昔から、悪役はもうけ役とされております。陰が光を際立たせるように、悪がしっかりしていると善が映えるのです。悪役の立ち位置はいわば準主役級なのです。
今回、私は安太郎ですから悪人じゃあありませんが、恐ろしいものや悪いものは出てきます。やっぱり刀は抜くんだとさ。
これまで幾多の悪役をさせていただきました。臓器売買を生業にするヤクザ、自分の女に保険金を掛けて殺そうとする非道な男、御取り潰しになる藩の公金を盗んで出奔する武士など…。中でもキングオブ「悪(わる)」は、「傾く満月」という時代劇でやった「忍ぶの源蔵」という盗賊ですね。名のある大店に潜り込んで信頼を得、頃合いを見計らって皆殺しの上に全財産いただくという真っ黒な悪でした。一点の曇りもない「悪」が気持ち良かったです(座長を膾に斬ってやりました)。純然たる悪は、純然たる善の対局にあるのです。花のお江戸のダースベイダーでした(^_-)-☆ 楽しいですよ悪役 (^^♪
【閑話休題】
日常がやや元に戻りつつある今日この頃、暑さもあって疲れやすくなってますね。稽古のない日など、夕飯を食べたらいきなり眠くなってしまい、ついうたた寝を…。夜中に目覚めて少し眠れず、なんてこともしばしば。
ふと夜中に、いなくなったことをまた思い出す。我が家の文鳥(だった)ハムさんである。4月13日未明に天寿を全うしたハム。鳴き声が聞こえてこない不思議。不思議でも何でもない、もういないんだから。しかし、いつしかその声や姿を追ってしまう自分がいる。少しは慣れたつもりになっていたのですが、時折寂しく固まってしまいます。
命がなくなるとはこういうことなのだ。 夜中に思う今日この頃です(-_-)