私が数年前まで勤めていた先に「ちちゃいカルロスゴーン」がおりました。
何回かのシリーズでその「ちっちゃさ」を紹介します。皆さんは決してマネしないでね。
第一話は「タクシー代のチョロマカシ」です。
以前の勤務先は営業員全員に「タクシーチケット」を渡しておりました。1回につき9,999円までしか書き込めませんが、都内や出張先での短距離の移動に使用するものなので全く問題ありません。
使用したチケットは支給されているチケットの通し番号とともに「クレジットカード」の明細に併記され、会社からカード会社へ支払います。使用チケットには「サイン」と「出発先・到着先」を書き込込み、カーボンの「控え」が残ります。
営業員は「控え」を添付し経理に提出しなければなりません。「タクシーチケット」は支給されている「クレジットカード」に連動していますから、営業員にタクシー代が戻ることはありません。そこで「ちちゃいカルロスゴーン」は考えた。
タクシーチケットで支払ってもタクシーのレシートは渡されるので、あたかも自分がキャッシュで払ったように、そのレシートで「架空のタクシー代」を請求するのです。
タクシーレシートにはどのように支払ったのか、どこからどこまで乗車したのか・・・などは印刷されず、ただ日付と料金のみが記載されているのです。
ですので、「ちちゃいカルロスゴーン」は例えばある日に都内で3度タクシーチケットを使い、3回レシートを貰い、3回分の料金を会社に請求するのです。
そしてその日「ちちゃいカルロスゴーン」は6回タクシーを利用したということで虚偽の出張報告を作成するのです。
結局はこんなちっちゃい悪事が長く続くわけもなく、ついにはバレてクビにされる口実のひとつになったわけですが、バレた理由は
①初乗り料金ばかりだったら問題もなかったのに、チケット1,800円=レシート1,800円、チケット2,500円=レシート2,500円と同額のケースが多くて疑わしい。
②レシートに降車時刻が印字されており、チケットに書かれた訪問先へのアポ時間と同じ時間であった。
③私のタクシーチケットで精算し、レシートは「ちちゃいカルロスゴーン」が請求している。それもOutlookを確認すると一緒に同じ先に訪問することになっている。
とまあ、こんな具合です。情けないですねぇ。詰めが甘いというか、浅はかというか・・・