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KID、期待しています(産経の新聞小説)

2018年05月08日 18時32分53秒 | 日記
産経の新聞小説の新シリーズが今日からはじまりましたわ。

KIDっていうタイトルの小説で、監視社会の怖さがネタらしいんですが。
それだけで終わらないで欲しいなぁ。

自分的にかなりハマったのが、確か6年前に連載してた「アキとカズ」なんですが。

これは終戦直後の激動の時代に、時代の流れに翻弄される双子の姉妹の人生を描いた小説だったんですけど。
ロシア人に売春婦として売られそうになったり。ロシア人に子供を奪い取られたり。
密航して来た朝鮮人と付き合ったばかりに、北朝鮮に渡るハメになったり。

色々あったんですが、それだけで終わらなかったんですよな。
様々な理不尽が主人公たちを襲うんですが、根底にあるのが

「戦わないで逃げるだけの奴に幸せなんかやってくるかよ」

ってことで。
これが面白かったんですよね。
ついでに言うと「弱いことは罪である」ってメッセージすら感じましたわ。

樺太で育った主人公の一人、双子の姉・昭子はどんな理不尽にも負けず、食らいついて立ち上がって行くんですが。
もう一人の主人公、東京で育った双子の妹の和子の方は泣くだけで「誰か助けて」と悲鳴を上げるだけ。
理不尽と戦おうとしない。

そのせいで、彼女を助けようとした様々な人(含む姉の昭子)を次々と破滅させていってしまう。

言っちゃなんだけど、スッゲー腹立ちましたね。和子に。
お前は自分を哀れむだけで、何もしようとしないのな。他人が必死で稼いだ金を預かって、それをむざむざと奪われても、自分の身代わりに誰か殺されても、お前はただ泣くだけ。
略奪者から指の一本でも食いちぎってやろうと挑むとか、何か抵抗をしようとしないのか?
アンタみたいなのを疫病神って言うんだよ。

時代背景を描くのも大事なんだけど、一貫したメッセージみたいなの。
これが感じられる作品だといいですね。

……アキとカズ以降、しばらくそういう作品が載らなかったからなぁ。
期待してます。