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 本は私の人生の友・・・

『 拳の先 』

2016年03月21日 | 
著者 角田光代

新聞に連載(2014年3月~2015年4月)されていたものを単行本化。
『空の拳』の続編のようですが、『空の拳』の方は未読なので
これから読んでみたいと思います。
読む順序が逆になってしまいましたが、『空の拳』を読んでいなくても
とっても面白く読めました。オススメです。

主人公は気の弱そうな(優しい)文芸編集者ですが、
以前、ボクシング雑誌に配属されていて、
ボクシングを理解するためにボクシングジムに入会していたこともあります。
文芸編集者として忙しい日々を過ごし、ボクシングジムからも遠ざかっていましたが、
あるきっかけで再びボクシングとの距離を縮めることになります。
ボクシング選手の恐怖と不安の先には何があるのか・・・。
主人公が自分の子どもの頃に似ていると思う、ボクシングジムに通う小学生は、
学校で壮絶なイジメを受けている・・・

>「もし そこに、自分の場所がないなって思ったら、
ほかへ いったって いいんだよ。
もっと おもしろそうなところがあれば、
そこにいくのは ぜんぜん悪いことじゃない。
それを、逃げるって言う人もいるかもな。
でもさ、言いかたを変えれば、見つけに いくってことでもあるだろ?
自分がいられて、おもしろいって思える場所を見つけに いく。
そう考えたら、あんまし ずるい気もしなくなるんじゃない?」

沢木耕太郎の『一瞬の夏』に感動し、
百田尚樹の『ボックス!』が とっても面白かったので、
もうボクシング小説は読まなくても いいかなと思っていましたが、
『拳の先』、とっても良かったです! 
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