自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『チポリーノの冒険』 ジャンニ・ロダーリ

2011-03-19 07:11:44 | 児童文学
東京にいるボクは、被災者の気持ちは計りしれません。


オフィスは、節電で、蛍光灯は全くつけていないし、ランチを取る時もスタッフはキャンドルの灯のもとで食事をしている。


意識は持っていても、やっぱりボクたちには、帰る家もあるし、原発からもなんとか距離もある。



昨日、カリフォルニアにいるアートセラピストの方から、支援の協力をしたいというメールをもらいました。

クエストのHPのTOPを読んでくれたようです。


NHKの記者さんからも、アートセラピーでの支援活動についての今後の予定についての取材もされました。



でも、第一次の支援は、なんといってもライフラインの確保。


そして、ボクたちの出番は、これから長く続くのです。



おまけに支援の対象者は、被災者ばかりではありません。



たとえば、先日のニュージーランドへ緊急で救出に向かった海上自衛隊の選りすぐりの方々の中にも、何ら成果を得られなかったことによる、心理的なストレスに苦しんでいる隊員もいるという話を聞きました。



助ける側の心理ケアも、実はとても重要なものなのです。


中越地震の際のアートセラピーサポートでも、子どもたちよりも、幼稚園の先生たちの心のケアがとても大切なことでした。



今は、まだ何ができるのかは全くわかりません。


でもボクたちの心の準備はいつでも大丈夫です。



『チポリーノの冒険』 ジャンニ・ロダーリ


苦しい時は、物事を一面的な見方になりがちですから、そんな時ほど、ボクたちのイマジネーションの力は大切です。


「野菜と果物たちの暮らす国。玉ねぎ坊やのチポリーノが、無実の罪で牢屋に入れられてしまったお父さんを救い出そうと大活躍・・・・」






こんな解説の児童文学で、ボクは何となく幼稚っぽいものと感じて、なかなか手に取らないままデスクにおいてありました。



『王への手紙』で、ぐっと心をつかまれていただけに、あんまり期待はしないままに読み始めたのが正直なところ・・・・。



でも、この話、かなり面白い。


イタリアのナンセンスファンタジー。


実は戦後間もなく翻訳されて日本でも紹介されていたようです。


作者のジャンニ・ロダーリは、国際アンデルセン賞の作家賞も受賞しています。



チポリーニはたまねぎ。


トマト騎士の勝手な振る舞いにほんろうされながら、無実の罪でつかまっている囚人やお父さんを助け出す冒険物語なのです。


イタリア人の気質なのか、登場人物たちのその無邪気さや痛快な展開に思わず笑ってしまいます。


避難所でも子どもたちの笑顔に励まされているような話も聞いています。



幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ。


フランスの哲学者アランの言葉。



こんな時だからこそ、ボクたちにできる笑う力を使ってみるのもいいかもしれません。









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