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「日陰でよかった」 ポール・スミザー 

2009-10-15 | ガーデニング
いつもは園芸書はあまり見ないのですが、ちょっとしたきっかけで手に取ったこの本
自分が思っていることと同じことを本に書いてあると嬉しくなります。
草を取って、肥料をあげて、薬をかける。
それは少し違うんじゃないかとずっと思っていました。

自然の中を歩いていると、育てることが難しいとされる山野草がたくさん花を咲かせています。
野山の花は誰かが手入れをしているわけではありません。
薬をかけたり肥料をあげる事が大切なら、野山では育たないはずです。
でも自然の中では花壇の中よりも伸び伸びと育っています。

春から夏に茂らせた葉を秋に落として、その葉が微生物の栄養となって、やがて植物の栄養になっていく。
そしてまた枝を伸ばして葉を茂らせていく。
実を成らせて鳥を呼び、ねぐらを用意して身についた虫を食べてもらう。
糞からは栄養をもらい、次世代を作る種を運んでもらう。
虫には食事を与える代わりに受粉をしてもらう。

植物は自分のいる環境を自らが改変しながら生きています。
自然に近い環境を整えてあげれば植物が自分で好きなように成長していってくれます。
園芸の楽しみというのは、そんな植物の生命に触れる楽しみであり、肥料のあげ方や薬の使い方などの技術ではないのだと思います。

ポール・スミザーの園芸エッセイ