記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

ヴェルナー・ヘルツォーク監督「神に選ばれし無敵の男」

2013-02-24 22:41:43 | カ行
100円で観れるのがもったいない映画。
映画館で観たかった。

舞台は第二次世界大戦前のベルリン。ヒトラーが出てきたあたりっぽいです。
主人公のジシェはユダヤ人。ちょっとしたトラブル絡みで自慢の怪力を披露することになり、スカウトされてベルリンで
ショーに出ることに…みたいなストーリー。
ちなみにこの主人公、実在の人物がモデルですが、実際に生きてたのはもう少し前。この怪力お兄ちゃんがもし生きてたら…という仮定の話のようです。
歴史的背景を知っているから「この時期にユダヤ人がベルリンにいるってまずいんじゃ…」と思ってましたが、本当にまずかったみたい。ユダヤ人とばれた(というかばらした)途端にブーイングの嵐。
主人公をキャストとして雇ってた劇場の主人もユダヤ人だったけど、彼はユダヤ人ということをひた隠しにして、上流階級であるかのようにふるまいます。女性に手をあげたりなんだりとひどい奴だけど、悪人ってわけじゃない。そうせざるを得なかったんだろうな。

話はとにかく淡々と進む。でもそれがいい。別に怪力男のアクションを期待してたわけじゃないしね。
泣きまではしなかったけれども、お兄ちゃんの純朴さもいいし、最後まで観ると、胸の中に温もりがじんわりと広がってくるような映画でした。

ところでこのお兄ちゃんにはとても賢い弟がいるんだけれども、この弟役の子がとても可愛い。
昔のマコーレー・カルキンを観ているような可愛さ。
調べてみると、ほかの作品にはあまり(というかほとんど)出ていないようで。残念。


2点蛇足。
一点目。舞台はベルリンとポーランドのはずなのに全編英語。英語じゃないと聞き取れないから助かったけど、やっぱり違和感。
前に観た「善き人のためのソナタ」は確か全編ドイツ語だったはずだから字幕を追っかけるので大変だったわ。
一番大変だったのは「レア・エクスポーツ」だけどな!(全編フィン語。)

二点目。この前ドラム缶と蟹のコピペを観たばっかりだったから、正直言って小さい蟹がたくさん出てくるシーンはきつかった。



ジャレド・ドレイク監督「ウィークエンド-爆破まであと1198分」

2013-02-18 17:29:52 | ア行
ジャレド・ドレイク監督「ウィークエンド-爆破まであと1198分」

正直に言います。よくわからなかったです。
まず、邦題がひどい。ほかに何かなかったんだろうか。この邦題は騙されます。あとジャンル「コメディ」も若干違う気が。
週一ペースで映画を観るようになって約一年が経つけれど、以前観た「ラバー」と同じくらいよくわからない。まだ主人公が人である分「ラバー」よりはわかりやすい、程度の違いしかないと思われる。

主人公の置かれた境遇の辛さは理解できます。完全にシステム化された企業に勤め(余談だけれども、TRPG『パラノイア』に出てくる工場ってこんな感じだと思う。)、家に帰ると自己啓発狂いの妻に夜のお相手をせがまれ(完全にレスっぽい)、息子は引きこもり。弟は変人。そして「幸せ」になるように強要してくる社会。(もろ『パラノイア』ですやん。)
安らぎのひと時をもたらしてくれた同僚は、会社に不適応と判断され首に。同じ階の同僚はやっぱり変人。まともだった部下は上司になって仕事をせっついてくる。これで幸せになれって方がどうかしている。
主人公が夢で偉人になって戦場を駆け巡っていたのは、このストレスが反映されてますよねやっぱり。

ラストで、主人公が安らぎの主である(元)同僚を追っかけて、一晩過ごして、そして上記の戦場の夢から解放されたのは、同僚という幸せを見つけ出したおかげで心理的抑圧から解放されて…というような背景があるような気はするんですけど、やっぱりよくわからない。

これは完全に予想ですが、この映画に対するレビューや感想の少なさが、この映画のすべてを物語ってる気がします。

ノルウェー産映画「ヘッドハンター」

2013-02-11 21:01:06 | ハ行
昨日は、ノルウェー産「ヘッドハンター」を観ました。
何故『ノルウェー産』とつけているかというと、同名の映画がほかにあるうえ、監督が誰だかはっきりわからないからです。

「ミレニアム」を作成したスタッフによって作られた映画ということですが、「ミレニアム」をまだ観ていないのでそのあたりは何とも。

一言でいえば、主人公が追われる物語です。けっこう理不尽な理由で。
確かに絵画泥棒は悪いことだけど、ここまで追われるほど悪いことではないだろう、とは思う。
逃げ方も割と壮絶です。逃走劇にありがちなカーチェイスとか爆発とかそんなのはありません。ないからこそ、現実味があるというか、
想像してしまって「ひぇー((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル」となる感じはあります。
肥溜めに隠れるシーンもありましたけど、あれ実際どうなんでしょう?本当の肥溜めだとしたら、俳優を尊敬します。
頭ジョリジョリもね。

逃走途中の展開は予想できたけど、逃走劇の終幕については予想できなかった。
あと、女って怖いよね。

最後は大団円。愛は勝つ。悲しい展開や不明瞭な終わり方が嫌いな自分としては、非常に満足のいく終わり方でした。
ただ、あれで2時間は、長いなぁ。

公開中「レ・ミゼラブル」感想

2013-02-10 21:28:26 | ラ行
昨日「レ・ミゼラブル」を映画館にて観てきました。
ミュージカル映画として興行収入1位になったということで、あとヒュー・ジャックマンが大好きということもありやっと観てくることができました。

以下、映画の感想。(ネタバレもあり)
最初から最後までクライマックスの連続。
道徳の教科書でも有名なあのシーンが開始10分くらいで登場したこともあって、観てる自分の気分も最初からクライマックス。
主人公はジャン・バルジャンなんですが、話の主軸はジャン・バルジャン→ファンテーヌ→コゼット→マリウスと移っていき、そこにバルジャンを追いかけるジャベールが絡んでくるというような印象を受けました。
どのシーンも訴えかけてくる力のあるシーンですが、特にファンテーヌが涙ながらに歌い上げるシーンは圧巻です。名シーンはたくさんあるけれども、ファンテーヌの見せ場と若者たちが蜂起するシーンは素晴らしいです。そこ単体で涙が出てきそうになります。
登場人物たちの愛と信念がぶつかり、反応しあうドラマ…これは絶対に観た方が良い作品だと思います。


気になった(というか個人的に笑いどころだった)のが、マリウスの鈍感さ。
お前どう考えてもエポニーヌが自分に好意を持ってるのわかるだろ!何故そのエポニーヌにコゼットの家を探させるんだ!
(エポニーヌ→マリウス→←コゼットという関係)
でも、自分の恋敵でもあり、昔は自分の家で召使同然に使ってたはずなのに今自分よりも裕福な生活をしているコゼット(とバルジャン)を警察に売るわけでもなく、親がコゼットの家に盗みに入るのを阻止したりと、何かと良い働きをするエポニーヌ。
むろんそれはコゼットのためではなく、マリウスが悲しむのは嫌だという思いからだったんだろうけども、登場シーンは多くはないけど心に残る存在でした。

インド映画「ロボット」を観たのです。

2013-02-02 23:36:27 | ラ行
シャンカール監督『ロボット』(原題:Enthiran、英題:The Robot)2010年

インド映画は踊りが目玉というのは知っていたけど、まだ一度も観たことはなかった。
なので、今回はたまたままとめサイトで見かけた『ロボット』を観てみました。

『ターミネーター』のシュワちゃんが踊って暴れていろいろやるイメージ。
シュワちゃんよりは身軽。体を張ったアクション多め。
あとヒロイン・サナ役の女優さんが綺麗ねー!ダンスシーンも良いし、花嫁姿も披露してくれます。民族衣装っていいよね。

最初はロボットゆえのちぐはぐさ(テレビを壊す、融通が利かない)があって、それが面白い。ロボットに感情が芽生え始めてからは、微笑ましくはあるんだけどもだんだん暴走していって…ロボット(というか機械)に感情があればそれはそれで面白いんだろうけど、実際ロボットに感情が芽生えてしまったら、人間よりも優れた能力をもつわけだから、この映画みたいなことになるのかもしれない。
それにしてもこの博士、ロボットを最初から軍事利用目的で作成するんだが、これがお国柄というものか。日本だったら平和的利用というかむしろ皆の二次嫁を実現するための道具になるな。

今回の映画がとても面白かったので、次もできればインド映画を観ようかと思います。