あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 2年目の試練_2011年の旅する櫂伝馬は来年に延期となりました

2011年09月17日 | 旅するシーカヤック
2011年9月17日(土) まずはご報告。 今年の旅する櫂伝馬は、天候不順のため、残念ながら延期となりました。 準備でお世話になった多くの方々には大変申し訳なく、お詫び申し上げます。

50名ほどの参加者/漕ぎ手のスケジュール調整、途中宿泊地との調整、歓迎イベントを企画していただいた受け入れ側との調整などなどを勘案すると、おそらく来年になるのではないかと思います。

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昨夜雨の中、大崎上島に入り、夜の9時位から集まることができる関係者が10人程度集まり、最新の天気予報を確認した上で、実行するか否かを協議した。

実行委員会はこれまで時間を掛けて調整&準備してきた事、途中宿泊となる音戸でもいろいろとお願いをして調整済みである事、ゴールとなる宮島では歓迎イベントを企画していただいていることなども踏まえた上で、雨の中を子供も含めた海旅を行う場合の体調管理、悪天候の中を漕ぎ進む事で万が一の事故が発生したときの影響、今回伴走をお願いするフェリーのキャンセル費用、地元の方々の櫂伝馬に対する思いなどなど、議論は2時間近くに及んだ。

様々な意見が出されたが、最終的には、『旅する櫂伝馬が今年限りなら多少無理しても行っても良いが、これから10年目指して続けていくつもりなのだし、台風の影響による悪天候という不可抗力でもあるのだから、関係者も理解していただけるはず。 今回は延期して、みんなが合意できる状態でもう一度企画しようじゃないか』、という結論に至った。

苦渋の決断。

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第1回目であった昨年は最高の天候にも恵まれ、良い形でゴールすることができたが、2年目の今年は、台風の当たり年ということもあり、出発すらできない試練の年となった。

思い立ったらポーンとシーカヤックをカートップして好きな浜に行き、雨が降っても多少の風が吹いても、スプレースカートとパドリングジャケットで防水した状態で漕ぎ進む事ができるシーカヤック旅とは異なり、50人にも及ぶ大勢の参加者と途中宿泊やゴールで受け入れてくださる更に多くの関係者の方々、雨が降るとどうしようもない開放構造の舟、往路では安全確保と荷物の運搬&復路では櫂伝馬を運ぶために伴走船のチャーターが必須であることなどなど、Go/No-Goの判断が非常に難しい事を実感。

ただ、真夜中に及んだあの議論が前向きで、みんながこの『旅する櫂伝馬』を続けていきたいと思っている事が救いであった。

今年、音戸漁協さんや自治会長さん、仕出し屋さん、お風呂屋さんなどに飛び込みで途中宿泊に関わるお願いに伺ったのだが、『櫂伝馬で大崎上島から宮島まで行くんです』と言うと、『おお、去年テレビで見たよ』、『知っとる知っとる、ラジオで聞いた』などなど、皆さん『旅する櫂伝馬』の事をご存知で、『そういう事なら』と、様々な便宜を図っていただいた。 本当にありがたいことである。

そのような中、2年目に訪れた思わぬ試練。 旅する櫂伝馬の火を消す事なく、私たちはこれを乗り越えて前に進んでいく事ができるだろうか。
試練を乗り越えてこそ、そこには成長がある。 『旅する櫂伝馬』が10年続けていけるかどうか、今まさに櫂伝馬魂が試されている。

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