2日前には結構な雪が降り真冬に逆戻りしたかと思えば、急転直下の晴
天で炭作業に差し支えるような雪を溶かしてしまった。しかし集合の時間
帯は未だ温まっておらず寄らばストーブの周りで話が弾む。
残雪の関係から外仕事中心は無理があることから内勤、つまり12日にし上
がった窯出し、窯立てをすることになった。
いつものことながら、窯出しする際の焚口壊しの時は
『本当に壊していいの?』と心配になる。
『エイ、やっ』壊して中を覗き込み奥に向かって倒れている炭の残り具合を
確認する。左右対称で残り、しかも手前まで多く残って、灰まみれになって
いないのがいい。
過去に見て記憶の中に残っている残像との比較だからいい加減ではあるが
『うん、中々な出来だ』なんて悦に入る。
総務省の重責ある人は総理の息子と何を話したか記憶にないと本気で答弁
していた。それに比して後期高齢者集団の記憶力の方が未だましなように思
える。
中に入ると若干温もりが残っているが汗が出るほどのものではない。手前の雑
木の炭は材料が悪かったこともあり柔らかく折れたものが多い。
樫の炭は固くきれいな形で残っており申し分はない。しかしその上に乗ってい
る枝木の炭は全体的に形状は悪く折れていた。前回の窯と比較するとかなり質
は悪い。樫は23袋の産出、その他との合計は約320kgだから前回とほぼ同量。
この頃、外では窯立ての準備として枝木、焚木づくりなどを行う。午前中で窯出
しを終え午後から窯立てを行い17時に火入れとなる。
これまでに備蓄してきた樫材は未だ2窯分くらいは確保してあり、シーズン終了
までの日程の詰めを考える必要が出てきた。