tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

「自己を見つめる」 山田無文著

2011-06-04 22:18:31 | 本棚の中から
臨済禅の重鎮であった山田無文老大師の本で、何処行くにも持ち歩きよく読んだものです。


副題に「本当の自分とは何か」と問いかけております。

一大決心をして河口慧海師に出家を申し出ると、親宛に「出家は承知ですか」と手紙が送られたそうです。 それを聞いた父親は、「裁判官にでもしようと学校に行かせたのに」と怒りだし、 母は「ぼんさん(お坊さん)出さなあかんほど、うちは世間に悪いことしてない」と泣きだしたそうです。 父親は親交のある人相見に無文老師を診せると「この子は孤独性だな、坊主か何かになるしかない」と言われ、無文老師に「好きにせい」と言い放ち黙って送り出したそうです。

この本の中で老師は、甘いものを食べ過ぎると虫歯になるように、甘い教育を受けて育った人間は、精神的に虫ばまれてしまいます。
「刻苦光明必ず盛大なり」 甘い教育は受けんよう、ぜいたくな享楽を求めんよう、安易な安楽を願わんよう、厳しく自己を律していただきたいと思います。

こんな事を書いておられます。皆さんも時には己を振り返って見てはいかがでしょうか。
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