記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

アダム・ウィンガード監督「ザ・ゲスト」

2017-08-20 22:41:00 | サ行
悪くはないけどキャストは良さそうなのになぜこうなった感。

アダム・ウィンガード監督「ザ・ゲスト」

戦死した息子の友人だと名乗る兄ちゃん=デヴィッドが訪ねてくるところから始まるのだが、まず一言。

その時点で怪しさ指数が割と高いのになぜすんなりと家に入れたし!
そしてそれを咎めた父ちゃんの方がデヴィッドを気に入ってるっぽいし!
多分あの家でこの点で一番常識人なのはアナ。だいぶセンスがぶっ飛んでたけど(嫌いとは言ってない。)

面白かったんだけど、おそらくこの映画で最も重要な点だったであろう人体実験の謎というか、これが何を目指しててどんな結果をもたらすものなのか語られはするけれどもわかりにくいのがこの映画をつまらなくさせていると思わんことはない。

デヴィッドが友人の最期の頼みを全力で果たそうとしてるのはなんとなくわかるんだけど(一応家族を守ろうとはしているからね。守り方がずれてるだけで)、でもそれって人体実験のコンセプトからずれてる気がしないでもないし。
正直、デヴィッドが本当に友人なのか、息子と一緒に人体実験を本当に受けていたのか、って根拠が弱いんだよ。ただのサイコパスって言っても通じる。
あとあのラストは余計だったと思う。その展開は確かに映画的にはよくある展開ではあるんだけど、今回の映画に関しては余計だった。


蛇足
無理にベッドシーンを入れなくても良い、と声を大にして言いたい。
コスモポリタンはとても美味しそうです。
この監督、今度米国版デスノは作るし、ゴジラVSキングコングもやるんだな。前者はどうでもいいけど後者についてはちょっと不安。

アンドリュー・ニコル監督「ガタカ」

2017-08-06 21:39:25 | カ行
これぞディストピア的な。

アンドリュー・ニコル監督「ガタカ」
遺伝子で全部わかっちゃう怖ーい世界。産まれた瞬間に遺伝子検査で寿命までわかっちゃうって怖くて怖くてそんな世界で生きていけないわ。
でも自分が年取って年金で生活できるような歳になったらそんな世界になっちゃうんだろうか。生体ICチップを社員に入れてる会社があったりするって言うし。

産まれた瞬間に人生の優劣も何もかも決められてしまうってどうなんだろう。そんな世界で夢を失わず生まれた意味を探し続けるってどれだけ意志が強いんだろう、と、主人公の心情を、こう、痛いほどに考えさせられる。

常に君は劣っている、劣等だ、と友人を見て、弟を見て、きっと周りから言われ続けて、それでも自分の夢を叶えるために努力を惜しまず、でも遺伝子は変えられず……。
遺伝子上は非常に優れていても体がどうにもならず、周りから有形無形のプレッシャーをかけられ続けてそれに応えられず……。
最後に「夢をもらったからな」と言ってはいたけれども、きっと、夢を叶えたヴィンセントを見てるのが辛くなったんでないかな。きついな。

ヴィンセントはヴィンセントで、ずっと自分でも周りからも弟アントンと比べられ続けて、弟が自分よりはるかに優れているって辛いな。辛いよな。

でもさー、見てる人っているんだね。優等か劣等かなんて気にせずに、きっと遺伝子ではどうにもならない人格を見て評価してくれている人。それが救い。


蛇足…?
特にないけど、人によってはだいぶだいぶいろんな意味で切なくなる、と思う。