台風18号の影響で足元を危惧するが、大雨の渦中を相鉄線「かしわ台」駅まで中古車のミツビシ・コルトを走らせる。水浸しの滑りやすい国道をホールドする購入迄にすでに8万キロも走ってきたクルマの足回りの堅実に安心する。駅前では24時間500円の駐車場へ預ける。かしわ台駅前は勾配の多い形状で一面の川状態になって威勢よく氾濫する水で足元も衣服もずぶ濡れになってしまった。
相鉄、京急線を経由して向かう先は横須賀の「汐入」駅前のガード下にある「平林」という昭和レトロなカフェだ。ここで老人4人による雨中半日会談を行う。目的は10月18日の大安日にスタートする中区・山元町の寿司店跡地の「横濱ラジオ亭 珈琲・音楽・のすたるじあ」という週末限定懐古茶房のPOPデザイン、ロゴマーク等を老人の一人にお願いする話だ。Oさんは大手自動車メーカーのデザイン部に籍があった方である。過去に余興でこなした鎌倉小町通りの路地裏にある蕎麦店の献立、看板等の墨書によるサンプル原画がとても飄逸であって凛とした清潔感も漂わせている。こちらが用意していったラジオのゼニス、モトローラといった1950年代のアメリカラジオ全盛期の写真集と似たムックをOさんも持っていて話は通じやすい。Oさんへの話はクルマのデザイン余話等に脱線することも多かったがなんとか依頼を10日くらいでこなしていただくことになった。謝礼は格安でと念を押したがOさんは固辞する一方だ。ついては本牧通り・中区千代崎町の近くある中華隠れ名店で老人4人による小宴会をしようではないか!ということで納まった。
帰路は目の前の京急駅を選ばないで雨の勢いが弱まった臨海公園沿いをDさんとJR横須賀駅までおよそ10分歩く。小雨に煙る横須賀軍港の海上に浮かぶ水鳥、大型母艦を眺めながらのそぞろ歩きである。田浦駅トンネルの遥かに古いレンガ張りの形を愛でるDさんとの会話はいつも気心が通っている。
座間へ戻った時間帯には台風の雨も去っている。夜半は過去の数年に溜まっていた喫茶グッズというかツール類の清掃と整理を始めている。業務用コーヒーミル、銅製薬缶、エスプレッソマシン、カフェの体をなさないものは選んだら恥なので用心深いぞ今度は。しかしモノラルのラジオ系もさることながら先日、小品ハイセンスオーディオの達人、Hさん宅でいつも見かける英国グッドマンのミニスピーカー(写真参照)こういうものも配置して音が流れる光景もついつい夢想してしまうからなかなか病気は治らないようだ。