gatagata道を行く

おばさんのよもやまばなし 食べる・歩く・俳句 by sino

お年寄りと文化

2013-04-17 11:23:13 | Trip&Bike
小笠原ではお年寄りと接することがほとんどなかった
お年寄りを見かけなかったのだ

お年寄りと話さないので、島の言葉に出会うこともなかった
誰もが標準語

アクティビティのガイドやインストラクターも、20年以上のベテランとはいえ
成人するころ島にやってきた内地の出身者

島には病院が無いんです
診療所はあるんですけど、産婦人科の医師とかいないんで
今はお産は内地に行かなきゃならないんです
島には妊娠38週目までしかいられない
内地の病院、自分で探せなければ、島の人は広尾病院へ行くことになっています

手術、輸血を伴うかもしれないコトは島ではできません
だから島で人生を閉じるためには、ずっと健康でいなければならないんで
多くのひとはある程度の年齢になると島を離れる・・
代々小笠原に住んでいる家系って実は多くはないのだ

同じ離島でも沖縄の島々とはかなり事情が異なるようで
お年寄りがいないと、地域の文化が継承されにくいし、言葉が繋がって行かない
よく言えばスマートなんだけど、なんがかヘン
公共事業の従事者も役所の人もビジネスマンも、何年かは住むけど、いつかは島を離れる

物価も高いし住宅事情もよくはなく、例えば働かず年金で暮らすというなら
都営住宅にも入りにくと思う
家を建てたらどうか、って建築資材の運搬に経費が掛かりすぎて
建築費が内地の3倍だと聞く
病気になったら出なければならない島に、そこまで費用をかけて家を建てることもないだろう

老後はこんなところで暮らしたいわね、と思っても
小笠原には小笠原の事情があるようだ

鯨の解体工場の跡地

コメント (6)
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