原ノ町行きの普通電車が広野駅に停まると、津波の被害を受けた駅の東側に、新しいテナントビルとホテルが見えます。
駅西側の高台には、新しい県立中高一貫校が2019年に開校しています。
2011年の大震災からの復興は確実に進んでいるようです。
広野駅から数分程も進むと、右手に高圧線が見えてきました。
私はこれが東海原子力発電所かと思ったのですが、一般的な広野発電所という火力発電所だそうです。
程なく電車は J ヴィレッジという駅に停車しました。
初めて目にする駅名ですが、この駅に隣接する、日本初のサッカー向けナショナルトレーニングセンターの利便性向上を目指し、2019年4月に開設されたそうです。
J ヴィレッジ駅を出て、田んぼが広がる光景を眺めていると、電車は木戸という駅に停まりましたが、
その駅の横にお城のようなものが見えました。
座っている席から遠く、かろうじてシャッターを押しました。
検索すると、以下のページがヒットしました。
JR木戸駅上りホームにお城のオブジェがあるのをご存じですか?
【こころ、つなぐ、ならは (ameblo.jp)】
昭和42年に当時の木戸駅長が建立したものだそうです。
駅長という仕事に私利私欲なく働き、「郷土の為になることを」と汗を流した駅長さんにエールを送りたい。
電車が木戸駅を出ると木戸川を渡りました。
河原は濃い緑の草で覆われ、瀬を流れる水が細波を輝かせます。
兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川・・・
の歌詞を思い出しました。
この作詞者の高野辰之の故郷は長野県中野市ですが、私が子供の頃は、日本中の何処へ行っても目にした光景です。
電車はその先で竜田駅に停車しました。
竜田駅は福島県楢葉町役場に最も近い駅です。
この辺りの人々は、2011年の大震災後に4年間も全町避難を余儀なくされました。
現在の駅舎は2020年12月に共用が開始されたそうです。
次の富岡駅は津波によって駅舎が流失し、福島第一原発の事故で2017年10月に運行が再開されるまで、鉄道駅としての機能を失いました。
そして現在も、富岡駅の海側は更地状態です。
しかし、電車が動き始めると、駅東口の空き地に、何か耕作地のようなものが見えました。
この場所をグーグルマップで確認すると、「とみおかワインドメーヌ駅東圃場」と記されています。
「とみおかワインドメーヌ」は原発事故で被災した富岡町で、ワインを核とした新しいまちつくりを目指す人達の取り組みです。
とみおかワイン葡萄栽培クラブは、苗植え、除草作業などへのボランティア、企業CSR活動を募集しているそうです。
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