夏になると必ずと言って良いほど出てくる「又聞き思い込み情報」
最初に一言。吉田拓郎の「夏休み」は原爆や反戦をテーマにした曲ではありません、まったくの無関係です。
吉田拓郎がデビュー前後に札幌のHBCラジオ公開録音にゲスト出演したとき中学生の私は物珍しさで友人とスタジオに行った。
ちょうどビートルズのレディマドンナが上位ノミネートされていた1968年のころだった。
当時、札幌にひっさげてきた歌は「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」という曲名で紹介されていて、
1970年にいわば海賊版で発売されたものが、後にイメージの詩として再録音されたと記憶している。
中学生の田舎の小僧が初めてフォークソングを聞き、よくわからないがショックをうけた鮮烈な記憶のまま、今に至っている。
それからは和製フォーク・ロックにはまり(聞くほうだけだが)拓郎・陽水・浜省・千春・泉谷・岡林等々を
さんざん聞いて、気が付いたら50数年すぎていた。
内地に就職してからは札幌とは違い、コンサートに行く機会がぐっと増え、結婚してからはカミさんと出かける楽しみも増えた。
実際のところ、歌手の楽曲も楽しいけれど、曲間のトークも面白かった。
中でも、コンサートのときに吉田拓郎が言っていた「曲の生い立ち一人歩き」
これにはリスナー個人の思い込みの強さを知らされた。
それは1971年にリリースされた「夏休み」
広島原爆の反戦歌との触れ込みが一人歩きしている事をステージ上で苦笑いしながら拓郎はこう話した。
「この曲の“先生”のモデルは自分が通っていた鹿児島市内の小学校の先生のことで、広島とは何の関係もない
まして広島原爆のことなどかけらもない」と公言している。
それにこの一言を会場のオーディエンスに問いかけていたこともあった。「長崎原爆のことは?」と。
オールナイトニッポンの中でも「自分が体験していないことを歌にすることはない」とキッパリ否定している。
拓郎自身、公にコメントを出さないのは「一言いえば原爆や、最近の福島原発事故などに利用される」ことを嫌っているのかと思う。
陽水の「最後のニュース」浜田省吾の「僕と彼女と週末に」などもメッセージ色の強い楽曲だと思う。
特に浜田省吾は吉田拓郎のバックバンドを務めたり吉田拓郎の50歳を祝って拓郎のデビュー曲「イメージの詩」をカバー。
(拓郎自身もコーラスとアコースティック・ギターで参加している)
今年も吉田拓郎コンサート10月2本、浜田省吾12月さいたまアリーナ行きます。
じじぃにはジジィの音楽が最高ですね。