老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

言葉の語源など その(141)  ~豆腐~

2025年01月12日 19時23分46秒 | 面白い言葉や語源など
 このブログで何度も紹介しているように、私の大好物は豆腐で、暑い時期は冷奴、寒い時は湯豆腐でと(偶には鍋物や麻婆豆腐に替わることはあっても)毎日食卓には豆腐がある状態で、ご飯類を余り食べない私には言わば主食と言っても良いでしょう。

  こんな私ですが、以前から気になっていたのが「豆腐」という漢字です。
・豆腐の製造過程では「腐」は関係ないし、は豆が腐ったのなら「なっとう」だし?
・中国には行ったことがないので中国の豆腐は食べたことがないが、中国料理屋で食べる麻婆豆腐や豆腐を使った料理の豆腐も、日本の豆腐と変わらないし?
 ・台湾に行った時に食べた豆腐が異常に臭かったが、元々豆腐というのはあんな味だったのか?
と悩んだこともありましたが、毎日美味しく食べているものに悩んでも仕方ないということで、余り深く考えることはありませんでした。

 先日、麻婆豆腐のことを書き込んだ時に、改めて気になったので少し調べてみました。
私の主食に関する事だけに、少し長くなりますが、お付き合いください。

  まず、<日本豆腐協会>に拠れば、「豆腐」の「腐」という字に関して、
・豆腐と納豆が中国から伝わったときに、名前が入れ替わったのだという説があります。
なるほど、大豆を「腐らせる」のは納豆のほうですし、豆腐は大豆の豆乳を四角い型に「納め」て固めます
・もともと中国では大豆を腐らせて豆腐を作っていたのだという説もあります。

 残念ながら、どちらの説も間違いで、前者でいえば豆腐は中国でも「豆腐」ですし、後者は豆腐を発酵させて作る二次加工品を豆腐のルーツと勘違いしたものです。

「腐」の字の冠である「府」には「くら」という意味もあり、もともとは「庫」という字を冠にしていました。「腐」は捕った獣の肉を庫に入れて保存しておく状態を表わした字で、初めは死後硬直で固くなっている肉が、食べられるくらいに柔らかくなってくることから、のちに肉に限らず、ぶよぶよと柔らかいものを広く指すようになりました。つまり、「豆腐」とは「柔らかい豆」という意味だというのが真相だそうです。


 また、<クックビズ総研>に拠れば、中国語では「腐」が「液状のものが寄り集まって固形状になった、柔らかいもの」という意味で使われていることから、「豆腐」という名前が付けられました。

・中国生まれの「豆腐」が日本にやって来たのは奈良時代とされています。
記録として初めて登場したのは1183年。奈良にある春日大社の神主の日記に、お供物として「唐符」が書かれていました。
その後、まずは寺院の僧侶の間で精進料理の普及とともに広まり、次第に貴族・武家社会へと伝わり、室町時代には全国的に広まっていきます

・「豆腐」が一般庶民の食卓に登場し始めたのは江戸時代で、1782年に『豆腐百珍』という豆腐専門のレシピ本が刊行されて人気に火がついたという記述があります。

 更に、<WIKIPEDIA>に拠ると、
・「豆腐」は東アジアと東南アジアの広範な地域で古くから食されている大豆加工食品であり、とりわけ中国本土(奥地を含む)、日本、朝鮮半島、台湾、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマー、マレーシア、インドネシアなどでは日常的に食されている

・日本では、食品に対して「腐」という字を用いるのを嫌ってのことと考えられるが、「豆富」「豆冨」としている業者があるが、これは中国でも同様で、「腐」を避け、菽乳、方壁、小宰羊(宰羊:羊の肉)等の異名があったと前述の『豆腐百珍』巻末に書かれている。

・「腐」の意味は、中国古代医学書『難経』にある腐熟の「腐」であるとする説があり、中国で腐熟とは胃での初期消化のことで、白くどろどろした状態ともある。 このことから、豆腐の「腐」は消化の悪い大豆を腐熟したものであるという説がある。

・納豆が日本独自の言葉であるのに対し、豆腐は中国から伝来した食品であり中国でも豆腐と呼ばれており、取り違えられることはあり得ない。
とありました。


 尚、私が台湾で食べたことがある臭い豆腐というのは「臭豆腐」という、名前らしく<デリッシュ・キッチン>に拠れば、

「臭豆腐」とは、通常の豆腐から作られた発酵臭の強い二次加工食品やその料理のこと。
その名前は強烈な腐敗臭から付けられましたが、臭豆腐は中国南部が発祥の地とされる発酵豆腐料理で、台湾に渡ってからさらに発展を遂げ、現在は台湾を代表するグルメとなっています。

ということで、何となくすっきりしましたので、明日からの豆腐はより美味しくなるでしょう!!(まさ)



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