いわき駅の北口でエリアマップを眺めた後、今度は駅の南口へ足を向けました。
連絡橋を抜けた南口に、ペデストリアンデッキと称する、高架型の遊歩道が広がり、デッキの下から駅前大通りが南へ伸びます。
右手に「ラトブ」と名付けられた複合商業施設が見えます。下層階が商業施設、4階は図書館、その上に商工会議所やオフィスだそうです。
デッキ上から西を望むと、それほど遠くない場所に阿武隈高地の連なりが見えます。
地上に降りて、「ラトブ」の裏手を散策すると、やき鳥屋などの飲食店が石畳の路地に軒を連ねていました。
駅の周囲にコンビニやホテルが建ちますが、平日朝の通勤時間帯なのに、交通量は以外な程に少なく、いわき市の人口が32万で、福島県内最大であるにしては、郡山や福島に比べ、駅周辺の規模が小さい気がします。
震災後に道路網が充実し、街は郊外型に変化したかもしれません。
いわき駅を出た原ノ町行き普通電車は、緑の田を眺めながら北へ向かいました。
5分後に、電車は草野という駅に停まりました。
私は海が見たくて右側の席に座りましたが、左側の線路に懐かしい感じの電車が見えたので、急いで左窓に移動してシャッターを押しました。
ひと昔前、新潟や長野を走っていた特急電車によく似ています。草野駅には留置線があるので、車両を何処かへ輸送する途中かもしれません。
電車は草野の次に四ツ倉に停車しました。
常磐線はここから先、広野駅-木戸駅間を除いて、単線区間となります。
四ツ倉駅を出て間もなく、電車は海を見る景色の中を走り始めました。
海に突き出た丘の先に、小さな岩礁の弁天島が見えます。
弁財天を祀る島に朱塗りの橋が架かり、神秘的な朝日が昇るサンライズスポットとして名が知られます。
次の久ノ浜駅を出た電車は末続(すえつぎ)駅に停まりました。
駅の周囲に数軒の民家、その奥に白い波の騒ぐ海岸が見えます。
末続地区には小学校がなく、子供達は隣の久ノ浜駅へ列車通学していますが、2011年の大震災で、駅周囲の民家が被害にあい、常磐線は半年以上も不通となりました。
末続駅を出ると電車は夕筋海岸沿いを走りました。
白い波の帯が青い海の彼方へ続いています。
この辺りの海底地形は、傾斜が均一かもしれません。
線路は海岸線を蛇行しながら北へ向かいます。
川が海に注ぐ場所では、屋根の高さ程に築かれた防波堤が田と海を隔てていました。
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