スミダマンのほのぼの奮戦記

~グルメ・旅・仕事・自然・地域~あらゆる出来事をフラッシュバック。

祇園甲部歌舞練場と弥栄会館難工事

2022-07-22 06:22:52 | お仕事

2020年3月26日(日)NHK・BSプレミアムで放映された

「解体キングダム・京都祇園シンボルを解体せよ」の現場を早朝散歩で見てきた。

現場は大きく2工区あり、こちらは大成建設設計施工による

「祇園甲部歌舞練場 耐震改修工事」の仮囲い。

発注者は学校法人八坂女紅場学園で受注者は大成建設(株)関西支店だ。

工期は令和2年1月27日から令和4年11月30日まで。

大正2年に新築した祇園甲部歌舞練場もできて約110年の歳月が過ぎ、

老朽化が進みTV放送によると毎年春行われていた「都おどり」の会場は木造大空間劇場のため、

柱、梁を鉄骨プレートで補強する耐震工事が必要となったようだ。

現場の入口の道路沿いに「祇園甲部歌舞練場耐震改修に向けて」

「歌舞練場工事概要」「歌舞練場改修後の様子」

「歌舞練場工事の様子」などの資料が写真、図面付きで掲示されていた。

それによると耐震改修とともに異なる機構更新と拡張を目的とした

新ホールや新稽古場が入る新館の増築工事も実施するとのこと。

この工事は大規模木造である国の登録有形文化財に対して

鉄骨で耐震補強を行いながら大きく増築を行うという全国でもあまりないプロジェクトで

今からその完成が楽しみである。

片やこちらは大林組が設計施工で取り組んでいる(仮)弥栄会館計画。

発注者は解体工事の方が学校法人八坂女紅場学園

そしてもう1つは新しく京都に進出するホテル、なんと(株)帝国ホテルだ。

この弥栄会館は昭和11年完成のモダン建築で築85年のやはり登録有形文化財となっている。

この建物を残しながら解体するという難工事。

現場所長は現場40年という大ベテランだが、胸は躍るが足はすくむという。

今までの担当した案件の中では一番難しい工事だとTVの中で言っていた。

なぜ帝国ホテルはコストは2倍、工期は3倍もかかるこの方法を選んだかというと

2007年京都市は高さ12mまでしか建てられないという厳しい京都景観条例を施行した。

そのため現在の会館の南、西、両壁を残すことによって

客室60室のホテル計画が可能になり、

注目の帝国ホテルが京都に26年春オープンする予定となった。

こちらも現場入口の道路沿いに掲示されている「弥栄会館工事概要」の説明と写真集。

TV「解体キングダム」はTOKIOのリーダー城島茂とHey!Say!JUMPの伊野尾慧がMCになって

現場取材したドキュメンタリーだが、これを見ても職人の高度な技、

経験が左右する難工事だということがよくわかる。

この難産の帝国ホテルにはオープンしたら是非一度行ってみたいものだと思った。

こちらは前述の祇園弥栄会館とは若干離れているがほぼ同時に進行している

(仮)元新道小学校跡地活用計画。

事業主体はNTT都市開発(株)でこちらはもう1つの花街宮川町の歌舞練場と92室のホテル、

地域交流施設、消防施設の複合施設計画のようだ。

完成予定は2025年を目指しているとの事。

1200年の都・京都には大規模な開発ができる用地はあまりなく、

生徒数が減った学校の統廃合・跡地利用計画が街づくりに

重要なテーマになっているように感じる。