素振りブログ。

一般でスピーチできる話の素振りのはずなのに、無理な話がほとんどのブログ。

ホラーが全ての元凶ではありません。

2014年11月08日 11時16分08秒 | 日記
今週の炎の刻印ですが。

人間の闇を描くシーン、上手く舞台の中世ヨーロッパに合わせてきてて、好印象ですね。

今よりずっと迷信深くて、かつ閉鎖された小さいコミュニティ内だからこそ成立する滅茶苦茶なルール。
情報化社会で、法化の進んでいる現代舞台ではなかなかこういうのは出来んですよね。
(まぁ、都市伝説レベルでは『日本の奥地に好き勝手に女性をレイプできる強姦村が存在する』とか『死者が出ると、村人総出でその死んだ村人を料理して食べてしまう人食い村が存在する』とか、今でもありますけどね)

あの村の連中、日々の面白くない出来事の責任を、立場の弱い人間のせいにして抹殺することで、解決したつもりになってたんでしょうね。
まさに生贄で、儀式。

人間の弱さと言うか、邪悪さですよなぁ。
不都合に真っ向から挑む知恵も勇気も無いから、不都合から目を背けて、真っ向から取り組まず、立場の弱い人間を生贄に捧げる事で自分を安心させる。
不都合の種を摘んだからこれでもう大丈夫だ。これからはきっと不都合は起きないだろう。

何の解決にもならない、現実逃避ですよねぇ。

とりあえず不都合は全て魔女のせいにして、殺しておけば万事OK!
クソすぎますなぁw

この魔女狩りという行為の醜悪さについて、大昔の漫画「アウターゾーン」でも取り上げられてました。
あれはなかなか痛快でしたよ。

この作品、基本的に1話完結の単発のお話で構成されてるんですけど。

問題の話、魔女狩りをやり続けていた中世の人間が、死後、自分の死に気づかず、そのまま悪霊になって通りがかる旅人を自らの結界ともいえる幻の村に引き込んで。
色々難癖をつけて旅人を魔女にして魔女裁判を続けていた、というもので。(タイトルは確か『魔女狩りの村』)

そこに乗り込んだミザリーがそれをぶっ壊すんですわ。
やり方が良くてね。
わざと捕まって異端審問官に魔女裁判にかけられて

「魔女ならば体のどこかに悪魔と契約した印があるはずだ!」→「躊躇い無く全裸を晒して、体に傷ひとつ黒子ひとつ無いことをみせつける」

「魔女ならば針で刺しても血が出ない場所がある!(刺そうとすると針が引っ込むギミックのある金属針を持ち出して)」→「ギミックが作動したはずなのに、何故かミザリー大出血」

「魔女ならば水に沈まない。川に沈めようとしても沈まないから溺死しない!」→「鎖で縛られて川に突き落とされ、1時間近く沈むも、引き上げられてその後平然と生きてる」

で、異端審問官、明らかに異常だけど魔女の条件満たさないから「この女は、無罪だ」と震え声で言うんですわ。
だがそこでミザリーが「自分は魔女」と認める。

「馬鹿な……だとしたら、今まで私たちが処刑してきた魔女たちは一体……!?」

本当はその答えに気づいているくせに。
自分たちのアイデンティティーが崩壊するから。

ミザリー「無実の人間だったのよ」

だがそれを容赦なく言い放って。
アイデンティティーが崩壊し、一気に地獄へ堕ちてしまう悪霊たち。
あの話は良かったですわ。

自分は魔女を大量に退治してきた正義集団と思っていたけど、実はただの大量殺人者の悪鬼集団でした。
それを認めさせられて、地獄に直行。
ざまぁ。

あの頃のジャンプ、読み応えある漫画がいっぱい載ってたよねぇ。
(懐古厨)

アウターゾーンはその他にも、色々と社会派な話がある作品なんで。
(漫画の規制問題など、現在を予見したのではないのかと思えるような作品もアリ)
知らないヒトにはオススメしておきます。
個人的には、真面目に生きてる人間こそが素晴らしいんだ、ということを、善悪の価値観が逆転する話で訴える回が好きでしたね。
不良ばかりもてはやされるから、真面目に優等生してるなんてバカなんじゃないの?と。
真面目な学生が自分の生き方に疑問を持ち。
ミザリーの力で、現実の優等生が不良扱いで、不良が優等生扱いされる世界に飛ばされて。
そこでは勉強は不良がするもので、優等生はタバコ吸ったり窓ガラス割ったりしてる。
で、いっぱしの不良として恐れられるんですけど。
ちっとも嬉しくない。元の世界に居たときはもてはやされてるように見えたけど、基本的に見下されるし。
不良がかっこよくて好きだ、なんて言って近づいてくるような女、底の浅いつまらない女に見える。
で、「結局、真面目に生きてる方が素晴らしいんじゃないか」と気づいて、元の世界に戻してもらう。
そんなお話。


……だいぶ話がそれましたけど(ほんとにそうだよ)
今週のGARO(炎の刻印)

そんな村人の醜悪な集団ヒステリーみたいな行動に付き合わされて、一緒に儀式に参加して。
罪の重さに耐えられなくなり、外部に村の罪を告白しに行こうとしたらその前に捕まって。
村人の手で処刑された、物語のキーになる少年の父親。

処刑シーン酷かったですね。
鈍器で滅多打ちにして、殴り殺すことによる処刑。

で、少年は父親が処刑されるところを目の前で見てて、ホラーの力を借りて憎い村人たちに復讐をすることを誓っていて。
それを聞いたレオンが「それは、だめだ」と言う。

無印でも鋼牙が、父親をホラーに喰い殺された少年に「強く生きろ」って言ってましたけどさ。
構図がだいぶ似てますね。

どちらも、少年の痛みを理解出来てるってところで。

鋼牙は、暗黒騎士キバに父親の大河を殺されてますし。
レオンは、何にも理解していない愚かな大衆のせいで、母を火刑にかけられて失っている。

痛みが分かるからこそ、言葉に重みがありますやね。
ただの綺麗ごとでは無いんですよな。

守りし者として、ホラーを討つんですけど。
その後少年に小さな拳で背中を殴られるシーンがね。

良かった。
痛みは分かるし、その呪いも理解できるけど。
それを見過ごすわけにはいかない。何故なら、ホラーを討つのが自分の使命なのだから。

で、ホラーを討って村を立ち去るとき。
今まで儀式の中心人物だった村長が、今度は自分が生贄に選ばれている。
学ばない。成長しない。愚かな人間たち。
多分最後の1人になるまで、生贄の罪人を処刑し続けるんでしょうね。

いいラストでしたよ。