次に、大牟田の柳川へ向かいました。
柳川に着くと最初に、藩主立花家の邸宅であった、「御花」という施設に行ってみました。
明治43年に立花家の迎賓館として建てられた、白い鹿鳴館様式の流れをくむ建物が華麗でした。
この建物は現在、結婚式場として利用されています。
すぐ近くに食事処があり、ショーケースに蝋細工のメニューが陳列されて、広々としたテーブル席に次々と観光客が入って行きます。
まるで、デパートの食堂みたいでした。
そして柳川と言えば、何と言っても柳川鍋です。
運河沿いを歩いて、居並ぶ料理屋を物色しました。
幾つかの店を窺い、川下り乗下船場近くの「福柳」という鰻屋へ入ることにしました。
後で調べると、この店は江戸時代中期から150年程も続く老舗のようです。
店内へ入ると、重厚な木造りの帳場があり、その先へ通路が長く伸びていました。
左手に二席の小上がりがあります。
その先に、吊るし雛を飾るスペースが続き、
右手に中庭を見る椅子席が設えてありました。
更にその通路の先に、ガラス戸で仕切られた部屋が見えます。
そして引き戸を開けて中へ入ると、見事に和洋が調和した「南風のまほら館」と名付けられた部屋に通されました。
高い天井にステンドグラスの窓が嵌り、石造りの暖炉が据えていました。
明治初期の頃の、文明開化を彷彿とするような、豊かな地方文化の香が漂います。
メニューは鰻が中心ですが、私は当然柳川鍋を注文しました。
オーダーを取りにきたお嬢さんが、「柳川鍋はドジョウですが」、と親切に教えてくれました。
「ええ、結構です」と答え、「こちらでは、昔から柳川鍋を出されているのですか?」と聞くと、ちょっと小首を傾げながら、「ええ・・」と戸惑ったような表情でした。
あれま~ と思いました。
アルバイトの方で、メニューに関する知識がないのかなと思いました。
更に、「むつごろう」の煮物を追加注文しました。
何しろ、こんなに有名な「むつごろう」を、私は今まで一度も食べたことがなかったのです。
柳川鍋は、ちょっと甘めで、熱々フウフウのほっこりしたドジョウ鍋の、すこぶる結構な味が、深く深く記憶に刻まれたことでした。
一方で「むつごろう」さんは、
ん~・・・、 醤油で煮込んだ、煮物の味しかしませんでした。
ところで、このブログを書くに当って、ネットで「柳川鍋」を検索してみますと!
「柳川鍋(やながわなべ)は、ドジョウを使った江戸生まれの鍋料理。
どぜう鍋と同じくドジョウの鍋料理であるが、開いたドジョウを予め割下で煮こみ卵とじにしている点で一般的などぜう鍋と区別されることが多い。」
ひぇ ~ !! 柳川鍋は柳川発祥ではなかったんだ!
うっちゃられた~~~
ちなみに、「ドジョウの鍋料理は、まず、文化元年(1804年)に浅草駒形で越後屋がドジョウを開かずにそのまま使った鍋料理を創始したとされ」だそうです。
以上、お粗末サンタ、参ったサンタでした。
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