記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

ダニー・ボイル監督「トランス」

2015-03-29 14:17:20 | タ行
女って怖い…(アレ前にもこんなことを呟いた気が…)


ダニー・ボイル監督「トランス」
前回見た映画で不完全燃焼を起こしていたこともあり、非常に面白く観させていただきましたですよ。
主人公サイモンはギャンブル依存症で多額の借金返しきれねぇ!

→フランク一味と手を組んで絵画を盗み出し一攫千金やったね!
 →…のはずが、絵はなくなるわ絵を隠したサイモンは記憶をなくすわ(主にフランクのせい)
  →記憶を取り戻すために催眠療法士エリザベスのもとに…

以上、3行でプロローグ紹介。

結果的にサイモンは死ぬし、フランクは絵を手に入れられなかったし、絵を手に入れつつ邪魔だったサイモンを消すことができたエリザベスの一人勝ちってところか。
女って怖ーい!

最後のシーンで、フランクのところにタブレット(映像入り)を送ってきて、「この絵素敵でしょ?この絵を見てもサイモンのこと思い出さないの。思い出すのはあなただけ。居場所は教えられないけどできたら探してほしいわ」ってしたたかにもほどがあるだろう常識的に考えて。
コナンで蘭ちゃんが殺人事件のあと、死体を発見したことでショックを受けるどころか「今日の夕飯作れなくなっちゃう」と食事の心配をするようになったって話を読んだけど、同レベルで強かってか慣れすぎっていうか…。この絵のために元彼含め何人も(しかも無関係な人も)死んでるし、この絵は腐乱死体が抱いてたんだぜ!自分だったら速攻換金するかなんかして手放したいわ。なんか呪われてそう。呪いのダイヤ的な感じで。


前回の映画はひたすら真っ暗というか、視覚効果が闇しかなかったんだけども、今度の映画は窓やらガラスやら鏡やら…。何がどうって説明できるわけじゃないけど、それが見ていて面白かった。
だんだんと、今目の前で展開されているのが「サイモンの精神世界」なのか「現実世界」なのか分からなくなる。それが徐々に交差して浸食しあってサイモン発狂、的な。
確かに、鏡に反射したような世界だったり、ガラス越しの不鮮明な世界に見えるのかもしれんなぁ、なんて。
いやそれにしてもギャンブルに暴力にストーカーって男のクズだな!
あと、音楽がかっこいい。この映画の音楽は文句なしにかっこいい。確かにスタイリッシュな映画という言葉がぴったりですな。

エリザベス役のロザリオ・ドーソンのヌードがマジで綺麗。ほぼってか全裸。それだけでもこの映画見る価値があると思う。剃っちゃったけど(笑)いや別に剃ろうが剃るまいがいいんですけどね。
「メン・イン・ブラック2」の時も確かに美人さんだったが、やっぱり美人さんだなこの人。もっと活躍してほしい。
(余談だけど、フランクもどっかで見たことあると思ったら「ブラック・スワン」の演出家役の人だこの人。)


蛇足
サイモンよりはフランク派。女はね、自分とはかけ離れた生き方をしてる男に惹かれるものなのよ…なんて。

リチャード・グレイ監督「The LOOP」

2015-03-28 18:39:04 | ラ行
あえてサブタイトルは伏せておく。

リチャード・グレイ監督「The LOOP」
以前「トライアングル」を観た身としてはあの時のドキドキ感をまた味わいたくて観ちゃったわけですが、おとなしくもう一度「トライアングル」を観ておいたほうが良かったかもしれん。

大学生7人組が親戚の別荘(森の中の湖畔のそば)に遊びに行くんだが…というのがプロローグ。もうね、「若者」が「湖畔のそば」の「別荘」に…というキーワードだけで死亡フラグ立ちまくりの嫌な予感しかしない。

ループするってことは、「トライアングル」並に何回も何回もループして絶望し…的な展開を予想していたら、一回しかループしないの。この映画のつまらないところってそこなんだと思う。

ここからだいぶネタバレを含むんだけど、
別荘のそばの坑道に探検に行くんだけどさ、その中の小部屋に「これが一回目」って書いてあるの。
つまり、主人公(これがまた気が弱そうな男)がキーマンなんだけども、主人公悪戯で仲間に小部屋に閉じ込められる(おそらくここでよっぽど死の恐怖を味わって仲間に不信感しか抱かなくなったと思われ。精神的な問題で薬飲んでたみたいだし。)→ループ後、ループ前の自分に「あいつらは信じるな。お前は2回閉じ込められる。証拠は残しておいた」って警告する。その証拠が「これが一回目」というメッセージなんだが。
ここなんですよ。たとえば、この映画が複数回ループしてる状態で、この小部屋に「これが一回目」「2回目だ、まだわからないのか?」「3回目だ。言っただろ?」みたいな感じで警告文が増えてるとたぶんゾクッとしちゃうわけですよ。

あとね、何でループしてるかがわからない。思わせぶりなだけで出てこない。「トライアングル」は、主人公の女性の執念というか怨念というか、どうしても結果を変えたい…的なところがラストで透けて見えてきた感があるけど、この映画は何がしたくてループしてるんだ?って感じ。磁場の影響、で片づけたいのかもしれんが、なんというか、主人公が仲間のことが憎くて憎くて頭の中で何度も何度も殺しちゃってるのか?彼女だけは大切みたいで直接手は下してない(結果的に殺してるけど)し、女性は殺せないみたいだし。甘いっちゃ甘い。
どうせなら、冒頭に出てきたインディアンの男が実は何か仕掛けてるとか、せっかくウロボロスを話題に出したんならもっと活用するとかすればよかったんだよ。

というわけで、私は「トライアングル」をおすすめします。
あれ、別の映画の話になってる?


蛇足
仲間のうちに超飲兵衛のヤク中がいるんだが、こいつが途中から超まともになって笑った。

ロブ・マーシャル監督「イントゥ・ザ・ウッズ」

2015-03-22 08:33:16 | ア行
バカ(王子)と巨人とファンタジー

ロブ・マーシャル監督「イントゥ・ザ・ウッズ」
ジョニデ観たい娘とベイマックスでディズニーに味を占めた母の意見が一致したから観てきた…けど……、公開2日目の映画にこれを言っていいのかどうか悩むけど、まぁ今一つ。
どうでもいいけどロブ・マーシャル監督の映画は2作目。「シカゴ」以来。

個人的には、シンデレラのストーリーが大人向け、というか、足切られて目を潰されるバージョンだったのに好感が持てた。あとパン屋の奥さん美人。メリル・ストリープの圧倒的大物感。そしてBGMがひたすらファゴットファゴットファゴット。耳が幸せだった。
ジョニデをガンガン押してた割に、登場時間短くてちょっと拍子抜け。その後はバカ王子どもが面白かったからいいけど。

「人生は必ずしもハッピーエンドではありませんよ^^」ってのが主題なのかな。その主題に行くまでがごちゃごちゃしすぎで疲れる。部分ごとに観ると結構面白いし突っ込みどころはあるし、バカ王子がバカすぎて笑い堪えるのが大変だった。
調べてみたら、基になるミュージカルがあって、後半部はオリジナルストーリーなのね。これだからオリジナルは…。

呪い解きたいです→ではアイテムを集めてください→4つ集めました→それは私が触ったから効力がないのー!(by魔女)→「トウモロコシのように黄色い髪」がないんなら「とうもろこしの髭」でいいんじゃね?→解決!ってえぇっってなったわ。
それ他の奴も代用きいたよね!?白粉叩いた牛とか!?結構魔女の呪いっていい加減だな。魔女発狂するし。「優しいだけじゃやっていけないのよ。たまには私みたいに正しいことを正しく言える人も必要なの。」ってのが魔女か。魔女の役割か。「お前らが言うこと聞かなくて正しいことをしなかったからこんな事態になってんじゃねーのバーカ(意訳)」ってのがたぶん魔女の言いたかったこと。
確かに寄り道しなきゃ赤ずきんはオオカミに誘惑されなかったかもしれないし、市場でちゃんと牛を売っていればジャックも豆を手に入れなかったし、盗みをしなきゃパン屋にも子どもができてたわけだもんな。おぉ怖い怖い。

バカ王子どもを見てたらこの前の帝を思い出したぞ。「私にこうされて喜ばぬ女はいなかった」ってな。兄は分かりやすいクズ、弟は憎めないバカ。結局弟はラプンツェルさらって逃げちゃったけど、何で?ラプンツェルも途中で城が崩れた途端逃げてるし、何で?
「僕の奥さん候補の方が美しいし、それを手に入れられない僕は世界で一番不幸だー」ってのが王子のスタンス。明暗はちゃんとその子だけを見続けられたかどうかってことか。幸せになれないシンデレラって良いねって思っちゃった私はクズという自覚はある。
途中から奥さんに感情移入しすぎてしまって、まぁその理由がアレだからあまり詳しくは言わないけど、すげー奥さんの気持ち分かるわーって感じ。

観て損はしないと思うけど、うーん。また観たいとは思わないかなー。
ちなみに母とは「『ナイト・ミュージアム』」観ときゃ良かった」って話をしてた。


蛇足
バカ王子ども観てたらテッテレ王子思い出した。奥さん観てたら「Yield」思い出した。サンホラーなら楽しめるかもしれない。

パスカル・ロジェ監督「トールマン」

2015-03-15 12:20:13 | タ行
ものすごく意見が割れそうな映画。


パスカル・ロジェ監督「トールマン」
いえ借りた理由が「そういえばメガテンにそんな名前の大佐がいたな…」と思ったからだなんて口が割けても言えません。

旦那を失って娘と息子を養いつつ超さびれた村の看護師として働く女性が息子を謎の存在(=トールマン)に誘拐されてさて謎を解いて息子奪還しちゃうぞー!って映画だと思ったら違った。
それにしても昨日観た「スキンウォーカーズ」に続いて癖っ毛の息子とアクションもバリバリやっちゃうお母さんの映画か…と思ったら違った。
途中から展開が展開だったから「ふえっ!?」ってなった。


すみませんこの映画ネタバレしないとあと感想が続かないです…
結論から言うと、この主人公のお母さんが誘拐犯だったんです。そしてトールマンは死んだはずの旦那。要は、二人一緒に誘拐をしてたんですけど、その理由ってのが「学校も何もないこのさびれた町で、ただ不幸な子供だけが増えていく→子供がもっと幸せに生活できる環境を…→それなら都会の金持ちに頼めばいいじゃない!」ってことで子供を誘拐して、養子として出していくわけ。
この町ってのがとっくに閉山してしまった元炭鉱の町で、教育も医療設備も娯楽も整ってない状態でそりゃ楽しみと言ったら酒と博打とセックスになるでしょうよ。で、望まれない子供とかそんなんが増えていく…と。
「その悪循環を断ちたいのよ!」ってのが極端な話この主人公と旦那の言い分。もうね、信念が強すぎて目がいっちゃってるレベル。

どうなんだろうね、実際。虐待されたり、放置されたりで亡くなっていくよりは、無理矢理にでも助け出したほうがもっと幸せな道があるのかもしれないって考えると、この人たちのやってたことが絶対に悪いこととは言えないだろうし。
でももちろん誘拐って犯罪ですからね。しかも約20人弱。この活動(組織)を守るために、「幼子を20人近く殺害した猟奇殺人鬼」の汚名をかぶってこの女性はこの先牢獄で生きていくわけですよ。

途中まで割とゾクゾクする。町の人気者で皆から頼りにされている看護師の息子がいなくなったってのに町の人たちすっごく余所余所しいっていうか、なんていうか。これ町全体がグルで子供隠してんじゃないの?って思ってたら真逆(女性が誘拐犯だと薄々感づいてた状態)だったわけでそりゃ余所余所しくもなるわ。
「ウェイク・ウッド」的な「町に何か秘密があってそれを隠そうとしてるけど隠しきれてない」感はちょっと面白い。
子供たちの将来を考えると、いい話、なんじゃないかな。

蛇足…?
最初のシーンで出産してた女の子、最初の感じだと「得体の知れない男にいろいろ教え込まれて挙句妊娠させられちゃったフンガー」ってお母さん怒ってたけど、ラストシーンでなんだかうまくいってるっぽくて笑った。いやいい話だよ。

ジェームズ・アイザック監督「スキンウォーカーズ」

2015-03-15 08:05:19 | サ行
大勢の人が死んだのは無駄ではなかったー(棒)


ジェームズ・アイザック監督「スキンウォーカーズ」
狼男になっちゃう呪いを解きたい人たちと解きたくない人たちがいろいろ頑張る映画(雑)

主人公は男の子でいいんだよな?
運命の子ってのがいて、その子が13歳の誕生日を迎えると呪いが解けるらしいってことで、人狼でいたい人たち(人間を食べるのって麻薬並の快楽と中毒性があるらしいよ!)がその子を殺すために探すんだが、その子は呪いを解きたい人たちが大切に大切にそれこそ町を挙げて大切に育てていて、でも見つかっちゃうんですよ。

何がすごいって、人狼VS人狼という、どう考えたってガチの殴り合いをしそうな戦いなのに、大体が銃撃戦。男の子と一緒にいたおばあちゃんのショルダーから大口径の銃が出てきたと思えば、銃撃戦が始まった瞬間町の人たちがライフルやらなんやら持ち出して銃撃戦。あの展開はだいぶ笑える。そのあとも続く銃撃戦。これもう最初の設定を「人狼の呪いを解きたくて…」にする必要全くないじゃん。

かと思えば、死んだと思ったはずの旦那=男の子の父親=呪いを解きたい一派のリーダーの弟が男の子を殺しにやってくるんですよ。何が面白いって、そいつ、チーム内の女とできてるんですよ。その次のシーンで「子供いたの!?」的な話になるんですけど、その女だけ絶対に意味合いが違うと私は勝手に思ってるんですよ。まぁ早い話が不倫で遊ばれた的な。嫁子供と愛人が銃撃戦ですよ。笑うしかないでしょう。
そう考えつつずっと観ていくと、ラスト近くの嫁VS女のバトルがまた違った意味で面白いです。
ってかよく何年も暮らしてたのに「旦那が人狼」って気付かなかったというか悟られなかったな。穏健派の皆さん、満月が近くなると地下室で拘束具はめて動けないようにして食い殺したりするの防いでるんですが、子供ができるくらい親密な関係でそれやられたら明らかに嫁は不審がるよね!?そこをどうやってごまかしたのかがちょっと気になる。

何がひどいって、この旦那、死んだって設定なんです。少なくとも嫁と子供はリーダーに「弟(=旦那=父)は死んだ」って聞かされてるんですが、そのあたりの背景が全く分からない。回想シーンがちょこっと入って、それを見るになんか連れ去られたっぽいんだけど、何でそのあとも普通に生きてるってか寝返ったっていうか、とにかく何で敵側で出てくるかがわからん。それがわかればまた面白かったんだと思うが。

そしてまぁアレですよね。彼女が彼氏殺したりその彼女を父親(=リーダー)が殺したり、リーダーを嫁が殺したり…、明らかに、敵に殺された味方の数よりも味方内で殺し合ってる数の方が多い。
というストーリーの流れで、父親の呪いは解けてまた家族3人仲良く暮らしましためでたしめでたしというオチの上で冒頭のあのセリフ…鬼畜だなオイ。

ストーリーはアレですけどイケメンは出るしヒロインも愛人もなかなか美人なので眼福眼福。


蛇足。書くの迷うくらいどうでもいいし下種い蛇足。
一部すっごく無駄なエロシーンが入りますが、騎乗位なんですよ。騎乗位。狼なのに。そこはバックだろ…。