善光寺について書いたが、松代大本営地下壕へも行ったので、紹介したい。
ここは今から70年ほど前太平洋戦争末期に作られた地下壕で、総延長10km以上、いま残っているだけでも5853.6mの地下壕。軍部が本土決戦に備えて大本営(天皇に直属する統帥部)をここに移そうとして作った大地下壕だ。
幅およそ4m高さ2.5mくらいの岩盤をくりぬいた碁盤の目のような地下壕。昭和19年11月から翌年8月15日の敗戦まで朝鮮人や日本人労働者により掘られた。
公開されているのは500mだけだが、実際はいってみると、そのスケールの大きさに圧倒される。できるだけ当時のままで保存したいというように、足元はゴロゴロ石だらけ、頭もヘルメット着用だ。中は裸電球の照明があり、安心して通れるが、女性一人では、入らないほうがいい。
こんな地下壕、なんて馬鹿なことをするのだろうかと今思うが、これが戦争の実態の一つ。戦争は人を狂わせる。
同じような地下壕を沖縄の旧海軍指令所地下壕(実際使用された)やヴェトナムのクチの地下壕(これも実用)を見たが、格段にスケールが違った。
第二次世界大戦の負の遺産として、後世に是非残していかなければならないと強く思った。