右目がね、眼底出血しちゃって、赤いのですわ。早々私だけ「ひとりハロウィン」というわけ。なんだかな~(ただの疲れ目ですよ)(^^;)
というわけで、今回は私、稀代の文学者と異形のものの二役をいただきました(つまりは2チームに出演します)。私のような者があのような方を演じるなんて…。でも実は、30年前にも一度演らせてもらったことがあるのです(しかも大ホールでド芯)。その時は何とか務めさせていただきましたが、今回の方が直球勝負。時間の長さは関係ないのです。密度の問題です。
私個人は、よくからかわれます。演劇関係者から。セリフを嚙んだり、忘れたり、違うことを言ったり…。まともな俳優としては扱ってもらえないこともしばしばです。「何を言うかわからない奴」とも言われます。「スジナシ」やったら無敵なんやけどね。
役の生理と自分の生理をマッチングさせるのが下手なのは事実です。役として感じたまま反応する時があります。勿論そんなことをしてはいけないので慌てて稽古通り修正します。当然、リズムが狂ったりします。相手役をびっくりさせることもあって、申し訳ないです。でも、私はその時私ではないのです。だから何も覚えていないことがあります。自分のやったことの記憶がないことが。集中と緊張が渾然一体となっているというか(じゃあカオスじゃん)。だもんで、よく揶揄されます。つい先日も稽古場前でからかわれました。致し方ないとはいえ、40年やってきてこれかと時々落ち込みます。
俳優の人生には何も残りません。作家は作品が残りますが、俳優は人の記憶にしか残りません。少しでも誰かの記憶に残ることができたなら。誰かの、忘れられない「私」になりたいと思う今日この頃です。今更、「特別な人間」にはなれないかもしれないけれど、「誰かの特別」にはなれるのではないでしょうか?
精進いたします。皆さん、力尽きるまで観てやってください。よろしくお願いいたします。