まり、真野恵里菜の「My Days for You」、アンジュルム第一弾シングル「大器晩成」、℃-uteの「次の角を曲がれ」、Juuce=Juiceの「愛・愛・傘」、つばきファクトリーの「今夜だけ浮かれたかった」などなど。いずれも、一度聴くと耳に残るメロディ。サビが印象的。音がカッコイイ曲ですね。
卓偉兄さんの曲作りは洋楽的に感じます。AメロBメロサビという歌謡曲の方程式に拘らず、様々な形式で作ってきた。そういう枠にハマらない曲作りという点は、つんく氏がハロプロで長年実戦してきた方向性であり、それを踏襲しながら、自らの色も出しています。
ハロプロ提供曲の中には自分が歌う予定だった曲もあったり、自分も歌うことを前提とした曲もあったりして、そういうシームレスな曲作りだったからこそセルフカバーアルバムが可能だったのかもしれません。
ライブ会場に足を運んでみて気が付いたことがあります。それは「中島卓偉ライブはハロプロヲタとの親和性が高い」という点。
ハロプロ提供曲、たとえば「大器晩成」は通常のアルバムにも収録されている曲ですが、掛け声が入れやすいし、提供曲以外の曲もハロプロヲタなら自然と体が動くような曲が多い。一連のハロプロ楽曲の根底にある音楽と、中島卓偉ナンバーの根底にある音楽が同じであるか近いのでしょうね。
先ほど例として上げた四曲、たとえば「大器晩成」に代表されるように、サビの繰り返しで聴き手に曲の世界観を強くインプットさせるのも、中島卓鰓提供曲の特徴です。カントリー・ガールズの「どーだっていいの」がわかりやすい例ですね。
一連の楽曲のキャッチーなメロディラインに繰り返しのフレーズのインパクト。私は初期ビートルズの曲を連想します。卓偉兄さんはビートルズの大ファンで、自身のファンクラブ名を「BEAT&LOOSE」と名付けたほど(同名の曲も作ってアルバムに入れている)。
近年の中島卓偉楽曲はメッセージ性の強い曲が多かったけれど、ハロプロに提供した曲もその傾向があるように思います。アンジュルムに提供した「大器晩成」はまさにそうで、歌詞を書き直したという経緯があるこの曲は、卓偉兄さんがアンジュルムに寄せたメッセージであるように思えます。流されずに自分の信じたままに。アンジュルムのメンバーも、そのファンも、そうあってほしいという思い。
作り手がメッセージソングを作ってくれるということは、ハロプロの存在を発信者としてリスペクトしてくれているからこそではないかと思えるし、そうであると信じたい。
だからこそ所属事務所は違っても、「これからもどうぞよろしくね」なのです。
アンジュルム『愛すべきべき Human Life』Promotion Edit
コンサートというものは生き物で、昨日も今日も同じ演目を歌っていたとしても、ステージで披露されている姿や声は一回限り。映像化されるのは、ひとつのツアーで一公演であるのが普通だから、その一公演以外のステージは、観た人だけの記憶の宝物。
宝物だけれど、最高の時もあれば最高ではない時もある。でも、受け止める人の心に刻まれた姿はやっぱり宝物だ。
ふと考える。アイドルって何? ハロプロって何? 正論は正解ではないから、なんでもやれるのがアイドルだ。何にも惑わされずに歩けと伝えてくれた先駆者から受け取ったバトンは、先駆者が別の世界に旅立った後も握られ続けている。
ふと思う。アイドルの正解って何? ハロプロの正解って何? 押し付けられた正解なんてものに流されずに、自由を掲げて先駆者は走り続け、教えを受けた者たちもそれに続いた。正解は世間が決めるんじゃない。自分たちが決めるんだ。そう強く言い切れる強さがあるからこそ、転んでも起き上がってきた。
大切なのは、そんな姿にYESと言ってくれる人たち。そして、時にはNOとも言ってくれる人たち。そんな自由が友というものだ。
ステージから届けるLoveは心からのものでありたいと願い、Loveを返せる人でありたいと自問自答する。それがアイドルのひとつの形。それを、世代を超えて共有していけることがアイドルグループ。
それは難しい話じゃない。とてもシンプルだ。
そこに気づけた時、大きな旅はもう始まっている。それに気づいたあなた! そこのあなた! みんなが引き寄せられてやってくる筈だ。
歩くべきルートはどちらだろう。行き止まりや大回りがあってもいいじゃないか。好きだと言ってくれる人たちがそばにいる。ステージの前にいる。カメラの向こうにいる。日々を愛して明日に向かう。それが、アンジュルムライフ。
愛すべきべき Human life 作詞・堂島孝平(このブログ記事における意訳:アルファ)
ハロプロ研修生の春の公開実力診断テストが昨日開催されまして、ベストパフォーマンス賞に松原ユリヤちゃん小野田華凜ちゃんが輝きました。二人のパフォーマンスは素晴らしいものだった訳ですが、今回は松原ユリヤちゃんに注目した記事を書いてみます。
歌唱動画 「Teenage Solution」 松原ユリヤ
プロフィールとしては、ハロプロ研修生となって五年目。2008年2月26日生まれの中学三年生の14歳。好きな言葉が「果報は寝て待て」だそうです。うん。果報が訪れますように。
松原さんはお母さんがベラルーシの方だそうで、地理オタクな私はまずそこに注目してしまいました。昔から東欧が好きなのです。ベラルーシも行ってみたい国のひとつです。たとえば、バルト三国に行く時にベラルーシにも寄ってみたいです(ビザが厳しかったり、旅人には色々と大変な国だとは聞きます)。
さて、彼女のパフォーマンスです。記事中に紹介した参考動画を見てもらってもわかるように、ダンスがパキパキです。手足の止めに力強さがあり、体の動きに芯がある。観ていてワクワクする躍動感溢れるダンスで、動画を何度も観返しております。
歌声にも張りがあり、高音が耳に残るもので、今後年齢を重ねて声が固まってきて、ステージ経験を積んでくると更に強さが漲ってきそうな予感のする歌声です。
そんなカッコよさのあるステージングを見せる松原さんですが、ギャグが好きという一面もあって、クールに見えるビジュアルとのギャップが素敵だ。キャラクター性も十分です。
過去10年のベストパフォーマンス賞受賞者を見ても、今回の二人を含めて九人中六人がデビューしている。小野田さんも松原さんもデビュー間違いなしだろうと予想していますが、問題はどこのグループに加入となるか。
現在、モーニング娘。'22とJuice=Juiceがメンバー補充態勢に入っています。このどちらかだろうか。
娘。の歴史を紐解くと、実力派の新人が加入すると、その新人に合わせるかの如く楽曲の路線が変わっていく傾向にあります。松原さんを加入させて、長きに渡って続いてきたフォーメーションダンスからの脱却! なんて事にならないだろうかと「変化」を期待してしまう自分がいます。
或いは、ジュースに加入して、ダンスが得意な稲場まなかんの色を継ぐ新人という存在になるのも良いなと思ってみたりもする。
個人的には松原さんの個性はジュースに合っていそうな気はしています。彼女がジュースの曲を歌い踊っている姿は容易に想像できる。でも、新しい娘。が見られるのなら、それもいいなと思ってみたり。
どんな果報がこの先に待っているのかはわかりませんが、その結果をヲタとして楽しみにしています。ただ、こんなことはないと信じておりますが、「情勢を配慮」した人事は絶対にやめてください。デビューはあくまで個人の実力と魅力で得るものであってほしいです。よろしくお願いします。
YouTubeにある公式動画から松原さんの歌とダンスの魅力が伝わる動画を選んでみました。
ONE PLUS ONE松原ユリヤ×浅倉樹々「春恋歌」
更新頻度が落ちている感じがしますが、ネタがない訳ではありません。ビヨーンズ武道館があったではないか。何故それを取り上げないと思われそうですが、理由は簡単です。ハイ。観ていないからです。ソフト化の際、新線な気持ちで楽しみたいのでセットリストも把握しておりません。
でも、評判は聞こえてくる。「素晴らしかった」「ダイジェストメドレーがナイスアイデア」「センターステージでみんなに見せ場があった」「12人全員輝いていた」などなど…。そうです。ビヨーンズは特定のヒロインがいない。みんなが主役。みんながヒロイン。みんなが名脇役。その時々で主役と脇役が巧みにチェンジし、誰を推していても楽しい。それがビヨーンズのステージなのです。
多分、ビヨーンズが好きというヲタの皆さんは箱推しではないでしょうか。一推しはいるし、一推しに迫るくらい好きなメンバーもいるけど、でもみんな好きだ。そんなスタンス。私もそうです。
もっといえば、ハロプロでここまで心から箱推しできるグループは過去にはなかった。
実は今のアンジュルムも結構箱推しなのですが(アンジュルムはそこまで決まった一推しがいないので、個人的に箱推し度は高い)、ビヨーンズは箱推し前提の上で、一推しがある。そんな感じです。
メンバーの個性の良さもあるけれど、グループとしての一体感の良さも箱推ししたくなる理由ですね。その一体感に心が引っ張られて、気づけば箱推しにさせられていた。そんな人もいるのでは。
私がビヨーンズで良いなと思う点がもうひとつある。それは楽曲です。
ビヨーンズの曲が苦手というハロヲタもそれなりにいるようですが、私は楽曲こそがビヨーンズを支えてきた活力で、武道館チケット難民が続出するほど人気が上がってきた要因だと思っています。つまりが、他のグループとの差別化に成功しているのが楽曲なのです。
ちょっと引いた角度で今のハロプロを見てみると、音楽面でのビヨーンズ以外のグループ個性については大同小異だなと思っています。他のグループとは一味違う楽曲を披露していたこぶしファクトリーやカントリー・ガールズが解散(と表現します)してしまった今、ビヨーンズ以外のグループが基本「かっこよくて可愛いシリアス路線」を貫いているのは曲の良さはともかく、差別化を図るという点に於いては疑問です。
ただし、これは新規ファンを掴むために大切な要素としてであって、もうハロプロを応援している人にとってはそれほど気にならない問題かと思われます。
たとえばこんな感じ。
ハロプロに気になるメンバーがいる! となった人が、そのメンバーを入口にハロプロに興味を持ってくれた時、他のグループに目を向けた際に「違い」を見出せなければ入口となったグループから広がらないと思う訳です。
別にそれでいいと思うのは一般論で、実はハロプロという組織では「好き度が深まるにつれてハロプロの他のグループも気になってくる」傾向があります。つまり、コアなファン(お金を使ってくれるファンと言い換えてもいい)を育てるには他のグループも気になる売り方がは大事なのではと感じています。
音楽面で違いを明確に出せれば、その違いに惹かれた人を取り込めるのではと思うのです。
まあ、そんなプロデュース論よりも、もっとシンプルに言えば「グループごとに、いろんなジャンルに分かれていた方が面白い」し、その方が新曲が出た時に推しグループ以外も楽しめる。いろんな作家が楽曲提供している現在だからこそ、いろんなジャンルに分かれていた方がいい。そう思うのです。
ハロプロが全てビヨーンズみたいなグループになったら、それは少し嫌ですが、メンバー毎の個性だけでなく、グループ毎にも楽曲に個性が欲しい。そういう願いです。
そんなことを考えていたら、アンジュルムの新曲がとても良かったので、これはまた別の機会に触れてみたいと思います。