・得体の知れぬウサン( 胡散 )臭い人物。
【意味】見た様子がなんとなく怪しくて油断できない。疑わしい。
コ、ゴ、ウ
えびす、なん(ぞ)、あごひげ、でたらめ、
ながいき、みだり、いずく(んぞ)
胡
【解字】形声。月(肉)+古。音符の古は、ぼんやりしている(模糊)さまを表す擬態語。肉の一部なのか、あごひげなのか、ぼんやりしていてわからない、牛のあごひげの下のたれ肉の意味を表す。またぼんやりとしてよくわからない、はるか遠いえびすの地の意味を表す。また、借りて、なんぞの意味の助字に用いられる。
- えびす。北方または西方の異民族。主に匈奴をいう。北狄。
- 異民族。外国。
- なん-ぞ。(助字)
- けだもののあごのたれ下がった肉。
- 命がながい。長生き。老人。
- はるか。とおい。ながい。
- でたらめ。とりとめのない。「胡説」
<新漢語林より>
『胡散臭い』 語源由来辞典
胡散臭いは近世以降の言葉で、怪しいさまを意味する「胡散」に「らしい」を意味する接尾語の「臭い」をつけて、形容詞化されたものである。
胡散の語源は、疑わし意味する漢語「胡乱(うろん)」からとする説。
茶碗の一種で、黒の釉(うわぐすり)をかけた天目茶碗の「烏盞(うさん)」からとする説があり、、この二説のいずれかと思われる。
その他にも、ポルトガル語で怪しいという意味の「Vsanna(ウサンナ)」からとする説があるが、「胡散」の語が使われ始めた時代が合わない。
香辛料の名前や薬の名前といった説もあるが、そのような名前の香辛料や薬は過去にも実在しない。
「胡」を「う」と読むのは唐音、「散」を「さん」と読むのは漢音のため、「胡散」は和製漢語と思われる。
胡 なんとなくマイナスイメージが付き纏います。
漢検協会では、胡散臭い は載せていなく、胡乱(ウロン) を出題しています。
胡乱(ウロン) -怪しく確かではない。
「胡乱な記憶」「胡乱な目つき」「胡乱な人物」「証拠なくては胡乱なり」
ほかに、
胡座(コザ・あぐら)
胡桃(コトウ・くるみ)
胡瓜(コカ・きゅうり)
胡椒(コショウ)
胡麻(ゴマ)
また、女子十二楽坊で有名になった、
二胡(ニコ)
胡弓(コキュウ)
胡蝶の夢
〔荘子が、蝶となり百年を花上に遊んだと夢に見て目覚めたが、自分が夢で蝶となったのか、蝶が夢見て今自分になっているのかと疑ったという「荘子(斉物論)」の故事による〕
(1)夢と現実との境が判然としないたとえ。
(2)この世の生のはかないたとえ。
胡蝶の舞
胡蝶は胡の国の蝶をモチーフにした舞楽。胡蝶楽(こちょうらく)。
胡蝶蘭
花が蝶の舞っている姿に似ているところからつけられた。