続・切腹ごっこ

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「切腹の歴史」1

2006-03-21 | ★レビュー(本)
3月17日の記事で書いたノートに書き写した本の内容を紹介しようと思う。
まず、書き写したページ数の多い『切腹の歴史』(大隈三好著 
雄山閣 昭和48年発行)という本から。そこそこ有名な本らしいので読んだことある人も多いかもしれない。

この本の目次。
1 切腹初見
2 起原と発達
3 義経記の切腹
4 平氏には切腹がない
5 切腹の定着
6 太平記に現われる切腹
7 転廻時代の切腹
8 刑罰的切腹
9 切腹の分類
10 江戸時代の切腹
11 江戸時代の切腹例
12 明治以後の切腹

 書き写している部分は、9章「切腹の分類」から始まっている。
 切腹の分類。主に動作や用いる道具の違いで分けるものと、腹を切るに至った経緯の違いで分けるものがある。
 動作の種類には、一番スタンダードな「一文字腹」。大腸を断ち切り出血多量で死ぬが時間がかかるから、介錯が無い場合は余力を残しておいて喉笛や心臓などの急所を突く。腹部は案外脂肪が多く掻き切るのは意外なほど力を要する、とある。
 「十文字腹」。一文字に切ったあとさらにみぞおちから臍の下まで垂直に切り下げる。上手くいけば横一文字と交差して「十」の形になる。戦時にはこれが通例とされ、十文字に切った上に臓腑を掴み出し敵兵めがけて投げつけるという超人的な話まである。かなりの体力と気力を必要とするらしいので平時に廃れる傾向にある。
 「二文字腹」、「三文字腹」。文字通り「二」「三」の字に見えるように腹を切るやり方。この他にも「左十文字」「鍵十文字」などいろいろな記述が残っているが一文字や十文字の変形ではないか、とある。
 「立ち腹」。立った姿勢のまま腹を切ること。これも戦時ならではのやり方。
 「鎌腹」。鎌で腹を切ること。百姓の切腹とあるが、百姓でも小刀ぐらい持っていたんじゃないだろうか?それとも百姓としてのこだわりか。
 「扇腹」。三方の上に短刀ではなく扇を置いて事実上の斬首を行うやり方。‥などがある。

切腹するまでの経緯で分ける方法。
 「陰腹」。前もって腹を切った上に木綿の晒しを巻き、死と引き換えに主君に悔い改めてもらおうとする諫言の仕方。時代劇でもときどき見られる。
 「詰め腹」。当人の意に反して無理矢理させられる切腹、とある。現代でも使われる単語。
 他にも殉死の呼び方として、寵愛を受けた主君が死ぬのに伴って行う「追い腹」「供腹」「先腹」や、心情面として純粋な義理で行う「義腹」、対面上仕方なくする「論腹」、家や子孫があとで得することを見越しての「商腹」などがある。
                                          (
次回に続く
 おととい、20000pvを越えた。

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★レビューは上記のとおり。
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