「大切な日」。今は所属するグループで最年長になった女の子がそう呼ぶ日は6月30日。今日である。
八年前の2002年6月30日。ハロー!プロジェクトキッズオーディションの合格者が発表された。最終選考に残っていた15人。その15人が合格した。
その模様を伝えるハロモニを見たヲタ達がたちまち叫び始める。
「15人も子供を採ってどうするんだ?」
しかも、タイミングが悪いというか何というか、ハロプロ全体の人事移動の発表が翌月行われた。ハロプロ創成期から在籍していた平家みちよがハロプロを去る事も発表された。
キッズが加入するから人事移動が行われるのか、人事移動をするからキッズを採らなくてはならないのか。将来の事を考えれば、子供を採ってじっくりとアイドルとして育てるのは悪い話ではないのだが、ヲタはキッズ加入を歓迎しないムードになっていた。
2002年夏のハロプロコンサート。開演前にステージに登場したキッズメンバーの自己紹介が行われたが、客席は歓迎ムードにはなっていなかった。まさかこの三年後のハロプロコンサートで、このキッズから結成されたグループがモーニング娘。と変わらない大声援を、この代々木第一体育館のステージで受ける事になるなんて、当時の状況では多くの人は想像すらしていない。
モーニング娘。ハロプロキッズ 後藤真希「がんばっちゃえ!」
時は更に流れて今。15人いたキッズから三人がハロプロを去り、二つあるキッズ出身者によるグループは、いずれも決して順調とは言えない状況。それでもメンバーは日々を力一杯走る。
そんな12人にスタッフからしてあげられる事は、充実した活動とステージ。人気というものは色んな活動の積み重ねで出来上がる、アイドルの通信簿みたいなものである。だからこそ、「先生」のような立場の者達の力量も問われる。
「大切な日」の前日に、キッズ出身者によるグループのひとつ℃-uteの新曲が発表された。前作に続き今回もDVD付きバージョンは二種類。そしてタイトルに虚脱感を感じ、複雑な気持ちを抱きながら6月30日を迎えるのだった。
現時点ではまだメンバーはブログで新曲の話題には触れていない。リーダーが深夜に更新した「大切な日」という記事が、優しく浮かび上がるのみ。
<大切な日>
http://gree.jp/c_ute/blog/entry/464624546