涅槃は熱病の夜明けに白む
蒼白い月の光のやうだ
憂鬱なる 憂鬱なる あまりにも憂鬱なる 哀傷の雲間にうつる
巨大な美しい蓮華の花か ふしぎ幻想のまらりあ熱か
かの神秘なるひとつのいめえじ
美しき死への誘惑
しれらはなまめかしい救世の情緒は
春の夜に聴く笛のやうだ
花盛りなる菩提樹のした 密林の影のふかいところで
涅槃 萩原朔太郎
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