少し季節感がずれた話題になりますが、「かかし」です。
「かかし」とは、現在では、秋の稲田などに稲穂を食べにくる雀などの害鳥を追払うために立てかける藁人形などのことを言い、各地でカカシ・コンテストのようなものも開催され、一種の農村のイベントのような感じでおられる方も多いかと思います。
しかし、人類は農作物を作り始めたころから、収穫の時期にやってきて稔った作物を食い荒す鳥獣には手を焼いてきたようで、カカシの歴史は古いです。
<ステラnet>に拠ると、その昔、人々はしめ縄を張ったり、引板(鳴子)を仕掛けて音を出したりして、田んぼを荒らす鳥獣たちを追っ払っていました。
しかし、それに対して鳥獣が慣れてくるので、それだけでは不十分ということで、人の髪の毛とイノシシの毛などを燃やして、そこから出るクサ〜イニオイを鳥獣除けに使うようになり、このようにクサ~イニオイによって、悪いものを寄せつけないようにするもののことを「かがし」と呼ぶようになります(同様に、ニオイで鬼を遠ざけようとした魔よけも「やいかがし」 と呼ばれていました)。
室町時代になると、動物を威嚇するような矢を持ったかかしが流行し始め、着古した洋服を着せるという、現在のスタイルに変化したのは、明治・大正時代あたりだそうです。
誰もが不思議に思うのは、その「カガシ」或いは「カカシ」が「案山子」という漢字になったのかということだと思います。
この点に関しては、<ゴット先生の京都古代文字案内>が一番判りやすかったので紹介します。
中国の禅僧が用いた言葉で、「案山子」の「案山」とは、「山の中にある低い土地」のことを指す言葉だそうです。「案山」の「案」はもともと「足のある机」を表す字で、上側が平らなものです。ですから、「山の中の低く平らな土地」は、人が耕作する「田畑」を表しました。その「田畑にある子(小さい人形)」から「かかし」に「案山子」の字が当てられたということです。
何気なく「カカシ」と呼んでいる案山子ですが、長い歴史があるのですね…。
この「案山子」を調べている時に、驚いた時に発する言葉(感動詞)「ああ(烏呼・嗚呼)」は、「もともとは鳥獣を追い払う時に発する大きな声を意味する言葉だった」という記述を見て随分と昔のことをが、蘇ってきました。
もう60年以上も前の話になりますが、私がまだ社会人になったばかりの頃、毎晩のように仕事が終われば先輩たちと麻雀屋に直行していましたが、よく行っていた麻雀屋のオヤジが台湾出身者で(今から思えば中国から台湾に逃れた人かも知れず、大の中国嫌いの人でした)、当時成長著しい中国を茶化すような発言が多かったのですが、その中で下記のような発言もありました。
「中国でコメの生産量が増えているらしいが、その理由を知ってるか? 稲の収穫期になり雀が畑に来ると、農民が畑に並び大声を出してスズメを一斉に追い払うんや。 スズメが逃げて他の場所に行くと、そこにも農民が待ち構えていて大声で威嚇する・・・ 中国は人口が多いから、これを繰り返されるとスズメは休むことが出来ずに、終いには疲れてしまって飛べなくなり、掴まって焼き鳥にされるんや!! おコメも食われずに済むし、金も掛けずに焼き鳥も食べられるし、中国の農家にとっては万々歳やで…」
まさかとは思いつつも、拙い日本語ながら何か説得力のあるオヤジの与太話しを半信半疑で聞いていました。(まさ)
<今日の夕食>
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湯豆腐/酢豚/ポテトサラダ
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酢豚 野菜たっぷりです
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ポテトサラダ 購入品です
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