電車が土浦駅を出ると、右側の窓にレンコン畑が広がりました。
茨城県はレンコン生産量が全国の50%程を占め、その殆どが霞ヶ浦周辺で生産されます。
レンコンはハスの地下茎が肥大したものですが、時々ハスとスイレンを混同する方が居られます。
ハスは泥田の中から1m以上も花茎を伸ばして花を咲かせ、スイレンは水面より少し高い位置に花を咲かせます。
ハス(レンコン)の花は7月中旬~8月中旬頃の午前中に花を咲かせるので、その時間帯にここを通れば、ハスの花咲くレンコン畑を眺めることができる筈です。
土浦を出て10分程で恋瀬川を渡りました。
恋瀬川とはずいぶん粋な名前ですが「鯉が遊泳する瀬の見える川」の鯉瀬川が名の由来と説明されます。
こんな名の川を演歌歌手がほっておくはずもなく、矢代亜紀さんが1997年に「恋瀬川」をリリースしています。興味のある方は是非検索してみて下さい。
電車は関東平野の北東に位置する茨城県県庁所在地の水戸を目指し、高浜、石岡などの駅で停発車を繰り返しました。
そして日暮里駅を発車してから1時間44分後の6時58分に、普通電車は水戸駅に到着しました。
乗ってきた電車は次の勝田まで行きますが、私は乗り継ぐ電車が水戸始発なので、水戸駅で乗り換えました。
日暮里から乗ってきた普通電車が出発した3分後に、いわき行きの電車が発車しました。
電車は直ぐに那珂川を渡ります。
那珂川は栃木県の那須岳山麓を源とする一級河川で、天然アユの遡上日本一を誇る清流です。
もうニ十年以上前のことですが、郡山の三春桜を訪ねた帰路に、車で那珂川沿いの国道234号線をはしりました。
古い家並が続く街を、名ばかりの国道が縫うようにはしり、時々目にしたヤナの記憶が蘇ります。
三春滝桜 天然記念物 2001年4月
しかしその一方、那珂川で思い起こすのが、令和元年(2019年)の台風19号による堤防決壊です。
テレビニュースで報じられた画面では、雨が止んだ翌日、上流域の水を集めた那珂川が下流域の堤防を破ったのです。
多くの人々が、二階の窓や屋根の上からヘリコプターで救助された光景は忘れられません。
水戸駅を出た電車は勝田、佐和、東海と順調に距離を伸ばしてゆきます。
窓の外に長閑な田園風景が広がりました。
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