先日TVで、1999年公開の大島渚監督で、ビートたけし/松田龍平などが出演している映画「御法度」を久しぶりに見ました。
新撰組を舞台にした“男色”(この言葉は今でも使っても良い言葉なのか、それともゲイとかに変えた方が良いのかは判りませんが、少なくとも私としてはこの存在を否定する気持はないので使わせていただきます)をテーマにした面白い映画ですが、今日の話題はこの内容の是非ではなく、この題名である「御法度」という言葉が他の人に説明できるほど、はっきりに判っていなかったことです。
<コトバンク>では、“「法度」を敬っていう語。また、一般に禁じられていること”とありますが、問題はこの「法度」という言葉の意味です。
<デジタル大辞泉>で、やっと判りました。「法度」とは
1 禁じられていること。してはならない事柄。
2 おきて。法。特に、中世・近世における法令。江戸幕府が制定した武家諸法度・禁中並公家諸法度など
とあり、やっとすっきりしました。
新撰組には、「局中法度」というものがあり、
一、士道ニ背キ間敷事
一、局ヲ脱スルヲ不許
一、勝手ニ金策致不可
一、勝手ニ訴訟取扱不可
一、私ノ闘争ヲ不許
となっており、これに背いたものは切腹という掟があったようです。
局中法度は新選組の鉄の掟/死の掟なんて言われますが、これは新撰組という組織が持っているイメージに基づくものが多く、当時は藩においても武士道に背くような行いは当然に禁止事項で、脱藩や金策や訴訟も禁止されていて、多くの場合はこれに反すると切腹ということになっていたようで、この法度が特別に厳しいものとは言えないでしょう。
また、この中には、「男色」に類する事ははっきりと書かれていませんし、武士社会では「男色」は極めて多かったとも言われています。
この映画でも、いわゆる「男色」そのものが御法度ではなく、“(その影響で人間関係がややこしくなり)新選組の統制を乱すもの”として粛清されるまでを描いています。(まさ)