去って行った新人くんたちはどうしているんだろう。皆これからという時にリタイアしてしまう。多分、うちのような骨太サーカスでは面白くなくなるのかな?興味がなくなってしまうのかもね。
どんな世界でも、生き残るのに大切なことは、「相手の力を見誤らない」ということです。相手の実力を推し量れないということは、自分の力も把握できません。よって、いつまでも伸びない。「初心忘るべからず」(「風姿花伝」読んでね)です。
かつて仲間だった者たちが我々を忘れ去っていくなか、お客様は覚えていて下さる。これが一番嬉しいですね。「苦しい時、あの場面、あのセリフを思い出すとスッと救われるのです」なんて言われたら(事実おいででした)、役者冥利に尽きます。やっててよかったと。劇を立ち上げ、お客様に楽しんでいただくのが我々の仕事です。我々はお客様の記憶に残ってナンボなのです。
やっている当事者ですら、劇の本質はわからなかったりします。しかし、お客様は感じてくれています。我々も感じなくては。言葉をかみしめ、場を味わって感じなくては、観ている側に伝わるはずがない。
骨太サーカスでもそれは心得ております。