熊本に戻ってきました。
石垣観音寺のハルサザンカを見終わり、さて、どうしたものかと考えました。
明後日、14日の18時から博多で同窓会があります。
私のことですから、同窓会では相当飲むことになるでしょう。
その後のスケジュールは自分でも予測が付きません。
福岡市内にある幾つかの梅園は、二日酔いでも訪ねることができますから、残しておく方が良いだろうと思えました。
色々迷ったのですが、結局一番南に残った熊本から順に、福岡から遠い場所を塗りつぶしてゆくことにしました。
高速道路を使い、熊本城の入門時間に間に合うように熊本市内を目指しました。
熊本城のパーキングに車を置いて、城内へ入ったのは16時を過ぎていました。
城内に「熊本城肥後名花園ご案内」の掲示がありました。
熊本の旧国名である肥後では、江戸時代の延享4年(1747年)に「肥後の鳳凰」と称された名君の細川 重賢が、武士のたしなみとして推奨した、肥後六花(菊、椿、山茶花、花菖蒲、朝顔、芍薬)を保存展示しています。
細川 重賢は多くの借財を抱える肥後藩の財政を改善し、橋、用水路、新田開発を行い、家臣や領民、藩外へも門戸を開いた藩校時習館を設立し、日本最初の医学校再春館を創設しています。
また、重賢は蘭学に傾倒し、蘭癖大名と称されたそうです。
同じように貧乏藩を立て直した、米沢の上杉鷹山とイメージが重なります。
熊本城は1591年に領主となった加藤清正が1591年から城を築き始め、1606年に完成しています。
明治10年(1877)の西南戦争時に原因不明の出火で天守閣などが焼失しましたが、平成19年(2007)築城400年に際して復元工事が行なわれました。
熊本には何度か来ていますが、何時も素通りすることが多く、熊本城を訪ねたことはありませんでした。
しかし、神代植物園などで肥後サザンカなどを目にするうちに、熊本という街に興味が湧いてきました。
全国に個性を持つ都市は幾つかありますが、私が滞在したことのない街の一つとして、熊本は以前から気になっていました。
と言えば聞こえは良いのですが、早い話、この街で一度酒を呑んでみたいということです。
酒飲みの悪い癖かもしれません。
陽の明るい内に名所旧跡を訪ねても、その街を見た気にはなれないのです。
城内にある梅園には約130本の梅が植栽されていますが、他の梅園同様に時期が早すぎました。
天守閣にも登って市内を見下ろしてみました。
姫路城、名古屋城、熊本城の三名城の一つと言われるだけのことはあって、なかなか見事なものでした。
4年前に定年退職となる前から、休日に全国へ車をはしらせて花の写真を撮ってきました。
しかし花は気まぐれで、年によって開花期が異なります。
また、突然仕事が入ることも多く、前もってスケジュールを立てて、宿を予約することはなかなかできませんでした。
そこで、ホームページを立ち上げ、前もって全国の花の名所を調べ上げ、仕事が入らなかった休日前夜、自宅へ帰ってから、車にカメラと寝袋を積み込み、夜のうちに花咲く場所へ駆けつけるという方法を編み出したのです。
そのようなことを続けるうち、訪問した街のコインパーキングに車を駐め、居酒屋で地酒を楽しむ というスキルを編み出しました。
この方法であれば、ポケットマネー程度でガソリンとアルコール代が賄え、気兼ねなく花を楽しむことができます。
熊本の繁華街は市役所から辛島町方面へ向かう銀杏通り、栄通りを中心に広がっていました。
人生60有余年の勘を頼りに、一件の居酒屋に入ってゆきます。
最初は日本酒をと思ったのですが、郷に入れば郷に従えと、焼酎を頼むことにしました。
そして、このような場合、私はその土地でしか見れないメニューを必ず注文することにしています。
熊本といえば辛子蓮根です。
私は辛子蓮根の天ぷらを初めて食しました。
ん~! 焼酎にぴったりです。
※ 他の記事へは index をご利用頂くと便利です。
九州の梅を訪ねて 花の旅 index 1
他の花の旅 旅の目次