日暮里駅を出発して16分後、電車は千葉県に入って最初の松戸駅に停車しました。
松戸市は、千葉県内では千葉市、船橋市に次いで3番目に人口の多い街ですが、多くの人々が東京都区部に通勤する千葉都民だそうです。
日暮里から電車で16分の距離ならば、そうなるのは当然かもしれません。
松戸駅を出てしばらく走ると、見覚えのある電車が並走しました。
この電車を見た時以降、これは何だろうと気になっていました。
今回記事を書くに当たって調べてみると、この辺りの常磐線は複々線化されており、茨城県の取手以北に直通する「常磐快速線」と北千住・取手間の各駅に停車する「常磐緩行線」が並走します。
その「常磐緩行線」に地下鉄千代田線が、乗り入れていることが分かったのです。
つまり、御茶ノ水と三鷹間で中央線に並走する中央・総武線に地下鉄東西線が乗り入れているようなものです。
ということが分かり、私は今回、宿便が解消されたような、すっきり気分を味わうことができました。
そして電車は千葉県内を19分で走り抜け、日暮里を出発してからほぼ30分後、利根川を渡って茨城県に入りました。
茨城県に入るとすぐ、電車は取手駅に停車しました。
その取手駅の、ホームの柱の駅名写真はピンボケですが、隣のホームに停車しているのは、あの「常磐緩行線」の電車です。
この写真を見て、私は改めて、「常磐緩行線」の存在を知ったことで、ちょっと嬉しくなっています。
旅とはそんなものです。
見知らぬ土地の未知なるもの、初めて目にする異国や異郷の些細な光景が旅人の心を刺激するのです。
取手駅を出ると電車は緑の中を走り始めました。
今までの景色と異なる、目に優しい景色が車窓に広がりました。
前回の18きっぷの旅も、埼玉県の上尾を過ぎた辺りから電車の周囲に緑が広がった記憶があります。
取手も上尾も、どちらも上野駅から普通電車で40分ほどの距離にあります。
こんなふうに平凡な田園風景の中にも、人々の営みに関わる法則が潜んでいます。
それにつけても、本当に心休まる風景です。
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