記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

デヴィット・フィンチャー監督「ファイトクラブ」

2013-03-25 22:28:54 | ハ行
わざわざ私が感想を書かなくともたくさんの人が書いている気はする。

何年も前からずっと観たかった映画を、今回ようやく観ることになりました。
1999年制作の映画ということですが、おそらく当時としては革新的な映像だったのだと思います。なんとなく。
当時の自分が観る映画はジブリくらいだったので、よく知りませんが、今観ても新鮮な映像構成だった。

主人公役のエドワード・ノートンがめっちゃかっこよかった!声も好み。細マッチョ。いやー好みだわ。
自分で自分を殴るシーンは衝撃的だったね。上司が呆然と立ち尽くしてたけど、あれは仕方ない。画面の向こうで観てる私も
呆然としてたわ。

なぜこの映画を観たいと思っていたかといいますと、大学の授業で映画論を受講してたんですが、その先生がこの映画を
「強烈ホモ映画(意訳)」と紹介していたわけで。
確かにとにかく男臭い映画だった。男性(not性別。母性的な意味)って突き詰めてくとこんな感じなんだろうか。暴力と性って非常に本能的な衝動だよね。暴力で満たされていた個のまとまりがだんだんと統制のとれた集団になっていく様子は面白くもあった。
あとは変身願望か。変わりたいという強い思い。コスプレが流行るのもその一端なんだろうか。おとなしそうな奴が切れると手の付けられないことになるというが、ここまで変わるか。押し込めていた思いがこう、爆発しちゃったんだろうねぇ(物理的な意味で)


ヘレナ・ボナム=カーターは一癖ある女性の役が良く似合うと個人的には思ってる。今までで一番かわいかったのは「スウィーニー・トッド」の時だったと思う。
あと、ヒロインの名前があの名前なのは絶対に意図があるだろうと。やっぱりあれをイメージしてのその名前だろうと。邪推かもしれんがあながち間違いじゃないと思う。

ローレンス・ダンモア監督「リバティーン」

2013-03-17 23:32:52 | ラ行
選んだ理由は、「ジョニー・デップが主役だから」

ローレンス・ダンモア監督「リバティーン」を観ました。
ジャンルは伝記。こんな人物がいたことにもびっくりですが、よく考えてみればとても貴族的。
文化を愛し、酒と色欲に耽溺する男の姿を描いた作品です。

最初の伯爵の独白にまず驚かされます。「これを観終わったあと、私を好きになる者はいないだろう。」
確かにすごかった。下ネタのオンパレード。薄汚れたロンドンの街並み。画面から何か臭ってきそうだった。
主役級の女優さん二人はきれいだったね。私としては舞台女優のエリザベスの方が好み。
どちらの女優さんも演技に迫力がある。激しい熱情というか、思いがにじみ出てきてた。
奥さんのエリザベスと舞台女優のエリザベスの演技が対称的だったのは、狙ってのことなのかなぁ。
最初は女優エリザベスの方が激しかったのに、後半は奥さんの方が激しかった。
とんでも生活してるので、病に倒れるんだが、そのあと改心してからの伯爵と奥さんのやり取り(というか奥さんの愛情)にぐっときた。

そして最後はこう締めくくられます。「諸君は私を好きか?」
これについてはもちろん各々の感じ方によりますが、私は好きになりました。



かなりジョニデは体当たり演技だったと思う。今まで観た中で一番衝撃的なメイクだった。

スティーブン・C・ミーラー監督「スクリーム・オブ・バンシー~殺戮の妖精~」

2013-03-10 23:03:50 | サ行
タイトルから漂うB級臭。
ジャケットなんかもっとB級臭しかしない。

ストーリーはとてもわかりやすいです。
開けちゃいけない箱が出てくる→うっかり開ける→封印を解いてしまう→背景が明らかにされる→もう一度封印する。
ありがちですね。とてもありがちですね。

ちなみにバンシーとは、こいつが現れると誰かが死ぬ、みたいなアイルランドの妖怪です。
ハリポタ第四作目に出てきてましたよね。

ジャンルはホラーなんですが、全然怖くなかった。背筋が凍る映画を観たいと考えている人はきっと満足できないでしょう。
主人公の教授のお姉さんと、その娘は可愛かったね。あとは今一つ。
黒幕はバンシーが封印されてた箱を発掘した元教授らしいんですが、彼がなぜバンシーを必要としていたのかはよくわからないまま。
終末論者ってのはわかったけど、バンシーを武器として使いたいとかなんとか…そのあたりがよくわからない。
意思疎通もできないような代物を武器にしても意味ないだろうに。

残念なのは、マスク(特殊メイク?)が安っぽいところ。なんだろう。絶叫系とグロ系を目指したかったんだろうけど、どちらにもなりきれてなかった感はあるかな。若干気持ち悪いシーンが出てきますが、バイオハザードを平気で観ることのできる人なら問題なく観れます。
最後のバンシー斬首後の胴体がひどいぜ。どう見ても作り物ってわかってしまう。あのラストシーンをもっとうまく見せることができれば、良かったんだろうなぁ。なんて偉そうなことを言ってますが、私はホラーが苦手です。

蛇足ですが。
バンシーは基本的に老婆として現れるらしいんですが、たまに少女とか妙齢の女性とか、いかにも人を引き付けるような外見で出てくることもあるそうです。
せっかくだから妙齢のバンシーも観たかったなぁ。というか、そこは見せてほしかったなぁ。

ベン・アフレック監督「アルゴ」

2013-03-03 18:37:44 | ア行
今年度のアカデミー賞作品賞受賞映画「アルゴ」を観てきました。

作品賞を獲得するのも納得の映画。
派手なアクションが好きな人には向かないかも。よく「人質を救出」なんていうと、特殊部隊みたいな人たちが潜入して…ってなるけれども、主人公は頭を武器に脱出させるもんで。ドンパチはないです。若干あるけど、ないです。

実話が基になってるということもあるからかなぁ。かなり真に迫った作品といいますか…イランの群衆がヒステリックに迫ってきたり、
潜伏生活を続けている職員たちの恐怖が伝わってきたり。それがあったからこそ、脱出が成功したときの感動がある。
映画を観てる最中何度も息が止まりそうになったというか、「ひっ」ってなりましたもの。

私は当時の事件を知らないですが、現実に最も近い映像を観たと思う。同じようなことが今も世界のどこかで起こってるというのが怖いね。



ここからは個人的な感想。
ベン・アフレックは渋いね。渋いおじさんは大好き。
米英が絡むといいことがないね。中東・アジア関係は特に。あいつら関わった国や地域をしっちゃかめっちゃかにして、どうにもならなくなったら「俺知ーらね(゜⊿゜)」じゃないか。


さらにアカデミー賞に対する個人的な感想。
助演女優賞と録音賞は「レ・ミゼラブル」が獲ってくれたので満足。アン・ハサウェイは可愛いし、あの演技も鬼気迫るものがあったね。
「夢やぶれて」を絶望と苦悩を混ぜたような表情で歌いきってくれた彼女がラストシーンで見せた安らかな笑顔にやられるよね。
(実はヒュー・ジャックマンが好きだから主演男優賞も期待してたんだけど、「リンカーン」のダニエル・デイ=ルイスが獲得したしねぇ。まだ予告篇しか観てないけど、あのダニエルはかっこいいから仕方なかったのかも。)