オリジナル曲で「寸止海峡」というパロディ演歌を披露したことがあるのですが、自身でそれっぽい作詩をしてみて改めて、良質の演歌の歌詞って本当に凄いものがあるなと痛感してします。
亡き母が好きだった「中条きよし」の「うそ」の歌詞は山口洋子先生によるもので、「折れた煙草の吸殻で あなたのうそが分かるのよ 誰か好い人できたのね できたのね」から始まるお話です。
この情景は大人にならないと分かり得ないし、タバコを吸わないと理解できないかもしれませんね。
心が離れてしまったのか、以前と違うような少し粗雑な振る舞い、タバコの火を消す仕草にもそれが現れていて、あー、この人の心はもうここにはないと腑におちる女性。
または、女性に問い詰められて、タバコに火をつけて間を稼ごうとする男、或いはタバコに火をつけて一息吐いた後くらいのタイミングで女性に問われた男。
その男が「そんなんじゃねーよ!何言ってるんだよ!」と嘘をつくのですが、その場を凌ぎたい、逃げたい、上手く別れたいの気持ちがまだ然程燃えていない長いタバコを折るように乱暴に灰皿で押し消す・・・。
その仕草や気持ちが表れた吸殻を見て女は「あーやっぱり・・・」と確信してしまう。
これからの情景がたった十数語で凝縮できるんですね。
要すれば「嘘」は誤魔化しても仕草や行動に表れてしまうものということです。
さて、大好きな作家のひとり佐藤青南氏の「楯岡絵麻シリーズ」って本当に楽しい。
このシリーズは以前にも紹介した記憶があるのですが、習慣や仕草、行動パターンから相手の嘘を見破る行動心理学を駆使して被疑者を追い詰める美貌の刑事のシリーズものです。
どんな嘘も隠そうとすればするほどマイクロジェスチャーというちょっとした仕草に表れてしまうものなのだそうです。
さてさて、嘘といえば、子供すらつかない見え見えで卑怯なの嘘、逃れようもないほど稚拙な言い訳を繰り返していて、こんな分かりやすいダメダメな議員さんって笑っちゃいますね。