仙台行きの普通電車に乗り換えて、10時51分に原ノ町駅を出発しました。
原ノ町駅を出てから二つ目の日立木(にったき)駅に電車が停まると、
駅の外に「日立木牧場」の看板を掲げた廃屋が見えました。
壁に「馬具注文お受けします」の看板が掲げられています。
電車は既に、野馬追で有名な相馬地方に入ったようです。
電車が次の相馬駅へと進む車窓に稲穂が広がり、遠くに福島と宮城の県境に連なる峰々が見えていました。
電車は相馬駅、駒ケ根駅を経て、福島県最北の駅となる新地駅に停車しました。
2011年3月11日の東北大震災発生時、新地駅には上り普通列車が停車中でした。
そして大津波が駅と列車を襲い、駅はホームと跨線橋を残して壊滅、列車は約40人の乗客もろとも数十メートルも流されて大破しました。
幸いなことに、乗客は高台へ避難し、全員が無事だったそうです。
俄かには信じがたい話です。
福島と宮城の県境を越え、電車は黄金色に色付き始めた稲穂を眺めながら走り続けました。
そして常磐線で宮城県最南端の、坂元駅に停車しました。
坂元駅は現在、高架橋上に設けられていますが、被災前は現在地より1kmほど海寄りの場所にあったそうです。
ネット検索で、津波の被害を受けた坂元駅の写真を見つけました。
津波の威力を実感します。
電車は、山下駅、浜吉田駅を経て亘理駅(わたりえき)に停車しました。
亘理という町に想い出があります。
私は東北大震災が起きた前年の2010年夏に、東北でハスの名所を巡る旅をしました。
その時に亘理町を訪ね、全国のハスの名所を紹介するホームページで亘理町の称名寺を紹介しています。
今日現在その元ページは、何者かによって損傷を受けたままですが、暇な時にでも修復を図りたい思います。
そして電車は阿武隈川を渡り、
常磐線の終着駅となる、岩沼駅に到着しました。
電車が到着した2番線ホームは常磐線ですが、その反対側の3番線は東北本線と記されています。
そして私が乗る電車はこの先、当駅から仙台駅まで東北本線を走ることになります。
ところで、東北本線は本線なのに、これ程に長い常磐線が本線ではないことに疑問を持ったので調べてみました。
その理由を一言で説明すると、常磐線は国鉄時代に、東北本線の支線扱いだったからだそうです。
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