神原ワールド稽古場日誌

神原ワールドが繰りひろげる劇の世界・公演のお知らせ・稽古場の模様を皆様にお届けします♡

河原に住む

2020-06-09 13:26:27 | 演劇

 先日、映画の「あん」を観た。映画といってもDVDですが。樹木希林と孫の内田伽羅が出ていた。やっと観たといった感じ。こんなにハンセン病が深く関わっていたとは知らなかったので驚きました。静かに迫るよいドラマでした。希林さんよかったです。うまく年齢を生かしてやってましたね。さすが。ゆるりと元気づけられる物語でした。

                 

 マイノリティ。ふと我らもそんな気がしました。大多数ではないその他。こんな生き方は誰にも勧められないけれど、確かに自分が選んだ道なんだ。でも、そんなしんどいことを選ぶバカは数少ない。初めは多くとも、遂にはほんの数えるほどになってしまうのが必定。みんな気が済んでしまうのでしょうか。年をとっても追い続けるのは芸人だけ。まだ足りない、まだ足りない。そう言って道を追い求める者だけが残る。満たされない存在。それが芸事を成す者でしょうか。

 秋田の墓地で、旅の途中で命果ててしまった旅役者の墓を見たことがありました。小さな小さな墓石で、ほとんど墓碑銘は削れてしまっておりました。ああ、これは俺だなと思いました。でもいつか誰かが、こんな奴もいたのかと、目に留めてくれるかもしれない。そんな儚い存在なのですね、役者って。作家は作品を残します。しかし、役者は売れれば名を残しますが、大概は人の記憶にしか残りません。観た人の記憶の中だけに。

        せめてあなたの記憶に残してやっていただけませんかねぇ。

                     

                            劇団 すかんぽ長屋 「深川生首橋」

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