ここ最近で、一番ショックだったのが、ミャンマーに関するニュース。
2018年に初めて訪れ、あまりに印象に残る楽しい旅だったので、翌年2019年にも再訪した、思い出深い国であるミャンマー。
今、ヤンゴンに住む人たちがどのような思いで日々を過ごしているのかは知る由も無いが、政情が安定し、再び訪問できることを願っている。
以下、まずは、2018年の旅の記録を再掲。
*** (2018年8月19日に投稿) ***
今年のお盆休みは、久し振りにバックパック一つを背負い、飛行機と宿だけを確保して、特に予定も決めない旅を楽しむことにした。
行き先は、ヤンゴン。
***
この春には、お盆休みはアジアへの旅をしてみたいと画策を始めていた。
妻には、『また下見の旅をしてくるからね』と、苦笑いしながら許可をいただいている。
ANAの特典チケットを利用しようと、ネットで検索してみるも、タイやベトナム、香港、台湾など、一度は行ってみたいと思っている都市では、さすがにお盆休みだけあり既に特典チケットの予約はできない状態であった。
『どこか空いている路線はないだろうか?』と探していると。。。
『お、まだここはあるじゃん』
出てきたのは、『YANGON』
YANGON/ヤンゴンって、一体どこなんだ?
恥ずかしながら、ヤンゴンと聞いても、どこの国の都市なのか、頭に全く浮かんでこなかったのである。
『まっ、いいか。 どうせ韓国以外では始めてとなるアジア旅。 知らない方が面白いじゃあないか』
というわけで、お盆休みの前後1日づつを家で過ごす休養日として確保し、広島〜成田、成田前泊、成田〜ヤンゴンの航空チケットの予約を『ポチッ』
***
『はてさて、予約はしてみたものの、ヤンゴンってどこの国なんだろう?』
調べてみると、ミャンマーだとの事。
ミャンマーって、アウン=サン=スーチーさんで有名な、元のビルマじゃあないか。
またビルマといえば、オフクロのお父さんが太平洋戦争の時に戦死した場所だとも聞いており、これは何かの縁であろう。
ネット情報では、仏教国であり治安は比較的良い事、昔は豊かだったが以前の政権の鎖国的な政策の影響もあって今ではアジアの最貧国とも言われている事、また政権交代した後は海外からの投資も盛んになって経済が発展しつつある事などの情報を得た。
『うん、これなら安心して旅はできそうだ』
ヤンゴンの街中にある、良さげな中級ホテルも無事に予約でき、これで旅の準備は完了である。
始めてのヤンゴン旅、特に予定も決めない旅になるが、これは楽しみだなあ!
***
2018年8月13日(月) 成田に前泊し、今日の午前中の直行便でヤンゴンに飛ぶ事になる。
今回の荷物はこれ。
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機内持ち込みサイズのザック一つと、貴重品を入れたペリカンケース。
これが俺の旅のスタイル。
ヤンゴンは雨季で、毎日雨が降るらしいので、完全防水のペリカンケースが役に立ってくれる事であろう!
11:25発のヤンゴン直行便。
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夕方にはヤンゴンに到着である。
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機内は9割方埋まっている。
ヤンゴンは、こんなロケーション。
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西はインドと、東側は中国やタイと国境を接している。
***
ヤンゴン空港に到着し、無事に入国審査を終え、ドルからチャットに両替してから、タクシーでホテルへと向かう。
タクシー代は事前交渉で、『地球の歩き方』に書いてあった空港から街中へのタクシー代に比べると少し高いが、値切る交渉も面倒なのでそのままタクシーに乗り込んだ。
このタクシーの運転手さんが、英語が話せる人だったようで、『日本から来たのか?』と聞かれたのを切っ掛けに、街までの移動の間、しばし会話を楽しむ。
『ここは日本車が多いね』 『ヤンゴンでは、韓国や中国の自動車もあるけど、日本の自動車が人気です。 トヨタ、日産、本田、マツダ、鈴木』
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『へえ、そうなんだ』 『日本の自動車は信頼感があるし、メンテナンスもしやすくて良いよ。 このタクシーも日産』
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***
ホテルに向かう道は、途中から大渋滞。 おかげで、ゆっくりと街の景色を楽しみながらの移動。
道は右側通行であるが、多くの日本車が走っているということは、右側通行なのに右ハンドル車が主流という不思議な状況。 新たな政策により、今年から右ハンドルの中古車輸入が禁止されたそうだが、今後どのようになっていくのかは関心がある。
また、混雑している中を、結構ギリギリの状態で無理やり車線変更したり、クラクションを鳴らしながら追い抜いたり、まさにアジアらしい混沌とした交通状況。
後ろに乗っていても、ぶつかるんじゃないかと心配になるシーンが多くあるのだが、ホテルまでの間で事故を見かけたことはなかった。
滞在していた5日間で、一度も交通事故を見なかったということは、まるで奇跡のようでもあり、その一方では、渋滞の中を車線変更をしながら走り抜けつつも、最後の最後では割り込んでくる車にスペースを譲るという、仏教国ならではの優しさも影響しているのではないかと感じた。
***
『こんな渋滞はいつもあるの?』 『日曜日以外は毎日渋滞。 特に朝と夕方が酷いよ』
『そう言えば、オートバイを見ないね』 『そう、ヤンゴンではオートバイは禁止されている。 警察官はOKだけど、それ以外は禁止』
俺としては、アジアの新興国は自転車とオートバイが多いイメージだったのだが、ヤンゴン市内ではそのどちらもほとんど見かけなかったので驚いた。
後で調べてみると、軍事政権時代に、反政権派が機動力の高いオートバイでテロを起こさないように禁止したとか、交通事故が多いので禁止したとか、大気汚染防止が目的だとか、様々な情報がネットには出ていた。
ただ何れにしても、新興国で重要な足となるであろうオートバイの利用を、市内限定(後日の郊外旅では、多くのオートバイが足となっている状況を見た)とは言え禁止するだけの社会主義的な雰囲気の残る、国の権力の強さは実感。
『あの、車線の真ん中を歩いている人は?』 『あれは道路を横断しようとしているんだ』
そう言われてみると、確かに片側4車線くらいの道なのだが横断歩道はなく、歩行者用の信号もほとんど見かけない。
『今回は何日ヤンゴンに居るのか?』 『4泊5日の予定』
『どこに観光に行くの?』 『ヤンゴン市内でのんびり過ごそうかと思っている』
『えー、5日間もヤンゴン市内だけ? みんないろいろ観光に行くよ』と行って、車内に準備してあったミャンマー国内の旅の参考プランが書かれたパンフレットを見せてくれる。
『うん、俺は訪れた街をディープに知りたいんだ。 だからヤンゴン市内をゆっくりと散策してみたい。 空港からホテルまでのこの交通状況と街の雰囲気を見ただけで、俺はヤンゴン市内だけで楽しめると確信したよ』
おそらく貸切タクシーでの観光や、観光地までの移動を営業したかったであろう、タクシーの運転手さんの期待があったと思われるが、俺はこの活気のあるヤンゴンの街を訪れたことは正解だったと、既にこの時、感じていた。
***
1時間弱で、ホテルに到着。
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綺麗な外観で、室内も清潔な、予想を超えた良い宿である。
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部屋から見える街は、こんな感じ。
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エレベーターは、英国式表記で、1FがGである。
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荷物を置くと、まずは晩御飯を食べる店を探しに散策へ。
バス停。
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標識は、全く読むことができない。
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ダウンタウンは、さすがに街の雰囲気。
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KFCの横には、寺院らしき建物が。
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映画館の看板。
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裏通り。
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アパート?
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水商売。
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***
特に事前に店は決めていなかったので、街を歩きながら、波長が合いそうな店をテキトーに決めるのが楽しみの一つ。
『うん、ここにしよう!』
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通りの角にあり、オープンな感じで、地元の人らしきお客さんもそこそこ入っている。
この店の雰囲気が、カリフォルニアのロングビーチにある、オープンなハンバーガーショップの雰囲気に似ているのが、気に入った理由の一つ。
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『一人だけど入れるかな?』と英語で聞き、空いた席に案内された。
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メニューには英語表記はなく、写真の見た目で適当に選んでみる。
店員さんにメニューを指差し、『これとビールをください』と注文。
まずは、運ばれてきたミャンマービールで、独り乾杯!
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瓶ビールを、冷えたグラスに『トクトクトクトク』 泡が治まるのを待ち、『グビリ、ぐびぐび』 『プハーッ、美味い』
これで、初めて訪れる国での、俺の実質的な旅が始まった!
運ばれてきた麺料理はこれ。
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これがなんとも旨い。
麺をズルリ。 そしてビールをグビリ。
『最高の夜じゃあないか』
餃子も頼んでみた。
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『えー、こんなにあるの?』
確かに美味しいのだが、さすがに独りでは食べきれないや。
チェックを頼み、残った餃子を持ち帰りたいと言うと、すぐにパックしてくれた。
料金も、ビール二本と麺、餃子で、なんと1,200円ほど。
安いなあ!
ホテルに戻り、シャワーを浴びると、持ち帰った餃子と、途中のコンビニで買い込んできた地元のビールで独りの宴。
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ヤンゴン初日から、大満足であった。
***
2018年8月14日(火) 朝はホテルで、サービスの朝食をいただく。
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まるで欧米のホテルのようだ。
まずはジュースとフルーツを。
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選べるメニューの中から、地元の麺をセレクト。
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『うん、これは美味しいな』 朝から大満足の地元料理を堪能。
***
ホテル前に停まっているタクシーに乗り、寝仏のある『チャウッタージー・バヤー』へ。
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裸足になって寝仏を拝観し、その後は街を歩いて今日のメインである『シェダゴン・バヤー』へと向かう。
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いたるところに野犬がたむろしており、舗装も十分されていない凸凹道。
ちょっとダウンタウンから離れると、こんな感じなのである。
いたるところに設置してある、非常用発電機。
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ミャンマーでは電力事情が悪く、よく停電が発生すると聞いていたが、住んでいる人たちはこのようにして自衛しているようである。
世界定額サービスを使い、iphoneのマップを頼りに、シェダゴン・バヤーへと歩いていく。
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自転車のサイドカー、『サイカー』
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気を抜くと落ちそうな歩道。
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洗濯物。
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1時間弱で、寺院に到着。
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ここからは、裸足になり、料金を支払って寺院を散策。
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補修中の塔であるが、足場はなんと竹で組んである。
その後の郊外旅でも見かけたが、10階建てくらいのアパート建設では、やはり竹で足場を組んで作業していた。
恐るべし、かつ自然に優しいミャンマーの建築技術。
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参拝を終えると、再び街へと向かう。
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乗り込んだタクシーは、エアコンなし。
窓を開けようとしても、スイッチがない! 見ると、
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なんと、懐かしのレギュレーター仕様。
日本でも、30年くらい前はまだまだこんな手動のウインドウが多く残っていたよなあ。
またこの運転手さんは、渋滞で信号に止まる度にエンジンを止めていた。
ヤンゴン版のアイドリングストップ!
これは、CO2削減のためではなく、ガソリン節約の為と思われるが、こんなタクシードライバーもいるのだと感心した。
まあ、エアコンなしで窓全開で走っているのだから、エンジン止めても室内の状況は変わらないからこれでよし!
***
タクシーで市場/マーケットに到着。
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ここは、ヤンゴン市内で最大のマーケットであり、ここで家族へのお土産を調達。
土産も買ったし、これで後は散策をたっぷり堪能できるなあ。
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昼ごはんは、美味しいと評判のカレー屋さんへ。 『203』
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ここでは、店頭に並んでいるいくつもの鍋から、気に入った種類のカレーを選んで注文するスタイル。
今回は、2種類のカレーを選択。
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『うん、これは旨い!』
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街は相変わらずの渋滞。
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ヤンゴン川を目指して歩く。
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ようやく到着したヤンゴン川。
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雨季のせいなのか、いつもそうなのか、泥色した大量の水が流れる大きな川であった。
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陸橋から眺めてみると、混沌とした交通状況がよく分かる。
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夜は、昨日夕食を食べたシャン麺料理の店を再訪し、店員さんオススメの地元麺料理をいただき、再びビールも日本堪能。
『ごちそうさまでした』
ホテルでの部屋飲みのつまみは、カルビーのスナック、
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と、屋台で買ったバナナ。
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***
2018年8月15日(水) ヤンゴン滞在3日目。
初めての街の雰囲気にも慣れてきて、今日は鉄道の旅を楽しむことにした。
幸いなことに、ホテルの近くにヤンゴン中央駅がある。
信号のない、自動車優先の横断歩道を命がけで渡り、凸凹の歩道を歩き、
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わずか数分でヤンゴン中央駅に到着。
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今日は、ヤンゴン環状線を一周してみるつもり。
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ヤンゴン〜ヤンゴンの、ラウンドトリップチケットを購入。
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一周約48kmを、約3時間かけて走るのだが、この料金がなんと200チャット=20円!!! 安いなあ。
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乗る列車の行き先表示は、なんと『試運転』
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乗車口は、こんなに高いギャップがある。
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手すりを持って、『よっこらしょ』と登る感じだ。
車内の空調設備は、天井の扇風機だけ。
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それも、一つだけしか動いていない。
当然、窓は全開。
車内には、日本との協力関係を記したステッカーも。
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今後もぜひ、良い関係を保ってもらいたいものである。
***
07:45。 時刻通り列車は動き始めた。 車内はほぼ満席。
久し振りとなるディーゼル車での列車旅。 ワクワクするなあ!
駅。
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弁当を持って、列車で通学する小学生。
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タナカ、をつけた子供。
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線路沿いのマーケット。
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様々な車内販売。
卵、水、キンマやタバコ、ブドウ、バナナ、果物、新聞、ランチなどなど。
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頭の上にお盆を載せて運ぶ叔母さん。
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活気のある車内である。
***
線路でのんびりと過ごす地元民。
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線路は道代わりに使われているらしい。
確かに凸凹道よりも歩きやすそうではある。
様々な場所に設けてある遮断機には、それぞれ人がついており、手動で遮断機を操作しているのには驚いた。
そして、遮断機にもいろいろな方式が。
これは、横にスライドさせるタイプ。
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これは、スイングアーム式になっているタイプ。
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他にも、振り子式で上に揚げる方式や、簡単なものでは大きな看板を道路の真ん中に人が運んでおくタイプもあった。
これでどのくらい給料をもらえるのか分からないが、鉄道料金は一周で20円ということから考えると、それほど高い給料とは思えない。
***
主要駅の大きなマーケット。
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ものすごい活気である。
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***
郊外に行くと、ヤンゴンのダウンタウンとは打って変わって、のんびりとした田園風景が広がる。
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集落の畑の杭打ちも、人力作業。
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のんびりした景色を眺めながら、昨日屋台で買ったバナナが俺のおやつ。
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***
3時間ほどで環状鉄道の旅を終えた。
ヤンゴンで5日間過ごしたのだが、実は一番印象に残ったのがこの鉄道旅。
ホテルの近くのダウンタウンは、経済発展を感じさせる活気のある街なのだが、鉄道で1時間も走ると、かなり田舎町になる。
そして比較的ヤンゴンに近いエリアでは、高層ビルもあるのだが、線路沿いには掘っ建て小屋が集まったスラムがいくつもあるのだ。
簡単な柱にシートを張っただけの住まい、竹で編んだ壁で囲った住まいなどなど。
その多くはドブの横にあったり、水の上に高床式に組まれていたりするのだが、いずれもガスや電気などは来ていないようで、簡単な釜を使って焚き火で調理する煙が立ち昇っている。
スラムの横には、プラスチックを含む生活ゴミや生活排水が混じるすごい色の水で野菜が栽培されており、魚を獲るための網も準備してある。
こんな水で育てた野菜を食べ、魚を食べるのか。。。
これ以上ない赤貧の生活であり、このようなスラムが非常に多く存在しているので、経済発展が進んでいる一方でアジア最貧国とも言われるミャンマーの格差社会の現実を目の当たりにした感じ。
ゆっくりと走る列車の車窓から、生活感とリアルな生活臭のある景色を眺めながら、様々な事を考えさせられた。
実はこの鉄道旅が気に入り、翌日にももう一周してみた。
一度の滞在で、環状線を2周する日本人旅行客は珍しいのではないかと思うのだが、これは2日続けて乗ってみてよかったと思っている。
初日は、初めて目の当たりにするスラムを見てショックを受け、人生についていろいろ考えさせられた。
それが二日目になると、見方が少し変わったことに気づく。
この人たちは、贅沢な生活には縁がなく、相対的には不幸に見えるのかもしれないが、そんな生活を本人たちがどのように感じているのかは、少なくとも俺が推し量ることはできないのではないだろうか?
こんな見窄らしい住まいでも、お母さんは、釜に火を熾して調理をし、たらいで洗濯をし、仕事の合間には桶から水を汲んで水を浴びる。
何もすることがないのか、お父さんは小さな子供を抱いて通り過ぎる列車を眺め、キンマを噛み、タバコを吸う。
二日目に見えた光景では、初日に感じた悲壮感はそれほどなくなり、日々を一生懸命、あるいは、なるようになるままに生きている人々の姿が見えてきたように感じたのだ。
***
人生って何だ?
目標を持って生きていくことだけが、本当に人生なのか? お金があって贅沢ができることだけが、幸せな人生なのか?
まさに、人が、その日その日を生きて行くことそのものが人生であって、それは自分だけが価値を決めることができるもので、幸せかどうかを人から判断されるべきものではないのではないだろうか?
*初めての海外旅行先であったミクロネシアも、貧しくもあり、それでも視点を変えるととても豊かな国であった。 いずれ、ミクロネシアにも再訪したいものである!
50代も半ばになってアジアの新興国を初めて訪問し、再び人生について考えさせられる機会をいただくことができたのは、これも何かの縁であろう。
スラムの物干しにはたいてい小さな子供の服が干してあり、まだまだこの国の人口は増え続け、国全体としての経済は発展し続けて行くのであろう。
10年後にこの国が、どのように変わっているのか、変わっていないのか、楽しみである。
***
列車を降りると、国立博物館を見学し、
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街を歩いて再びダウンタウンへ。
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歩道では、様々な露店が。
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ドブの臭いがするストリートで、地元の人たちは露店でのランチを楽しんでいる。
驚いたのは、この車のステッカー。
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ヤンゴンにも、インサイト愛好家のクラブがあるんだなあ!
俺のランチは、KFCで、ミャンマー店だけのスペシャルメニューをいただいた。
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ライスボックス。
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チキンの横には、カレーが掛かったご飯。
これが美味しいのである。
ランチを食べていると、外はゲリラ豪雨。
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これが雨季のヤンゴンなのか。
食事を終えて外に出ると、準備しておいたカッパを被り、途中では踝まで増水した歩道を歩いてホテルに戻る。
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***
せっかく行きつけのレストランはできたのだが、今日の夜は別のレストランにトライしてみる。
途中の通りでは、夕方の帰宅児童を待ち受けるスクールバスやお迎えの車の列で大渋滞。
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ここが、今日のレストラン。
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静かな店内。
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お茶の葉のサラダも、豆腐の唐揚げも美味しく、麺料理もいただきながら、今日もビールを堪能。
残ったサラダをテイクアウトし、ホテルで夜飲み。
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ヤンゴンのウイスキーは、小瓶がわずか80円。
付けてくれた匙で食べようとしたら、唇が痛い!
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見ると、角がこんな感じでギザギザしている。 さすがミャンマー品質。
諦めて、ホテル備え付けのスプーンでいただいた。
***
2018年8月16日(木) 朝から雨。
朝食を取ると、雨も上がり、そのまま駅へ。
今日は、昨日とは反対側の窓に陣取り、再び環状線の一周旅を楽しんだ。
感想は前述の通りだが、右側と左側では見える景色が大分違うので、のんびりまったり、ディープにヤンゴンを知りたい人には、環状線を2周してみることをお勧めしたい!
***
夜は、行きつけのシャン麺レストランへ。
『ミンガーバーラー』と言いながら店に入ると、顔なじみになった店員さんが笑顔で会釈してくれ、もう一人の娘は手を振ってくれた。
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うん、馴染みの店もできて、俺も徐々にこの街に馴染んできつつあるなあ。
今日は、これまで2回とはまた違う麺を注文。
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これまた美味しく、ビールが進む。
ここでの定番、麺料理一品と、ミャンマービール二本で、約800円也。
『ごちそうさまでした。 ここの料理は美味しかったよ。 またヤンゴンに来る時は、ここに来るね。 さようなら』と挨拶して店を辞す。
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***
2018年8月17日(金) 今日はヤンゴン旅の最終日。
とはいえ、雨季のヤンゴンなので、大雨で空港までのアクセスができなくならないよう、早めに空港まで行く予定。
いつもよりゆっくりと起き出し、朝食を時間をかけて楽しむ。
部屋に戻ると、地元のニュース番組をチェック。
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天気予報は雨だが、今日はそれほど強い雨にはならないようだ。
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一安心。
***
昼前になると、チェックアウトして中央駅にあるバス停へ。
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多くの観光客は、タクシーで空港に行くのだが、俺は時間がたっぷりとあるので今年できたという空港までのシャトルバスを利用してみることにしたのだ。
このバスだと、歩くことができなかったエリアも通るので、観光バス代わり思えば良いのである。
これがバスの車内。
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空港まで様々なバス停に止まるので、ほとんどがそれを利用する地元の人。
初めて見る通りの眺めも楽しむことができる。
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生活感溢れる街の風景。
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やはり活気がある街だなあ。
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横を走るバスに、なんとCNGバスを発見!
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そして、驚いたことにEVも一台だけ見ることができた。
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***
午前午後の二部制と言うミャンマーの学校で、午前中の部が終わった後の、帰校待ち渋滞。
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子供の数が、本当に多い。
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渋滞を抜け、1時間半ほどで空港に到着。
これで、料金が50円と超格安! タクシーなら、1,000円前後である。
ランチは空港のレストランで。
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ここの麺料理も絶品であった。
本当にミャンマーは麺料理の国であるなあ。
コンビニで買っておいた、ココナッツクリームを挟んだおやつも、驚く美味しさ。
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これは次回来たら、毎日食べたいなあ。
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たっぷりある時間を、本を読んで過ごし、
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ヤンゴン最後の晩御飯も麺料理。
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チェックインを終えると、最後のミャンマービールで独り乾杯。
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夜9:45発の飛行機で、ヤンゴンを出発した。
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深夜のエコノミー席旅はキツかったが、本当に楽しい旅であった。
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***
独特の街の臭いや、屋台での衛生管理、裸足での寺院散策、命がけでの道路横断など、人によっては合わないかもしれないが、俺は完全にはまったヤンゴン放浪旅。
これはまた再訪するな、と実感することができ、最高に充実したお盆休みとなった。
風の吹くまま気の向くまま、生涯不良の旅するサラリーマン・シーカヤッカー。
さて、来週はどこ行こう?
2018年に初めて訪れ、あまりに印象に残る楽しい旅だったので、翌年2019年にも再訪した、思い出深い国であるミャンマー。
今、ヤンゴンに住む人たちがどのような思いで日々を過ごしているのかは知る由も無いが、政情が安定し、再び訪問できることを願っている。
以下、まずは、2018年の旅の記録を再掲。
*** (2018年8月19日に投稿) ***
今年のお盆休みは、久し振りにバックパック一つを背負い、飛行機と宿だけを確保して、特に予定も決めない旅を楽しむことにした。
行き先は、ヤンゴン。
***
この春には、お盆休みはアジアへの旅をしてみたいと画策を始めていた。
妻には、『また下見の旅をしてくるからね』と、苦笑いしながら許可をいただいている。
ANAの特典チケットを利用しようと、ネットで検索してみるも、タイやベトナム、香港、台湾など、一度は行ってみたいと思っている都市では、さすがにお盆休みだけあり既に特典チケットの予約はできない状態であった。
『どこか空いている路線はないだろうか?』と探していると。。。
『お、まだここはあるじゃん』
出てきたのは、『YANGON』
YANGON/ヤンゴンって、一体どこなんだ?
恥ずかしながら、ヤンゴンと聞いても、どこの国の都市なのか、頭に全く浮かんでこなかったのである。
『まっ、いいか。 どうせ韓国以外では始めてとなるアジア旅。 知らない方が面白いじゃあないか』
というわけで、お盆休みの前後1日づつを家で過ごす休養日として確保し、広島〜成田、成田前泊、成田〜ヤンゴンの航空チケットの予約を『ポチッ』
***
『はてさて、予約はしてみたものの、ヤンゴンってどこの国なんだろう?』
調べてみると、ミャンマーだとの事。
ミャンマーって、アウン=サン=スーチーさんで有名な、元のビルマじゃあないか。
またビルマといえば、オフクロのお父さんが太平洋戦争の時に戦死した場所だとも聞いており、これは何かの縁であろう。
ネット情報では、仏教国であり治安は比較的良い事、昔は豊かだったが以前の政権の鎖国的な政策の影響もあって今ではアジアの最貧国とも言われている事、また政権交代した後は海外からの投資も盛んになって経済が発展しつつある事などの情報を得た。
『うん、これなら安心して旅はできそうだ』
ヤンゴンの街中にある、良さげな中級ホテルも無事に予約でき、これで旅の準備は完了である。
始めてのヤンゴン旅、特に予定も決めない旅になるが、これは楽しみだなあ!
***
2018年8月13日(月) 成田に前泊し、今日の午前中の直行便でヤンゴンに飛ぶ事になる。
今回の荷物はこれ。
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機内持ち込みサイズのザック一つと、貴重品を入れたペリカンケース。
これが俺の旅のスタイル。
ヤンゴンは雨季で、毎日雨が降るらしいので、完全防水のペリカンケースが役に立ってくれる事であろう!
11:25発のヤンゴン直行便。
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夕方にはヤンゴンに到着である。
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機内は9割方埋まっている。
ヤンゴンは、こんなロケーション。
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西はインドと、東側は中国やタイと国境を接している。
***
ヤンゴン空港に到着し、無事に入国審査を終え、ドルからチャットに両替してから、タクシーでホテルへと向かう。
タクシー代は事前交渉で、『地球の歩き方』に書いてあった空港から街中へのタクシー代に比べると少し高いが、値切る交渉も面倒なのでそのままタクシーに乗り込んだ。
このタクシーの運転手さんが、英語が話せる人だったようで、『日本から来たのか?』と聞かれたのを切っ掛けに、街までの移動の間、しばし会話を楽しむ。
『ここは日本車が多いね』 『ヤンゴンでは、韓国や中国の自動車もあるけど、日本の自動車が人気です。 トヨタ、日産、本田、マツダ、鈴木』
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『へえ、そうなんだ』 『日本の自動車は信頼感があるし、メンテナンスもしやすくて良いよ。 このタクシーも日産』
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***
ホテルに向かう道は、途中から大渋滞。 おかげで、ゆっくりと街の景色を楽しみながらの移動。
道は右側通行であるが、多くの日本車が走っているということは、右側通行なのに右ハンドル車が主流という不思議な状況。 新たな政策により、今年から右ハンドルの中古車輸入が禁止されたそうだが、今後どのようになっていくのかは関心がある。
また、混雑している中を、結構ギリギリの状態で無理やり車線変更したり、クラクションを鳴らしながら追い抜いたり、まさにアジアらしい混沌とした交通状況。
後ろに乗っていても、ぶつかるんじゃないかと心配になるシーンが多くあるのだが、ホテルまでの間で事故を見かけたことはなかった。
滞在していた5日間で、一度も交通事故を見なかったということは、まるで奇跡のようでもあり、その一方では、渋滞の中を車線変更をしながら走り抜けつつも、最後の最後では割り込んでくる車にスペースを譲るという、仏教国ならではの優しさも影響しているのではないかと感じた。
***
『こんな渋滞はいつもあるの?』 『日曜日以外は毎日渋滞。 特に朝と夕方が酷いよ』
『そう言えば、オートバイを見ないね』 『そう、ヤンゴンではオートバイは禁止されている。 警察官はOKだけど、それ以外は禁止』
俺としては、アジアの新興国は自転車とオートバイが多いイメージだったのだが、ヤンゴン市内ではそのどちらもほとんど見かけなかったので驚いた。
後で調べてみると、軍事政権時代に、反政権派が機動力の高いオートバイでテロを起こさないように禁止したとか、交通事故が多いので禁止したとか、大気汚染防止が目的だとか、様々な情報がネットには出ていた。
ただ何れにしても、新興国で重要な足となるであろうオートバイの利用を、市内限定(後日の郊外旅では、多くのオートバイが足となっている状況を見た)とは言え禁止するだけの社会主義的な雰囲気の残る、国の権力の強さは実感。
『あの、車線の真ん中を歩いている人は?』 『あれは道路を横断しようとしているんだ』
そう言われてみると、確かに片側4車線くらいの道なのだが横断歩道はなく、歩行者用の信号もほとんど見かけない。
『今回は何日ヤンゴンに居るのか?』 『4泊5日の予定』
『どこに観光に行くの?』 『ヤンゴン市内でのんびり過ごそうかと思っている』
『えー、5日間もヤンゴン市内だけ? みんないろいろ観光に行くよ』と行って、車内に準備してあったミャンマー国内の旅の参考プランが書かれたパンフレットを見せてくれる。
『うん、俺は訪れた街をディープに知りたいんだ。 だからヤンゴン市内をゆっくりと散策してみたい。 空港からホテルまでのこの交通状況と街の雰囲気を見ただけで、俺はヤンゴン市内だけで楽しめると確信したよ』
おそらく貸切タクシーでの観光や、観光地までの移動を営業したかったであろう、タクシーの運転手さんの期待があったと思われるが、俺はこの活気のあるヤンゴンの街を訪れたことは正解だったと、既にこの時、感じていた。
***
1時間弱で、ホテルに到着。
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綺麗な外観で、室内も清潔な、予想を超えた良い宿である。
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部屋から見える街は、こんな感じ。
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エレベーターは、英国式表記で、1FがGである。
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荷物を置くと、まずは晩御飯を食べる店を探しに散策へ。
バス停。
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標識は、全く読むことができない。
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ダウンタウンは、さすがに街の雰囲気。
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KFCの横には、寺院らしき建物が。
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映画館の看板。
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裏通り。
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アパート?
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水商売。
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***
特に事前に店は決めていなかったので、街を歩きながら、波長が合いそうな店をテキトーに決めるのが楽しみの一つ。
『うん、ここにしよう!』
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通りの角にあり、オープンな感じで、地元の人らしきお客さんもそこそこ入っている。
この店の雰囲気が、カリフォルニアのロングビーチにある、オープンなハンバーガーショップの雰囲気に似ているのが、気に入った理由の一つ。
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『一人だけど入れるかな?』と英語で聞き、空いた席に案内された。
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メニューには英語表記はなく、写真の見た目で適当に選んでみる。
店員さんにメニューを指差し、『これとビールをください』と注文。
まずは、運ばれてきたミャンマービールで、独り乾杯!
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瓶ビールを、冷えたグラスに『トクトクトクトク』 泡が治まるのを待ち、『グビリ、ぐびぐび』 『プハーッ、美味い』
これで、初めて訪れる国での、俺の実質的な旅が始まった!
運ばれてきた麺料理はこれ。
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これがなんとも旨い。
麺をズルリ。 そしてビールをグビリ。
『最高の夜じゃあないか』
餃子も頼んでみた。
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『えー、こんなにあるの?』
確かに美味しいのだが、さすがに独りでは食べきれないや。
チェックを頼み、残った餃子を持ち帰りたいと言うと、すぐにパックしてくれた。
料金も、ビール二本と麺、餃子で、なんと1,200円ほど。
安いなあ!
ホテルに戻り、シャワーを浴びると、持ち帰った餃子と、途中のコンビニで買い込んできた地元のビールで独りの宴。
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ヤンゴン初日から、大満足であった。
***
2018年8月14日(火) 朝はホテルで、サービスの朝食をいただく。
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まるで欧米のホテルのようだ。
まずはジュースとフルーツを。
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選べるメニューの中から、地元の麺をセレクト。
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『うん、これは美味しいな』 朝から大満足の地元料理を堪能。
***
ホテル前に停まっているタクシーに乗り、寝仏のある『チャウッタージー・バヤー』へ。
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裸足になって寝仏を拝観し、その後は街を歩いて今日のメインである『シェダゴン・バヤー』へと向かう。
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いたるところに野犬がたむろしており、舗装も十分されていない凸凹道。
ちょっとダウンタウンから離れると、こんな感じなのである。
いたるところに設置してある、非常用発電機。
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ミャンマーでは電力事情が悪く、よく停電が発生すると聞いていたが、住んでいる人たちはこのようにして自衛しているようである。
世界定額サービスを使い、iphoneのマップを頼りに、シェダゴン・バヤーへと歩いていく。
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自転車のサイドカー、『サイカー』
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気を抜くと落ちそうな歩道。
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洗濯物。
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1時間弱で、寺院に到着。
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ここからは、裸足になり、料金を支払って寺院を散策。
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補修中の塔であるが、足場はなんと竹で組んである。
その後の郊外旅でも見かけたが、10階建てくらいのアパート建設では、やはり竹で足場を組んで作業していた。
恐るべし、かつ自然に優しいミャンマーの建築技術。
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***
参拝を終えると、再び街へと向かう。
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乗り込んだタクシーは、エアコンなし。
窓を開けようとしても、スイッチがない! 見ると、
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なんと、懐かしのレギュレーター仕様。
日本でも、30年くらい前はまだまだこんな手動のウインドウが多く残っていたよなあ。
またこの運転手さんは、渋滞で信号に止まる度にエンジンを止めていた。
ヤンゴン版のアイドリングストップ!
これは、CO2削減のためではなく、ガソリン節約の為と思われるが、こんなタクシードライバーもいるのだと感心した。
まあ、エアコンなしで窓全開で走っているのだから、エンジン止めても室内の状況は変わらないからこれでよし!
***
タクシーで市場/マーケットに到着。
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ここは、ヤンゴン市内で最大のマーケットであり、ここで家族へのお土産を調達。
土産も買ったし、これで後は散策をたっぷり堪能できるなあ。
***
昼ごはんは、美味しいと評判のカレー屋さんへ。 『203』
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ここでは、店頭に並んでいるいくつもの鍋から、気に入った種類のカレーを選んで注文するスタイル。
今回は、2種類のカレーを選択。
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『うん、これは旨い!』
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街は相変わらずの渋滞。
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ヤンゴン川を目指して歩く。
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ようやく到着したヤンゴン川。
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雨季のせいなのか、いつもそうなのか、泥色した大量の水が流れる大きな川であった。
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陸橋から眺めてみると、混沌とした交通状況がよく分かる。
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夜は、昨日夕食を食べたシャン麺料理の店を再訪し、店員さんオススメの地元麺料理をいただき、再びビールも日本堪能。
『ごちそうさまでした』
ホテルでの部屋飲みのつまみは、カルビーのスナック、
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と、屋台で買ったバナナ。
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2018年8月15日(水) ヤンゴン滞在3日目。
初めての街の雰囲気にも慣れてきて、今日は鉄道の旅を楽しむことにした。
幸いなことに、ホテルの近くにヤンゴン中央駅がある。
信号のない、自動車優先の横断歩道を命がけで渡り、凸凹の歩道を歩き、
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わずか数分でヤンゴン中央駅に到着。
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今日は、ヤンゴン環状線を一周してみるつもり。
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ヤンゴン〜ヤンゴンの、ラウンドトリップチケットを購入。
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一周約48kmを、約3時間かけて走るのだが、この料金がなんと200チャット=20円!!! 安いなあ。
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***
乗る列車の行き先表示は、なんと『試運転』
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乗車口は、こんなに高いギャップがある。
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手すりを持って、『よっこらしょ』と登る感じだ。
車内の空調設備は、天井の扇風機だけ。
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それも、一つだけしか動いていない。
当然、窓は全開。
車内には、日本との協力関係を記したステッカーも。
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今後もぜひ、良い関係を保ってもらいたいものである。
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07:45。 時刻通り列車は動き始めた。 車内はほぼ満席。
久し振りとなるディーゼル車での列車旅。 ワクワクするなあ!
駅。
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弁当を持って、列車で通学する小学生。
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タナカ、をつけた子供。
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線路沿いのマーケット。
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様々な車内販売。
卵、水、キンマやタバコ、ブドウ、バナナ、果物、新聞、ランチなどなど。
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頭の上にお盆を載せて運ぶ叔母さん。
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活気のある車内である。
***
線路でのんびりと過ごす地元民。
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線路は道代わりに使われているらしい。
確かに凸凹道よりも歩きやすそうではある。
様々な場所に設けてある遮断機には、それぞれ人がついており、手動で遮断機を操作しているのには驚いた。
そして、遮断機にもいろいろな方式が。
これは、横にスライドさせるタイプ。
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これは、スイングアーム式になっているタイプ。
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他にも、振り子式で上に揚げる方式や、簡単なものでは大きな看板を道路の真ん中に人が運んでおくタイプもあった。
これでどのくらい給料をもらえるのか分からないが、鉄道料金は一周で20円ということから考えると、それほど高い給料とは思えない。
***
主要駅の大きなマーケット。
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ものすごい活気である。
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***
郊外に行くと、ヤンゴンのダウンタウンとは打って変わって、のんびりとした田園風景が広がる。
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集落の畑の杭打ちも、人力作業。
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のんびりした景色を眺めながら、昨日屋台で買ったバナナが俺のおやつ。
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***
3時間ほどで環状鉄道の旅を終えた。
ヤンゴンで5日間過ごしたのだが、実は一番印象に残ったのがこの鉄道旅。
ホテルの近くのダウンタウンは、経済発展を感じさせる活気のある街なのだが、鉄道で1時間も走ると、かなり田舎町になる。
そして比較的ヤンゴンに近いエリアでは、高層ビルもあるのだが、線路沿いには掘っ建て小屋が集まったスラムがいくつもあるのだ。
簡単な柱にシートを張っただけの住まい、竹で編んだ壁で囲った住まいなどなど。
その多くはドブの横にあったり、水の上に高床式に組まれていたりするのだが、いずれもガスや電気などは来ていないようで、簡単な釜を使って焚き火で調理する煙が立ち昇っている。
スラムの横には、プラスチックを含む生活ゴミや生活排水が混じるすごい色の水で野菜が栽培されており、魚を獲るための網も準備してある。
こんな水で育てた野菜を食べ、魚を食べるのか。。。
これ以上ない赤貧の生活であり、このようなスラムが非常に多く存在しているので、経済発展が進んでいる一方でアジア最貧国とも言われるミャンマーの格差社会の現実を目の当たりにした感じ。
ゆっくりと走る列車の車窓から、生活感とリアルな生活臭のある景色を眺めながら、様々な事を考えさせられた。
実はこの鉄道旅が気に入り、翌日にももう一周してみた。
一度の滞在で、環状線を2周する日本人旅行客は珍しいのではないかと思うのだが、これは2日続けて乗ってみてよかったと思っている。
初日は、初めて目の当たりにするスラムを見てショックを受け、人生についていろいろ考えさせられた。
それが二日目になると、見方が少し変わったことに気づく。
この人たちは、贅沢な生活には縁がなく、相対的には不幸に見えるのかもしれないが、そんな生活を本人たちがどのように感じているのかは、少なくとも俺が推し量ることはできないのではないだろうか?
こんな見窄らしい住まいでも、お母さんは、釜に火を熾して調理をし、たらいで洗濯をし、仕事の合間には桶から水を汲んで水を浴びる。
何もすることがないのか、お父さんは小さな子供を抱いて通り過ぎる列車を眺め、キンマを噛み、タバコを吸う。
二日目に見えた光景では、初日に感じた悲壮感はそれほどなくなり、日々を一生懸命、あるいは、なるようになるままに生きている人々の姿が見えてきたように感じたのだ。
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人生って何だ?
目標を持って生きていくことだけが、本当に人生なのか? お金があって贅沢ができることだけが、幸せな人生なのか?
まさに、人が、その日その日を生きて行くことそのものが人生であって、それは自分だけが価値を決めることができるもので、幸せかどうかを人から判断されるべきものではないのではないだろうか?
*初めての海外旅行先であったミクロネシアも、貧しくもあり、それでも視点を変えるととても豊かな国であった。 いずれ、ミクロネシアにも再訪したいものである!
50代も半ばになってアジアの新興国を初めて訪問し、再び人生について考えさせられる機会をいただくことができたのは、これも何かの縁であろう。
スラムの物干しにはたいてい小さな子供の服が干してあり、まだまだこの国の人口は増え続け、国全体としての経済は発展し続けて行くのであろう。
10年後にこの国が、どのように変わっているのか、変わっていないのか、楽しみである。
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列車を降りると、国立博物館を見学し、
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街を歩いて再びダウンタウンへ。
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歩道では、様々な露店が。
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ドブの臭いがするストリートで、地元の人たちは露店でのランチを楽しんでいる。
驚いたのは、この車のステッカー。
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ヤンゴンにも、インサイト愛好家のクラブがあるんだなあ!
俺のランチは、KFCで、ミャンマー店だけのスペシャルメニューをいただいた。
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ライスボックス。
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チキンの横には、カレーが掛かったご飯。
これが美味しいのである。
ランチを食べていると、外はゲリラ豪雨。
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これが雨季のヤンゴンなのか。
食事を終えて外に出ると、準備しておいたカッパを被り、途中では踝まで増水した歩道を歩いてホテルに戻る。
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せっかく行きつけのレストランはできたのだが、今日の夜は別のレストランにトライしてみる。
途中の通りでは、夕方の帰宅児童を待ち受けるスクールバスやお迎えの車の列で大渋滞。
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ここが、今日のレストラン。
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静かな店内。
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お茶の葉のサラダも、豆腐の唐揚げも美味しく、麺料理もいただきながら、今日もビールを堪能。
残ったサラダをテイクアウトし、ホテルで夜飲み。
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ヤンゴンのウイスキーは、小瓶がわずか80円。
付けてくれた匙で食べようとしたら、唇が痛い!
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見ると、角がこんな感じでギザギザしている。 さすがミャンマー品質。
諦めて、ホテル備え付けのスプーンでいただいた。
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2018年8月16日(木) 朝から雨。
朝食を取ると、雨も上がり、そのまま駅へ。
今日は、昨日とは反対側の窓に陣取り、再び環状線の一周旅を楽しんだ。
感想は前述の通りだが、右側と左側では見える景色が大分違うので、のんびりまったり、ディープにヤンゴンを知りたい人には、環状線を2周してみることをお勧めしたい!
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夜は、行きつけのシャン麺レストランへ。
『ミンガーバーラー』と言いながら店に入ると、顔なじみになった店員さんが笑顔で会釈してくれ、もう一人の娘は手を振ってくれた。
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うん、馴染みの店もできて、俺も徐々にこの街に馴染んできつつあるなあ。
今日は、これまで2回とはまた違う麺を注文。
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これまた美味しく、ビールが進む。
ここでの定番、麺料理一品と、ミャンマービール二本で、約800円也。
『ごちそうさまでした。 ここの料理は美味しかったよ。 またヤンゴンに来る時は、ここに来るね。 さようなら』と挨拶して店を辞す。
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2018年8月17日(金) 今日はヤンゴン旅の最終日。
とはいえ、雨季のヤンゴンなので、大雨で空港までのアクセスができなくならないよう、早めに空港まで行く予定。
いつもよりゆっくりと起き出し、朝食を時間をかけて楽しむ。
部屋に戻ると、地元のニュース番組をチェック。
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天気予報は雨だが、今日はそれほど強い雨にはならないようだ。
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一安心。
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昼前になると、チェックアウトして中央駅にあるバス停へ。
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多くの観光客は、タクシーで空港に行くのだが、俺は時間がたっぷりとあるので今年できたという空港までのシャトルバスを利用してみることにしたのだ。
このバスだと、歩くことができなかったエリアも通るので、観光バス代わり思えば良いのである。
これがバスの車内。
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空港まで様々なバス停に止まるので、ほとんどがそれを利用する地元の人。
初めて見る通りの眺めも楽しむことができる。
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生活感溢れる街の風景。
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やはり活気がある街だなあ。
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横を走るバスに、なんとCNGバスを発見!
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そして、驚いたことにEVも一台だけ見ることができた。
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午前午後の二部制と言うミャンマーの学校で、午前中の部が終わった後の、帰校待ち渋滞。
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子供の数が、本当に多い。
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渋滞を抜け、1時間半ほどで空港に到着。
これで、料金が50円と超格安! タクシーなら、1,000円前後である。
ランチは空港のレストランで。
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ここの麺料理も絶品であった。
本当にミャンマーは麺料理の国であるなあ。
コンビニで買っておいた、ココナッツクリームを挟んだおやつも、驚く美味しさ。
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これは次回来たら、毎日食べたいなあ。
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たっぷりある時間を、本を読んで過ごし、
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ヤンゴン最後の晩御飯も麺料理。
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チェックインを終えると、最後のミャンマービールで独り乾杯。
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夜9:45発の飛行機で、ヤンゴンを出発した。
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深夜のエコノミー席旅はキツかったが、本当に楽しい旅であった。
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独特の街の臭いや、屋台での衛生管理、裸足での寺院散策、命がけでの道路横断など、人によっては合わないかもしれないが、俺は完全にはまったヤンゴン放浪旅。
これはまた再訪するな、と実感することができ、最高に充実したお盆休みとなった。
風の吹くまま気の向くまま、生涯不良の旅するサラリーマン・シーカヤッカー。
さて、来週はどこ行こう?