桑炭会 島根県伝統の炭焼き 

松江市八雲町で伝統的な八名窯を継承し炭焼き、販売をしています。
メインテーマは自然環境保全。

窯出しと窯立て

2021年02月20日 17時55分40秒 | 活動報告

2日前には結構な雪が降り真冬に逆戻りしたかと思えば、急転直下の晴

天で炭作業に差し支えるような雪を溶かしてしまった。しかし集合の時間

帯は未だ温まっておらず寄らばストーブの周りで話が弾む。

残雪の関係から外仕事中心は無理があることから内勤、つまり12日にし上

がった窯出し、窯立てをすることになった。

いつものことながら、窯出しする際の焚口壊しの時は

『本当に壊していいの?』と心配になる。

『エイ、やっ』壊して中を覗き込み奥に向かって倒れている炭の残り具合を

確認する。左右対称で残り、しかも手前まで多く残って、灰まみれになって

いないのがいい。

過去に見て記憶の中に残っている残像との比較だからいい加減ではあるが

『うん、中々な出来だ』なんて悦に入る。

総務省の重責ある人は総理の息子と何を話したか記憶にないと本気で答弁

していた。それに比して後期高齢者集団の記憶力の方が未だましなように思

える。

中に入ると若干温もりが残っているが汗が出るほどのものではない。手前の雑

木の炭は材料が悪かったこともあり柔らかく折れたものが多い。

樫の炭は固くきれいな形で残っており申し分はない。しかしその上に乗ってい

る枝木の炭は全体的に形状は悪く折れていた。前回の窯と比較するとかなり質

は悪い。樫は23袋の産出、その他との合計は約320kgだから前回とほぼ同量。

この頃、外では窯立ての準備として枝木、焚木づくりなどを行う。午前中で窯出

しを終え午後から窯立てを行い17時に火入れとなる。

これまでに備蓄してきた樫材は未だ2窯分くらいは確保してあり、シーズン終了

での日程の詰めを考える必要が出てきた。

        


炭焼2日目、焚口のトラブル

2021年02月20日 17時55分40秒 | 活動報告

早起きの当番の人が点検に出かけたら焚口トラブルを発見(内容は武士の情

けでご容赦を)幸いなことに焚木は燃え尽き更に枝木には点火していない状態

だったため明るくなってから修復をすることになった。その後、関係者に連絡が

あり8時から修理を開始する。

窯の中に火の気は見えないが内部温度は上がっているとみえて熱気を帯び

た空気が出てくる。補修を終え炭焼きの再開での3時間ほどのロスはさほどのも

のではなく、しかも点火前だったため流れが分断されても影響はない。修復直

後の温度は40度だったことから窯口で感じる熱気にも納得。

14時、70度になり本格的な調子を取り戻し夕方には点火を確認し木酢液の採

取を開始する。

昔の炭窯は木のある場所に窯を作り木が無くなると別の場所で新たに窯を作っ

ていた。窯は簡易なもので焚口は石を積み重ね、簡単な屋根にわらを乗せた

けのもので焚口や窯が壊れ小屋の焼失は珍しくなかったそうだ。

そうしてみると桑炭会の炭小屋は瓦葺きだからゴージャスなものだといえる。

                     修復完了

                13時頃

               逆光の炭小屋、17時頃