将来は、カウンセラーを目指そうかと資格等について確認してみた。いくつかの基準があるようなので、現在の経験でもなんとかなるかも、可能性をありで気持ちを明るくした。
4月からの勤務校の頑張りを認めてもらえるようなお話をいただき、うれしい。報われた気分になる。やれば、見ててくれる人がいるということ。よかった。
子供の都合に合わせて、力を尽くすことが大人の都合にもよいというのがいい。時々、大人の都合で子供を振り回すことがあるからね。いつでも子供主体で考えなきゃね。
何か始めようとすると、何もしようとしない人があれこれ言ってきて、足元をすくおうとする。腹が立つけど、あれこれを素直に聞いて、「ありがとうございます」。あれこれ対策を行うことによって、新しい企画がよりよくなった。これでいい。残念ですが、あれこれ言った人とは、「さようなら」。
がんばりましょ!
5話目です。遥希と広人の対決。思い出のゲームを南先生が語ります。
十一月三日、初雪の便りも聞こえてくる。舞鳥の海も白く冬色の波を立てている。
それでも、午後一時のグランドは青空が広がり、六年生の最後の試合、そして、遥希と広人の対決にふさわしい小春日和となった。
「おねがいしまーす」
空まで響く声で試合が始まる。しかし、がっかりしたのは、向こうの監督だ。守備に散らばっていく九人の中に広人の姿はなかった。
寿ファイターズは、この地区では強豪チームで、少年野球の南北海道大会の常連だった。我が弱小舞鳥シーガルは、現在、九連敗中だった。
六年生最後の試合、さらには、格下チームに負ける訳にはいかないという気持ちはわからないでもないが、広人を出さないのは、この試合の意味を理解していないとしか言いようがない。こうなるなら、事前にしっかり寿の監督に告げておくべきだったと後悔していた。
先攻はシーガル、一番バッターは信吾。
俺もこの子たちとやる最後の試合だから、監督らしいところを見せなければ、あれこれ考えて昨晩は眠れなかった。その上、保護者はもちろん、舞鳥の野球好きの人たちがたくさん応援に来てくれていた。そして、
「今日も、かっこよく頼むぞ」と声をかけられた。
昨日から、決めていたとおり、脚の速い信吾にはバントのサインを送る。
「ズズチャ、ズズチャ、ゴーゴーゴー信吾!」
「ズズチャ、ズズチャ、ゴーゴーゴー信吾!」
信吾は、バットを短く持ってコンパクトな構えから、さっとバントに切り替え、自分に向かってくるボールにバットを合わせた。
ボールは三塁に続くライン上を力なく転がっていく。
投げてもギリギリ、そして、ファールとなる判断した三塁手はボールの動きを待った。するとボールはそのまま線上で転がるのを止めてしまった。それから、慌てて、ファーストの送球したものだから、大暴投となり、気が付いた時には、信吾は二塁上でガッツポーズをとっていた。二番の淳平は送りバントで、ワンアウト三塁となった。
初回から先制のチャンスがやってきた。三番は遥希。おれは、
「最後の試合だ、思い切っていけ!」と心の中で叫びながら、「打て!」のサイン。
初球は、遥希の打ちたいという強い気持ちを殺ぐような大きくはずれたボールだった。そして、二球目。再び、
「打て!」
とサインを出す。
しかし、遥希は指示と違う行動にでる。
バントだった。ボールはピッチャー前に転がり、思いっ切りダッシュしてボールを拾い、バックホームするも、信吾の脚が一歩早かった。
「遥希、いいぞ!」
「信吾、さすが速いぞ!」
応援席から歓声が上がる。
その後、気持ちを切り替えたピッチャーから、四、五番が三振に切って取られ、一点のまま、最初の回は終了した。
多少、サインを無視した遥希のバッティングが気にはなったが、常にポジティブなおれだから、結果に満足だった。