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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第504回(2024年10月21日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
山陰海岸ジオパーク 神鍋山 登山ツアー / 勝手に神鍋遺産
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今年から、山陰海岸ジオパークのガイドに登録され、神鍋山などを5回ガイドしました。
その中で、最後の2回でガイドの合間に撮った写真と、
追加で撮影した写真で、
山陰海岸ジオパークの魅力の一つの、神鍋山の登山の魅力をお伝えしたいと思います。
■出発地点 道の駅 神鍋高原
神鍋山は標高469mで麓からの標高は110mほどです。
だから、簡単に登れてしまいます。
道の駅 神鍋高原
道の駅の北側にあるこの看板からスタート
看板の前を進み、左に折れて、山を登っていきます。
■神鍋山が見えてきました
神鍋山スキー場の景色の一部で、神鍋山の景色の一部です。
道が行き止まりになると、そこから左に折れてジグザクの山道ですが、
斜度はそれほどない山道を登ります。
■曲がりくねった途中の登山路(赤線)。1kmくらいあります。
こちらは、登山道から見た、蘓武岳(1000m以上あります)・
万場方面の写真(だと思います)。
■神鍋山火口に到着
説明看板です。
約2万年前にできた、近畿で唯一火口の残る火山(現在は死火山)です。
直径は約250m、周囲約750m、深さ約60mです。
火口をのぞき込もうとすると・・・、高所恐怖症の私には厳しいですね。
■火口を時計回りに回ります
右端の一本松の方向に溶岩が流れ出したようです。
■火口を約3/4周して、別名「どこでもドア」に到着。
正式名称は、「天空のとびら」だったような・・・
■巨大ブランコもあります。
■ここらあたりからは軽快な下りです。
一本松と、その先に神鍋スキー発祥の碑があります。
一本松からの眺めはとても素敵ですよ。ぜひ一度登ってください。
ちなみに、一本松の上の山はブリ山という火山でした。
あ!忘れていました。秋の朝の早い時間は、運が良ければ雲海が見れます。
■帰り道は軽快です。
かなりの傾斜です。ここをスキーで滑ります。
先ほどのジグザグの山道のスタート地点まで戻ってきました。
スキーリフトが遠くに見えています。
■そして、道の駅にかえってきました。
井上直久
井上直久
シイタケが出ていないかなと探していると、
お菓子のマフィンそっくりのキノコを見つけました。
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第503回(2024年10月21日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
経営の力と伴走支援 / 角野然生 / 経営の本棚(2)
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1.はじめに
最近、伴走支援関係の小冊子を作ることになり、「伴走支援」について勉強しています。
従来の伴走支援は、経営者と支援者が登場人物で、課題を支援者が中心となり決めて、対策を支援者が提案して、課題解決を共同で進めるという状態でした。
この本では新しい伴走支援について書かれています。新しい伴走支援は、経営者と支援者が話し合いをしたうえで真の課題を選定し、経営者が腹落ちしたうえで、改善を主体的に進めることになります。
この本は、新しいタイプの伴走支援について書かれたものです。
2.目次
はじめに
第1章 復興の現場から
第2章 対話と傾聴
第3章 潜在力を引き出すメカニズム
第4章 伴走支援の全国展開
第5章 地域再生と伴走支援
第6章 企業と人の潜在力を引き出す社会
あとがき
3.伴走支援の8つのプロセス
従来の伴走支援とは異なる、新しい伴走支援について、8つのプロセスが108pに記載してあります。新しい伴走支援の8つのプロセスを書き出してみますと、以下になります。
①会社の状況把握
②信頼関係の構築
③対話と傾聴
④敬意、共感と問いかけ
⑤裏課題の把握と従業員の巻き込み
⑥変曲点ー気づきと腹落ち
⑦内発的動機付けと「潜在力」の引き出し
⑧自己変革と自走
また、経営力再構築伴走支援モデルを図に表したものが123pに記載されており、わかりやすいので参照ください。
4.ポイント
いつものようにポイント(キーワード)を整理して記載したいと思います。
抽出したポイントは4つ、対話と傾聴、裏課題、腹落ち、潜在力になります。以下にそれぞれのポイントについて記載します。
対話と傾聴:対話と傾聴に関する構成要素としては、対話、(心からの)傾聴、共感、問いかけ、提案などがあり、経営者と伴走者の信頼の醸成が目的となり、成果としては経営者の気づきや腹落ちに繋がるようにしなければいけない。また、経営者と伴走者の対話の概念図が85pに記載されており、「具体と抽象の往来の中で、経営者が自己を客観化し、内省の質を上げ、新たな自己発見に導ていくプロセスこそ「対話と傾聴」の本質」との記載が有ります。
裏課題:裏課題に対する言葉は表課題になります。表課題は、伴走支援の最初に上がってくる課題になります。例えば「人が足りない」「新しい工場を建てたい」などです。しかし、対話と傾聴を重ね、伴走支援が進むにつれて本質的な課題、これが裏課題ですが、見えてきます。74pには、「裏課題は、経営者自身が気がづかなかったか、漠然と課題だと気づいてはいても向きあってこなかったものが多い印象です。」との記載があります。
腹落ち:このキーワードはなかなか難しいです。本の中にも明確な記載のようなものは無いように思われます。しかし、気づきだけではだめで腹落ちまで進まないと、それ以降の行動の活発化や行動の変容に繋がらないし、最終的な成果の大きさが変わってきます。個人的な意見としては、本質的な課題を解決するぞという強い決心と言えるのではないでしょうか。
潜在力:3pにこんな記載が有ります。「経営者の方々が、より本質的な経営課題に気づき、納得し、主体性を持って自己改革に取り組み始めたのです。そして、社員にもその動きが伝わったとき、企業組織が持っている潜在的な力(潜在力)が発揮されるようになっていきました。」。潜在力は、経営者だけでなく、従業員を含めた、組織自体が潜在的に持つ力と言えるかと思います。詳しくは記載しませんが、潜在力を閉じ込めるものとして3点の指摘が75pにあります。
8つの各プロセスに対して上記の言葉がどのプロセスで出てきて、その言葉がキーワードになることを確認いただけたらと思います。
5.おわりに
新しいタイプの伴走支援について書かせていただきました。まだ世の中に普及していない伴走支援ですが、今後の日本の活性化などの為にも、ぜひ普及させることが必要な伴走支援と考えます。
なお、この新しいタイプの伴走支援につきましては、「経営力再構築伴走支援ガイドライン」が中小企業庁から出ています。
井上直久
データ
著者 :角野然生(かどのなりお)・・中小企業庁の長官をされていました
出版社 :光文社
出版年 :2024年
ページ数:234p
定価 :本体860円+税
外観
散歩道にて。だいぶ前に撮影したと思います。
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第498回(2024年7月15日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
風船会計 / 松本めぐみ / 経営の本棚(2)
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はじめに
今回は財務の本をご紹介したいと思います。
財務はなかなかわかりずらいという印象を持っておられる方が多く、
私もその一人です。
過去にも、「ものづくり・経営改善 財務」の中で、
人事が書いた経理の本
財務3表一体分析法
財務3表一体理解法
等をご紹介していますが、どの本も「分かりやすく」「使いやすく」を目指しているように思います。
今回ご紹介する松本めぐみ様の風船会計の本も「分かりやすく」「使いやすく」を中心に置かれていると思います。
松本様は、結婚された関係で製造業の会社の取締役になり会計担当になったが、
会計がわからないので一から勉強をされ、
会社従業員にわかりやすく使いやすいたとえを用いた会計・財務の説明をされています。
正式は本の名前は、「知識ゼロでも分かる 風船会計メソッド」です。
また、本の帯には「数字が苦手な人でも理解できる!会計をビジュアル化」とあります。
目次
いつものように目次を書き出します。
0章 会計を俯瞰で見る「風船会計メソッド」【入門】
1章 貸借対照表と豚の貯金箱【貸借対照表】
2章 現金とお化け【運転資金】
3章 損益計算書と風船【損益計算書】
4章 キャッシュ・フロー計算書と豚の顔【キャッシュ・フロー計算書】
5章 会計と風船会計メソッド【まとめ】
ポイント
ポイントはやはり、会計・財務関係のいろいろなものを、ユニークなものに例えられている点と思います。ここでは、例えられたものが何なのか想像いただいて、実際に本を読んでいただけたらと思います。
豚の貯金箱
お化け
ラッキー・アイテム
風船
気球
豚の顔
それ以外にも、
3匹の子豚のカフェ
子豚のスタイル
豚レンジャー
等の楽しいお話も出てきます。
データ
著者 :松本めぐみ
出版社 :幻冬舎
出版年 :2023年
ページ数:110p
定価 :本体1500円+税
外観
井上直久
タチアオイの花。神鍋高原にて。目に染みるような赤です。
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第496回(2024年6月17日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
1年で結果を出す経営改善のツボ / 野村宜功 丸山直明 / 経営の本棚(2)
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1.はじめに
久しぶりの「経営の本棚」での投稿になります。
京都の診断協会の事業承継研究会でご一緒させていただいている、丸山直明が本を出されています。「ツボ」と「1年で」というキーワードが入ったタイトルが興味が沸き、興味深く読ませていただきました。
結果として、そのとおりですねという点が多く、皆さんのご参考になる点が多いと思い、ご紹介させていただきます。
2.目次
いつものように、他の本と同様に、目次から入ります。
第1章 お金と時間をかけても結果が出ない
経営改善が頓挫する理由
第2章 急所をつけば一気に変わる!
経営改善には「ツボ」がある
第3章 ツボを押さえた対策を講じれば企業経営は
1年で立て直せる
3.ポイント
読ませていただいて、ご経験からくる中小企業の経営改善のポイントを的確に抽出し書かれているように思われます。ポイントとしていつものように3つに絞らせていただきました。
ひとつ目のポイントは、経営改善の内容を探すときに、便宜的に分けたととのことですが6つのジャンルに分けておられます。①社長、②戦略・ビジネスモデル、③経営管理・マネジメント、④人と組織、⑤営業、⑥財務。この6つの分野に、全部で35項目のツボが書かれています。30pのツボ探しのチェックリストを使い各項目が該当するか否かを明らかにすることで、自社の問題点のありかを明確化できます。
さらに各項目にはA、B、Cの優先順位が付けられていて、優先的に取り組むべきものが明らかになります。
ポイントの2つ目として挙げたいのは、「大企業とは勝手が違う「中小企業の経営改善」」でしょうか。14p。中小企業であるだけに、経営改善の成果が出にくい点がある点は認識しておくことが必要と思われます。
ポイントの3つ目として挙げたいのは、記載されているいくつかのツールです。私が知らなかったために気になります。1つ目のツールが「年計グラフ」(114p)です。月次単位で過去1年間の売上を集計して、その推移をグラフにすることで純粋に売上高の上昇や下降のトレンドを知ることができます。2つ目のツールが(というより、やり方に近いですが)、営業関係のプロセスを顧客のリストアップ→訪問→情報収集→提案→クロージング→受注と分けて、それぞれのステップで行うべきことや注意すべきことが違いますので。153p。収集すべき情報や整理すべき情報や営業ノウハウについてのまとめ表(いわいるツール)は162pや164pにフォーマットの記載が有ります。
4.最後に
読ませていただいて、いくつかの気付きを得ました。皆さんも読まれれば必ずいくつかの気付きを得られる本であると思いますので、ご一読をお勧めします。
データ
著者 :野村宜功 丸山直明
出版社 :幻冬舎
出版年 :2018年
ページ数:226p
定価 :本体1500円+税
外観
石清水八幡宮への道のお家の玄関にて
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第494回(2024年5月20日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
金融機関が行う私的整理による事業再生の実務:日本政策金融公庫 / ものづくり・工場改善 事業再生
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1.はじめに
今回の記事が「事業再生」シリーズの5回目の記事になります。私的整理による「事業再生」に係る人・組織を整理してみると、①経営者、②事業再生支援者、③金融機関に主に分かれます。3回目の記事の洲山先生は経営者出身、1回目の記事の植田先生と2回目の記事の三枝先生はコンサルタント出身、4回目の記事の八木先生は金融機関出身になります。「事業再生」を果たすためにはいくつもの課題がありますが、最初の大きな課題は金融機関に事業再生計画書を納得いただき、債権放棄などを実施してもらうことです。なぜなら、債権放棄をすれば金融機関の利益が減るのでなかなか同意いただけません。しかしなぜ同意いただけるかというと、債権放棄をせず企業を倒産させて債権を回収できない場合と、債権を(一部)放棄して企業を存続させ業績を回復させることで回収額を増やせる場合を比較した場合、最終的には回収額を増やせるほうが損出が少なくなります。結局は、事業再生計画にどれくらいの信頼性・確実性があるかが判断の分かれ目になります。この点にについて私はなかなか理解が進みませんでした。最終的に融資した金額のどれだけが戻ってくるかの判断になります。
今回の記事は金融機関が書かれた「事業再生」の本で、お読みいただけるとなぜ金融機関が債権放棄等に応じる場合があるのかが理解いただけると思います。
2.目次
Part1 抜本的な再生支援における金融機関の役割と支援のポイント
Part2 事業再生の基礎知識(Q&A)
第1章 事業再生と私的整理についての基礎知識
第2章 私的整理による事業再生における主な金融支援手法
第3章 金融機関による事業再生支援の流れと再生計画書の検討
Part3 私的整理による事業再生事例
3.ポイント
ポイントの1つ目は、金融機関が行う金融支援方法としてはどんなものがあるかです。Part2第2章(61p~125p)に記載が有ります。項目だけを列挙します。
第二会社
DES
不等価譲渡
DDS
再建放棄
新規融資
ポイントの二つ目は破綻寸前の企業を分析する場合の分析点です。(この点については、金融機関が行う経営改善支援マニュアルの第Ⅳ章経営改善支援の実務Step2ー根本原因/真因の究明(53p~117p)からの記載になります。著者は同じ日本政策金融公庫系の方になります。分析をツリー状に記載すると以下のようになります。
分析・・・・・財務分析
・
・・・定量的な企業活動分析・・・財務以外の分析
・
・・・定性的な企業活動分析・・・・・外部環境分析
・
・・・内部環境分析
定量的な企業活動分析では、製造業にかかわりが多い「リードタイム/不良率/返品率」や「原単位/歩留り」などの分析項目が挙げれており参考になると思われます。
4.データ
タイトル:金融機関が行う私的整理による事業再生の実務
著者 :日本政策金融公庫 中小企業事業本部企業支援部
出版社 :一般社団法人 金融財政事情研究会 / 株式会社 きんざい
出版年 :2019年
ページ数:253p
外観 :
井上直久