外教生活 in 中国山東省濰坊-淄博-泰安-済南&北京=>故郷へ

北京五輪の翌年(2009年)からの外教(外国籍教師)生活と地元での留学生との触れ合いを綴っています。

暗記組とイヤホン組

2013年11月06日 | 日記
11月6日(水) 晴れ

今日も見事な晴天でした。
昼になると気温がグングン上がり、9月を思わせる陽気でした。今年は暑い9月でしたが。

1年生の授業で先週から試していることがあります。
一通り本文を読んだあとで教科書を見ないで、私が読むのを聴いて発声するというもの。

授業開始前に数人の学生が耳にイヤホンをして音声を聴いているのですね。
前の学校もそうだったのですが、文章を暗唱させる先生が多いので文章を暗記しており
しっかりと発声しています。
新入生になってまだ1学期ですから、馬力があります。

ただ、これが暗記していない文章だと大きな差が出てきます。

実は私の授業ではテキストを2種類使っています。本来使うテキストは日本の日本語学校
でも多く採用されている「みんなの日本語」なのですが、サブテキストとして各国の言葉で
出版されている新出単語や文法説明の別冊を学校が学生に持たせてない上にテキストに
付随しているMP3の音声がとても聴けるものではないので、精読というメインの授業で
使っている教科書の復習をして、みんなの日本語の会話練習をしています。
文法については習う項目はほぼ同じですからね。

後半はこの会話文を使って練習させているのですが、2人1組で発表する段階になると
音声を聴いている学生とただ文章を暗記している学生では同じ文章を読んでも音声を
聴いている学生の方がスラスラと読みます。

もちろん、これは分かりきったことで
「私は学生です」という文章を
「わ・た・し・は・が・く・せ・い・で・す」と一字一字文字として読むか
音声を聴きながら
「わたしは・がくせい・です」と文字ではなく言葉として読むかの違いです。

私は学生には暗記は勧めません。
暗記したものというのは、その役割が終わった後は忘れることが多い。
スピーチのためにせっかく覚えた文章も途中で忘れると頭が真っ白になりますね。
音としてフレーズで覚えたものは応用が利きます。

ただ、中国の先生は暗記をさせるのが好きな先生が多く、無駄とは言いませんが、徒労に
終わる確率がとても大きいのではないかと心配しています。
同じ時間を使って勉強しても、今後の進歩に大きな差が出てきて、暗記だけに頼ってきた
学生は挫折し無気力になってしまう可能性が大いにある。
そして外国語はやはり難しいという結論に至る。

そうならない為に音声を聴くことをどんどん推奨しています。
例え、挫折していたとしても、まだまだ取り返せる年齢ですからね。
コメント
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