記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

ウォーリー・フィスター監督「トランセンデンス」

2016-03-27 22:13:39 | タ行
HAL編の方が何倍も面白い(あくまで個人の感想です)

ウォーリー・フィスター監督「トランセンデンス」

洋画の知識が浅い私が、この映画を見てまず思い出したのが「魔人探偵脳噛ネウロ」のHAL編でした。
で、やっぱりHAL編の方が(ry

何が…って、中途半端なんだよな……。
ジョニデ扮する主人公ウィルが、咎落ちしたと見せかけて実は愛に忠実でした!ってわかるか!
「AIに感情はない!」って登場人物に言わせておいてすべては愛が解決する…!って都合よすぎないか?と思う。

途中まではわくわくするんだよね。ラボの様子なんか特にさ。「ジュラシック・パーク」のラボとかも面白いもんねー。
でも、ウィルさん…目的と手段と展開が一致しないんだよ……。

「エヴリンの夢」って言って環境浄化したいんなら、まずあの荒地を緑化しろよ、と思わなくもない。
夢叶えるよー!→ナノマシンで環境浄化できるよー!!→あ、でも夢を完璧に叶えるためには人類邪魔!くらいのノリで悪に染まってほしかったよね。
「エヴリン渡さなきゃ遠隔操作して核落とすよ!」くらいの暴走とかね。
そういうのがほしいのに結局はすべて愛のなせる業ってオチかよ、と思うとどうもね。消化不良起こす。というか起こした。
攻殻とかサイバーSFが好きな人がそういうのを期待して観ると泣きを見ると思う。ジョニデ好きはまぁまぁ楽しめる。

蛇足
真面目なジョニデ久しぶりに観た気がする。

ミカエル・ハフストローム監督「大脱出」

2015-11-23 22:54:44 | タ行
とりあえずカッコ渋いシュワちゃんを愛でる映画。

ミカエル・ハフストローム監督「大脱出」

シュワちゃんとスタローンが大活躍して脱出をたくらむ映画。いや成功するんだけど。
オチもだいぶ早い段階で推測はできるんだけど。

お髭姿のシュワちゃんが素敵。シュワちゃんは年取ってもシュワちゃん。スタローンは作品を見たことがあるようなないような感じだからアレなんだけれども。

スタローン様作中で2回脱出します。前菜と本命。前菜の脱出の方が見てて面白かった。なんというか、こう、本当に頭を使って脱出してるって感じ。それに比べると本命は力技。アクション映画なんだからそれが正当な見せ方なんだろうけどね。

シュワちゃんスタローンよりも、あの刑務所の中で協力してくれたあの兄ちゃんが良い味出してる。それこそよくいる「最初はツンツン(物理)してるけどそのうち協力的になってくれる」的な。そして死亡フラグ。二挺拳銃で戦ってたりしてるよ。かっこいいよ兄ちゃん。

アクション映画も嫌いではないから見てて面白かった。今度はエクスペンタブルズ見よう。

蛇足
見終わったあと「スケバン刑事」を読みたくなった。梁山泊編。



ミカエル・サロモン監督「タイムリミット」

2015-04-05 08:17:26 | タ行
たぶんタイムリミット4時間は超えてる。


ミカエル・サロモン監督「タイムリミット」
レストランでデートしてただけの男がマフィアの金の横領犯と間違われて業務用の冷凍庫の中に監禁されて…という昨日に引き続き脱出ゲームのような映画。
そしたらこの男、整備工だって言ってるんだけど、ただの整備工じゃなかった。
確かに途中から身のこなしが整備工じゃなかった。どこぞの赤い配管工も配管工っぽくないこといっぱいやってるね。
そう言えば昔読んだ「パイナップルアーミー」の中に、周りにあるものを暗殺の道具にしてしまう殺し屋の話やってたし、某殺人メイドもハンガー使って殺しやってたりしたね。
いや別に話の本筋とは全く関係ないですよ(棒)


冷凍庫に閉じ込められたまま3人のマフィア(ボスの息子の女、インテリスーツ、筋肉ダルマ)に「早よ金出せや( ゜Д゜)オラ!」って脅されるんだけど、金のありか知ってるわけないから黙秘するじゃん?だから冷凍庫の中に閉じ込められたままじゃん?
でもそのままじゃ死んじゃうじゃん?(4時間が限度、って話になってる)だから壊したりなんだりかんだりして脱出を試みるんだけど、ってところは面白い。

途中から話が超飛んだ。実は男の正体は…って感じで。
いやそれなりに理由は説明できる飛び方ではあるし、そこまでそれまでの流れにも矛盾は感じなかったんだけど、でも結構いきなりすぎて視聴者置いてけぼりになっちゃいますよ。
それがもうちょっと丁寧だったらよかったのに…ねぇ。普通の整備工によるマフィア全滅皆殺しエンドの方が展開的には面白かったかもしれんて。
あとそんな方法で暖取れるのであれば最初からそうしろよ。


蛇足
ヒロイン(っても女性は1人しか出てこない)が超美人。

ダニー・ボイル監督「トランス」

2015-03-29 14:17:20 | タ行
女って怖い…(アレ前にもこんなことを呟いた気が…)


ダニー・ボイル監督「トランス」
前回見た映画で不完全燃焼を起こしていたこともあり、非常に面白く観させていただきましたですよ。
主人公サイモンはギャンブル依存症で多額の借金返しきれねぇ!

→フランク一味と手を組んで絵画を盗み出し一攫千金やったね!
 →…のはずが、絵はなくなるわ絵を隠したサイモンは記憶をなくすわ(主にフランクのせい)
  →記憶を取り戻すために催眠療法士エリザベスのもとに…

以上、3行でプロローグ紹介。

結果的にサイモンは死ぬし、フランクは絵を手に入れられなかったし、絵を手に入れつつ邪魔だったサイモンを消すことができたエリザベスの一人勝ちってところか。
女って怖ーい!

最後のシーンで、フランクのところにタブレット(映像入り)を送ってきて、「この絵素敵でしょ?この絵を見てもサイモンのこと思い出さないの。思い出すのはあなただけ。居場所は教えられないけどできたら探してほしいわ」ってしたたかにもほどがあるだろう常識的に考えて。
コナンで蘭ちゃんが殺人事件のあと、死体を発見したことでショックを受けるどころか「今日の夕飯作れなくなっちゃう」と食事の心配をするようになったって話を読んだけど、同レベルで強かってか慣れすぎっていうか…。この絵のために元彼含め何人も(しかも無関係な人も)死んでるし、この絵は腐乱死体が抱いてたんだぜ!自分だったら速攻換金するかなんかして手放したいわ。なんか呪われてそう。呪いのダイヤ的な感じで。


前回の映画はひたすら真っ暗というか、視覚効果が闇しかなかったんだけども、今度の映画は窓やらガラスやら鏡やら…。何がどうって説明できるわけじゃないけど、それが見ていて面白かった。
だんだんと、今目の前で展開されているのが「サイモンの精神世界」なのか「現実世界」なのか分からなくなる。それが徐々に交差して浸食しあってサイモン発狂、的な。
確かに、鏡に反射したような世界だったり、ガラス越しの不鮮明な世界に見えるのかもしれんなぁ、なんて。
いやそれにしてもギャンブルに暴力にストーカーって男のクズだな!
あと、音楽がかっこいい。この映画の音楽は文句なしにかっこいい。確かにスタイリッシュな映画という言葉がぴったりですな。

エリザベス役のロザリオ・ドーソンのヌードがマジで綺麗。ほぼってか全裸。それだけでもこの映画見る価値があると思う。剃っちゃったけど(笑)いや別に剃ろうが剃るまいがいいんですけどね。
「メン・イン・ブラック2」の時も確かに美人さんだったが、やっぱり美人さんだなこの人。もっと活躍してほしい。
(余談だけど、フランクもどっかで見たことあると思ったら「ブラック・スワン」の演出家役の人だこの人。)


蛇足
サイモンよりはフランク派。女はね、自分とはかけ離れた生き方をしてる男に惹かれるものなのよ…なんて。

パスカル・ロジェ監督「トールマン」

2015-03-15 12:20:13 | タ行
ものすごく意見が割れそうな映画。


パスカル・ロジェ監督「トールマン」
いえ借りた理由が「そういえばメガテンにそんな名前の大佐がいたな…」と思ったからだなんて口が割けても言えません。

旦那を失って娘と息子を養いつつ超さびれた村の看護師として働く女性が息子を謎の存在(=トールマン)に誘拐されてさて謎を解いて息子奪還しちゃうぞー!って映画だと思ったら違った。
それにしても昨日観た「スキンウォーカーズ」に続いて癖っ毛の息子とアクションもバリバリやっちゃうお母さんの映画か…と思ったら違った。
途中から展開が展開だったから「ふえっ!?」ってなった。


すみませんこの映画ネタバレしないとあと感想が続かないです…
結論から言うと、この主人公のお母さんが誘拐犯だったんです。そしてトールマンは死んだはずの旦那。要は、二人一緒に誘拐をしてたんですけど、その理由ってのが「学校も何もないこのさびれた町で、ただ不幸な子供だけが増えていく→子供がもっと幸せに生活できる環境を…→それなら都会の金持ちに頼めばいいじゃない!」ってことで子供を誘拐して、養子として出していくわけ。
この町ってのがとっくに閉山してしまった元炭鉱の町で、教育も医療設備も娯楽も整ってない状態でそりゃ楽しみと言ったら酒と博打とセックスになるでしょうよ。で、望まれない子供とかそんなんが増えていく…と。
「その悪循環を断ちたいのよ!」ってのが極端な話この主人公と旦那の言い分。もうね、信念が強すぎて目がいっちゃってるレベル。

どうなんだろうね、実際。虐待されたり、放置されたりで亡くなっていくよりは、無理矢理にでも助け出したほうがもっと幸せな道があるのかもしれないって考えると、この人たちのやってたことが絶対に悪いこととは言えないだろうし。
でももちろん誘拐って犯罪ですからね。しかも約20人弱。この活動(組織)を守るために、「幼子を20人近く殺害した猟奇殺人鬼」の汚名をかぶってこの女性はこの先牢獄で生きていくわけですよ。

途中まで割とゾクゾクする。町の人気者で皆から頼りにされている看護師の息子がいなくなったってのに町の人たちすっごく余所余所しいっていうか、なんていうか。これ町全体がグルで子供隠してんじゃないの?って思ってたら真逆(女性が誘拐犯だと薄々感づいてた状態)だったわけでそりゃ余所余所しくもなるわ。
「ウェイク・ウッド」的な「町に何か秘密があってそれを隠そうとしてるけど隠しきれてない」感はちょっと面白い。
子供たちの将来を考えると、いい話、なんじゃないかな。

蛇足…?
最初のシーンで出産してた女の子、最初の感じだと「得体の知れない男にいろいろ教え込まれて挙句妊娠させられちゃったフンガー」ってお母さん怒ってたけど、ラストシーンでなんだかうまくいってるっぽくて笑った。いやいい話だよ。