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地震の影響による休園で、予定されていた日から一週間ほど延びましたが、今日、下館幼稚園の99回目の卒園式を無事終えることができました。降り続いた雨は上がったものの、早朝から大きな余震が立て続けに発生し、卒園式ができるのだろうかと不安な気持ちにもなりましたが、式中地震が起こることもなく、卒園礼拝・卒園式を滞りなく終了しました。
27名のとり組さんたちは、たくさんのお家の方々に見守られ祝福されながら、元気に幼稚園を巣立って行きました。修了証書を受け取るために前にたち、真っ直ぐにこちらを見つめているそのまなざしを見ながら、入園から随分長い間お母さんが恋しくて泣いてばかりいたあの子が、こんなに大きく立派になったのかと、あらためて感慨深い思いになりました。
神さまへのお祈り、先生やお友だちとのかかわり、さまざまな体験を通して、みんなの心は大きく豊かに成長しました。そして、これからのたくさんの人々と出会い過ごすための準備の時を終えたことを証する、それが「修了証書」でもあるのだろうと思います。一人ひとりが神さまから愛されている、そのかけがえない人たちが共に生きること。下館幼稚園を卒園して行くみんなが、人々に平和をもたらす「平和の器」として生きて欲しいと願っています。
主よ、わたしをあなたの平和の器にして下さい。
憎しみのあるところに愛を 争いのあるところに許しを
分裂のあるところに一致を 疑いのあるところに信頼を
誤りのあるところに真理を 絶望のあるところに希望を
悲しみのあるところに喜びを
暗闇のあるところに光をもたらすようにさせて下さい。
聖なる主よ
慰められるよりも慰めることを
理解されるよりも理解することを
愛されるよりも愛することを求めさせて下さい。
聖フランシス「平和の祈り」より
お母さま方が企画してくださった謝恩会も手作りのとてもあたたかな雰囲気に満ちた会でした。地震による急な変更も多々あり、大変なご苦労があったことでしょう。皆さまの子どもたちへの思いと、私どもへのさまざまなご配慮に感謝の気持ちで一杯です。卒園式の謝辞で、「本当に下館幼稚園に子どもを入園させてよかった」という言葉をお贈りいただきましたが、私たちもまた、こんな素敵な保護者の皆さまのやさしさにつつまれて子どもたちとのかかわりの日々を過ごさせていただけたことに、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
現実ではないような、恐ろしい夢の中のような、不思議な感覚の中で過ごした、長いようで短い2週間でした。
あの瞬間、多くの人が自分のいる場所が一番ひどい被害を受けたのだと思いました。
速報で何となく全体を把握した後も、倒れた家具や割れたお皿やガラスで出来た瓦礫の山を何とか元通りにしようと必死で動き回りました。
でも、本当の被災地の方達の苦しみはその晩やその後の数日で元通りになるようなものではありませんでした。
うちの近所の教会の牧師先生が石巻に救援に行かれたのは13日でした。
離れた土地から見ると、現地から毎日発信される情報は全てがすさまじく、信じがたく、でもそれが現実なのだと思うと、底無しの無力感を感じました。居たたまれない気持ちに駆られて「何とかしたい、何ができるのか」と日々考えながら、(ガソリンが手に入らないので自転車で)カセットボンベや靴下や歯ブラシを集めて回りましたが、集めても集めても被災地の方達に行き渡るには程遠く、歯がゆい思いでいっぱいでした。銀行のシステムがパンクするほどの義援金が集まったことは本当にありがたい事だと思います。どうかその気持ちが被災地の方達の「苦しい今」と「生きていくための今後」に無駄なく上手に使われますように。
聖フランシスの「平和の祈り」をいつも心の中に留めておけたらと思います。
「望みなきところには希望を
暗きには光をもたらすものとしてください」
テレビ番組はどんどん通常番組に戻っていきます。
もちろん大切な事だと思います。
けれど、被災地では未だ全てのライフラインが戻っていない地区が数多くあること、家族を亡くしたり行方を探しておられる方達にとってはこの先に、平安な生活があるとは信じられないだろうと言うことを常に忘れず、いつも覚えてお祈りしたいと思います。