記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

ランディ・ムーア監督「エスケープ・フロム・トゥモロー」

2015-04-27 07:19:44 | ア行
よく訴えられなかったなと感心する。


ランディ・ムーア監督「エスケープ・フロム・トゥモロー」
隠されているメッセージが深すぎて私みたいな凡人にはついぞ理解できませんでした。
なんとストーリーを表現していいかもわからない。

家族旅行でディ○ニーに来ていた男が、さぁ今から行くぞ!ってタイミングで首を宣告されるんですよ。
正直、その状態で楽しめない雰囲気なのはわかる。逆に吹っ切れちゃって、家族旅行だってのに美女二人組が超気になっちゃうのもわかる。
飲まなきゃやってられないって気持ちになるのもわかる。でも公衆の面前でいちゃいちゃはじめようとするのはわからない。そこは奥さんに同情する。

ダークファンタジーってのはよくわかるんだけど、この映画、最後に伏線を回収するのかと思いきや結局投げっぱなしなのが良くない。
「意味ありげなことをつぶやきつつ最後は泣いてしまう看護師」「意味ありげな挙動+謎のコスプレを始める熟女」「主人公の行く先々に現れるフランス人美女2人組」などなど、どっかで何かに発展しそうな要素がたくさんあるのに何も発展しない!逆にびっくりだよ!
よくわからないまま謎の組織に拉致されちゃったりしちゃってもっとよくわからないよ!
(実はこのあたりでビーズを部屋中にまかしちゃってストーリーが一瞬迷子になった。)
前に見た爆発しちゃう映画並に何をしたかった映画なのかがよくわからない。まだタイヤが人殺しする映画の方が理解できるレベル。

一番驚いたのは、これがディ○ニーに無許可で撮影されたってところかな。謎の合成とかちょこちょこ入ってたんだけど、ちょっと納得。
でも言われなきゃ気付かないし、まぁ「家族旅行撮ってますー」って風で撮ってればばれないか。そうか。


面白くないわけじゃなかったんだけど、これだったら悩んでたもう一本を借りてきたほうが良かったかな…。


ポン・ジュノ監督「スノーピアサー」

2015-04-19 08:55:50 | サ行
初の韓国人監督映画。


ポン・ジュノ監督「スノーピアサー」
ジャケ裏の説明的に期待と不安半々を持ちつつ見てみたら結構見ごたえがあった。
2014年、環境政策に大失敗(というか致命的なミス)し超氷河期に陥った地球で、唯一人類が生存している大陸横断列車「スノーピアサー」で、クーデターを起こした男が主人公。
超階級社会の中で、不平等と圧政を是正するため、立ち上がった…!的な。

電車の中という超閉鎖空間の中での完全自給自足。映画冒頭で「すぐに氷河期に陥った」みたいな説明があったので、食糧のシステムはともかく美容院やらテーラーやらよくもまぁ準備する時間があったなぁ、なんて思わないこともないが、一つの車両に次はどんなシステムを表現するんだろう((o(´∀`)o))というワクワク感はあった。
サウナまであったんだぜ…!どんな豪華特急だよ。おそらくななつ星の行きつく先はあんな感じ。

登場人物の立ち位置がはっきりしているというか、主人公サブ参謀戦闘員明らかな捨て駒等々わかりやすいからそれでまず映画に入りやすい気がする。どう考えてもあの大統領は捨て駒。というか、あの中で大統領とか大仰な名前つけなくてもいいんじゃない?
あの車内はどう見ても社会の縮図なので、若干見てて暗ーい気持ちにならなくもないけど、「各々が役割を果たすべきだ」というウィルフォードの話も分かるし、「それは強者の理論だ」というカーティスの主張もわかる。にしても、ウィルフォードと大統領、似たような話をしているはずなのに、大統領の話し方が超頭にくる感じなので、言葉って大事だなって思いました。

乱闘シーンとか、線路のカーブを利用した射撃シーンとか、戦闘シーンも見ごたえがある。さっきまで大きくなったお腹をさすってた小学校の先生が、いきなりマシンガン取り出して撃ち出したときはおったまげた。
クーデター側の突撃隊長が超クール。助走→跳躍→鉄骨につかまってからの巨漢首絞めは見事。言葉がわからないからだろうけど、敵側の偉い人捕まえて首根っこ押さえながら、腕の入れ墨「降伏か、死か」って見せて脅すのも超クール。もう少し彼の戦闘シーン見たかった。


映画の筋としては、秩序を保つためには定期的な人口調整とガス抜きが必要→それなら反乱起こさせればいいんじゃない?という上層部の考えにまんまと乗せられた形の反乱だったわけだが、最初は収拾がつく範囲で抑えるつもりで今までもそれでうまくいってきたんだけど、今回負のエネルギーが大きすぎた、ってところなんだろうな。
電車もガタが来ていたようだし、線路の方だっていつまで保つかわからないし、潮時だったんじゃないかな。
最後、希望がありそうな終わり方だったけど、神話の世界じゃあるまいし、ほかにも生存者がいなければ人類滅亡だろうな。
(人種差別的なこと言うつもりは毛頭ないが、アメリカも製作に携わってるのに白人系が生き残らないエンドってのも珍しい気がする。)


蛇足
なぜか日本ひいきの映画。ちょこちょこと日本語が出てくる。水産の飼育場(トンネル水族館!)の先には寿司カウンターがある。なぜだ。
あとあの敵側の戦闘員二人。完全にデキてる。

ミカエル・サロモン監督「タイムリミット」

2015-04-05 08:17:26 | タ行
たぶんタイムリミット4時間は超えてる。


ミカエル・サロモン監督「タイムリミット」
レストランでデートしてただけの男がマフィアの金の横領犯と間違われて業務用の冷凍庫の中に監禁されて…という昨日に引き続き脱出ゲームのような映画。
そしたらこの男、整備工だって言ってるんだけど、ただの整備工じゃなかった。
確かに途中から身のこなしが整備工じゃなかった。どこぞの赤い配管工も配管工っぽくないこといっぱいやってるね。
そう言えば昔読んだ「パイナップルアーミー」の中に、周りにあるものを暗殺の道具にしてしまう殺し屋の話やってたし、某殺人メイドもハンガー使って殺しやってたりしたね。
いや別に話の本筋とは全く関係ないですよ(棒)


冷凍庫に閉じ込められたまま3人のマフィア(ボスの息子の女、インテリスーツ、筋肉ダルマ)に「早よ金出せや( ゜Д゜)オラ!」って脅されるんだけど、金のありか知ってるわけないから黙秘するじゃん?だから冷凍庫の中に閉じ込められたままじゃん?
でもそのままじゃ死んじゃうじゃん?(4時間が限度、って話になってる)だから壊したりなんだりかんだりして脱出を試みるんだけど、ってところは面白い。

途中から話が超飛んだ。実は男の正体は…って感じで。
いやそれなりに理由は説明できる飛び方ではあるし、そこまでそれまでの流れにも矛盾は感じなかったんだけど、でも結構いきなりすぎて視聴者置いてけぼりになっちゃいますよ。
それがもうちょっと丁寧だったらよかったのに…ねぇ。普通の整備工によるマフィア全滅皆殺しエンドの方が展開的には面白かったかもしれんて。
あとそんな方法で暖取れるのであれば最初からそうしろよ。


蛇足
ヒロイン(っても女性は1人しか出てこない)が超美人。

ヴィンチェンゾ・ナタリ監督「ハウンター」

2015-04-04 08:57:26 | ハ行
haunt:(幽霊などが)出る、出没する


ヴィンチェンゾ・ナタリ監督「ハウンター」
脱出ゲーム的な映画。

ループ世界にはまり込んでしまった女の子がそのループから脱出しようとするお話。
主人公リサ(アビゲイル・ブリストン)だけが家族の中で「一日がひたすらループしている」ことに気付く。なんてったってこの一日が終わってくれないとリサちゃん誕生日来ないもんね!
それにしても前回もループもので今回もループものって私がループものをループしてんな。

今回のこれは、もうすでに複数回ループしていることが前提です。リサちゃんの様子を見るとそんな感じ。「昨日も洗濯機を回したわ」「朝食はパンケーキで夜はマカロニチーズ、そして推理ドラマを見るんでしょ。わかってるわよ」ってね。
でもリサちゃんが気付いたことで少しずつループの内容が変わっていきます。そしてその先に待ち受ける驚愕の真実とは…!?みたいな。

前回のループよりは今回のループのほうが断然面白い。ジャンル的にはサスペンス?ホラー?なんだけど、脱出ゲームやってるような気になってくる。まさにリサちゃんにとっては「ループからの脱出」なんだけどさ。
この映画はあまりネタ晴らししないほうがほかの人のためになるから今回はこれ以上ストーリーに触れるのは我慢するけど、この映画は、私は、割と見て損はしないタイプのものだと思う。ほかのレビュー見たら鳴かず飛ばずだったみたいだけど。でもいいよ、これ。
ってかだいぶ冒頭でネタ晴らししちゃってる気がしないでもない。
思ったよりものめりこんで観ちゃってたから、ラストシーンでリサちゃんが無事に誕生日を迎えられた(=ループ脱出!)したときはまず感動するよね。

でも感想書いとかないとあとで忘れるんだよな…ということで文字隠してみました。
そもそも家には美少女ばっかりを狙った殺人鬼が取り憑いていて、その家にうっかり引っ越してしまったリサちゃん一家も餌食かつコレクションにされてしまったってことなんだよな。
ドールハウスが出てくるのは、この家全体が殺人鬼のおもちゃ箱だってことのたとえかな?
そしたら何十年か後(タブレットが出てきてたからだいぶ最近)になってまた一家が引っ越してきて同じように狙われて…一家を救う次いでに殺人鬼の霊をうまいこと懲らしめてしまって(たぶん地獄に引きずり込まれるかなんかしたんだろう)リサちゃん一家も成仏みんながハッピー!ってか。
キリスト圏で成仏って言わないよな。昇天というのが正しいのだろうか。

背景との相性が悪くてうまく隠れてない!(笑)

主人公リサちゃんがかわいい。
お目目パッチリがっちり囲み目ロック少女かわいい。ほっぺぷにぷにしてそうなのがまたいい。
明らかにロックでパンクな女の子なのに自室でクラリネットで「ピーターと狼」練習してるっているそのギャップがかわいい。
まぁそこでエレキギターとか練習されたら風情がないわな。せっかくのしっとり重ーい雰囲気が台無しだわな。


蛇足…
アビゲイル・ブリストンちゃん、有名な子役だったようで、実力もあるそうで「奇跡の人」で舞台デビューしたってwiki先生が教えてくれたんだけど、「奇跡の人」って聞くと「ガラスの仮面」しか出てこないからどうしようもない。