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黒羽織で卒業式へ

2009-03-07 | 子供のこと
子供の卒業式がありました。
人生のコマをひとつ進める大切な区切りです。
義務教育が終わるときは、私も母にしてもらったように黒い羽織で出席しようと決めていました。

私の子供時代は、入学式や卒業式では黒羽織で出席する母親がほとんどでした。
いつもと違って晴れやかな母親を見るのは子供心に嬉しいものでした。
母の装いは私のためにしてくれる喜びの表現なのでしょうね。
口では何も言いませんでしたが。

私も自分の子供に対してはあまり真面目な話などしませんが、大切に思っていることを何かの形で伝えるために、自分が誇らしく思えたことはしてあげるように努力しています。
着物には訪問着や付け下げなどのもっと華やかなものもありますが、黒い羽織の厳かな感じは卒業式に似合います。
着付けが少し下手なのですが、後は姿勢と気合でカバーします。

粛々と進んで行く式の間、前の席の母親がおしゃべりを続けています。
話好きはこんなところで発揮するものではありません。
お静かに願います、と声をかけると静かにしてくれました。
卒業生答辞では台上の生徒も周りの保護者ももらい泣きをしてしまいましたが、前の席の母親は居眠りを始めています。
自分の行動と周囲との関係を読み取れない人が子供を育てているという現実に考えされられます。
この人の子供も幸せな人生を歩んで行けるよう願ってしまいます。

式が終わり、学校の玄関前で子供と二人並んで写真を撮ってもらいました。
いつもは照れて一緒に写真など撮らせてくれない子供ですが、このときはまっすぐに背を伸ばして並んでくれました。
あなたもまた一歩進んだんだよ。
心の中にはたくさんの言葉があっても、いつものように普通に接することしか出来ませんでした。