さんたろう日記

95歳、会津坂下町に住む「山太郎」さんたろうです。コンデジで楽しみながら残りの日々静かに生きようと思っています。

裁ち蕎麦にはっとう、オコジョの森からお呼びです

2012-09-09 | 日記
休耕田の村広々と蕎麦の花

 酷暑の夏がようやく朝夕涼しくなって久方ぶりに圃場の道を散歩すると、広々ととした休耕田いっぱいに蕎麦の花が咲いていました。




 
 近くで見ると白い蕎麦の花は楚々として綺麗です。


 この前田舎蕎麦の「蕎麦切り」が食べたいと書きましたが一昨日の毎日新聞の福島版に嬉しいコラムが載っているのをみつけました。

 オコジョ(深山にすむイタチ科の小さな動物)の森からと言う題で檜枝岐村の星睦彦さん書かれたもので「出作り畑で生まれた裁ち蕎麦の香りと歯ごたえとのどごしを楽しんでください」と言うものでした。

 

 檜枝岐村は高地の村で昔から水田は一反もありません。耕地が少ないので山の斜面の焼き畑に「稗(ひえ)粟(あわ)蕎麦」を播いて生活していました。
 そこで収穫されて蕎麦を「裁ち蕎麦」「はっとう」「つめっこ」「やきもち」などにして食べていたのです。当時の檜枝岐村ではお米は蕎麦の10倍もする尊いものでした。

 写真の右上裁ち蕎麦を盛った器(うつわ)は曲げわっぱといって江戸時代からの檜枝岐村の特産です。薄い檜の板をまげ山桜の皮で止めて作ります。

 檜枝岐村は会津から尾瀬沼への登山口の村でそれぞれの家に温泉がひかれたくさんの民宿や食堂があって賑わっています。どうかおいでの節は「裁ち蕎麦」の香りそしてコツコツした歯ごたえと独特ののどごしを楽しんでください。蕎麦だけでなくおいしい「はっとう」もいつでも食べられますよ。そうおっしゃっていらっしゃるんです。

 「裁ち蕎麦」の作り方を見ると、私の古里の「蕎麦切り」と同じなんですよ。「はっとう」はそば粉を練って薄い餅のようにしたものをクルミにあえたおいしい食べものっだったと記憶しています。

 名前は違うけどいまでも田舎蕎麦の蕎麦切りが檜枝岐村で生きている。それを知って嬉しかったです。やはり本当においしいものは消えないのですね。

 私の所から檜枝岐村までは車で3時間もあれば行けます。50年前頃はよくバイクで遊びに行きました。でももうそんな元気がなくなった85歳が悔しいです。

 檜枝岐村は私の古里「小立岩」の隣の村です。平家の落人伝説があって、独特の「ウグイス言葉」といわれれる美しい言葉が話されています。村の人の姓は平野・橘・星に限られています。なんか平家の落人の末裔なのかななどと思わせます。村中にあるお墓は「御廟」と呼ばれ、そこの六地蔵様の石仏は美しく可愛く心にしみる稚児姿のお地蔵さんです。





 お地蔵さんのお顔がほかの地蔵さんと違って可愛い童子の顔をしていらっしゃいます。それはかつて江戸時代に大きな凶作があって働ける人が生き残るために生まれた子供を間びきすることがあって、その靈を弔うために享保15年(1730)に安置されたと言われています。
 

 懐かしい檜枝岐村へいって「裁ち蕎麦」や「はっとう」を食べて温泉にゆっくりとひたりたいですい。有名な檜枝岐歌舞伎もいつでも行って見られると思っていたのにいつのまにか歳をとってしまいました。残念だけどもう行くことは出来ませんね。悔しいです。

 これは檜枝岐村近くの屏風岩の渓流です。3年前訪れて一泊した時に撮影しました。



   六地蔵のカラー写真は写真工房ふる里歳時記からお借りしました。