(今朝は、今季初めて我が家のガラス戸の一部が結露していて、朝一番の仕事がワイパーを用いての水滴取りとなりました。やはり2月の寒さは厳しいようです。)
「羅生門」(らしょうもん)と言えば、芥川龍之介の小説(1915年発表)、並びに1950年製作の黒澤明監督の映画が思い浮かびます。
特に映画「羅生門」は、芥川龍之介の短編小説『藪の中』を原作とし、タイトルや設定などは同じく芥川の短編小説『羅生門』が元になっていて、三船敏郎、京マチ子、森雅之などが出演し、第12回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞、第24回アカデミー賞で名誉賞(現在の国際長編映画賞)を受賞して、日本映画を有名にした作品です。
所で、「羅生門」は実在したものではなく、実在していたのは「羅城門」というらしいのです。
「羅城門」(らじょうもん、らせいもん)とは、本来は城壁である「羅城」(らじょう)に開かれた門(京城門)の意味ですが、一般的には平城京・平安京の京域南端中央に正門であり、朱雀大路の南端に位置し、北端の朱雀門と相対として設けられた門を指すようです。
平安京では、現在の京都市南区唐橋羅城門町(京都駅南側にある有名な東寺の少し西側です)近くに存在していたようですが、弘仁7年(816年)に大風で倒壊し、その後に再建された門も天元3年(980年)の暴風雨で倒壊したといわれ、以後は再建計画が上がるも実際に再建されることはなかったようです。
「羅城門」の元々の読みは、呉音で「らじょうもん」、漢音で「らせいもん」であったとされ、中世頃からは「らしょう」の読みが一般化したものとされ、当て字で「羅生門」とも表記されるようになったとのことで、「羅城門」も「羅生門」も実質的な違いはない様です。
従って、芥川龍之介が「今昔物語集」の羅城門に関するものを基にして書いた小説の題が「羅城門」ではなく「羅生門」になったのは、特別な意図があったのではなく、単に中世以降は「羅生門」という用字が一般的であったので、これを用いた問ということのようです。(まさ)
※ この「身近な言葉の語源」については、「語源を楽しむ」(ベスト新書増井金典著)や「語源由来辞典」「WIKIPEDIA」などを参考にさせていただいています。