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ものづくり・工場改善 5S (3) トヨタの片づけ OJTソリューション 

2016年04月10日 | ものづくり・工場改善 5S

第160回記事(2013年9月9日(月)配信)(次回9月16日(月)配信予定)

 今回は5Sに関する3回目の記事になります。本としては2冊目になります。
 本全体のお薦め度に関しては記載しませんが、あまりにも本がすらすらと読めてしまいました。とっても読み易くその点ではたいへんお薦めです。

<データ>
 著者:(株)OJTソリューションズ(トヨタ自動車等により創設されたコンサルティング会社)
 出版社:中経出版
 出版年:2012年
 ページ数:239p
 定価:1300円+税

<はじめに>
 5S、その中でも「企業の成果に繋がる」5Sをテーマに本を読んでおり、10ページに
  トヨタの片づけにより、
   ムダがなくなり
   効率があがり
   売上げがあがる
 とあるのでこの本をピックアップしたのですが、残念ながら売上げがなぜあがるかまでは明確には書かれていないと思います。しかし、5Sでは先進的なトヨタ自動車さんのOBの方が書かれており、参考になる点は多いと思います。特に、モノの取り出しにおいて、自分では10秒以内、他人だと30秒以内にする時間のムダ排除が参考になりそうです。

<5Sとムダ>
 5Sと本のタイトルのトヨタの片づけの関係は、トヨタの片づけは5Sのエッセンスをまとめたものとのことです。(10p)
 ムダといえば、造りすぎのムダに代表される”トヨタの7つのムダ”がすぐに思いださる方が多いでしょうが、ムダとして分類されているのは①スペースのムダ、②時間のムダ、③間違えるムダ、④とりに行くムダの4つです。(29p)(これについては、個人的には意見があるのですが、長くなるので書きません。)

<5Sにおける技術>
 章構成は以下になります。
  1章 トヨタ流「片づけ」で仕事が変わる!うまくいく!
  2章 ムダを減らすトヨタの「整理術」
  3章 仕事を効率化させるトヨタの「整頓術」
  4章 トヨタ流片付けが「習慣化」する方法
2章で整理、3章で整頓、4章で清掃・清潔・しつけが書かれています。
 章のタイトルの中に「〇〇術」という言葉が出てきますが、技術の点からまとめると、5Sの中の3Sで大切なのは以下の技術です。これには同感です。
 整理・・・・捨てる技術
 整頓・・・・置き場所を決める技術
 清掃・・・・掃除をしなくてもよいようにする技術
技術を持たずにただ行動するだけでは、良い成果は得られません。

<動機付ける>
 222pと228pに、作業者・社員に5Sについて動機付けさせることが大切だとの記載があります。大切な点であり、その言葉を掲載しておきます。
 百聞は一見にしかず、
 百見は一考にしかず、
 百考は一行にしかず、
 百行は一効にしかず。(効とは効果のことです)
とにかく、「片づけると楽になる」と作業者・社員が実感することが5Sを定着させ習慣化させることに一番効果があります。

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                                                 井上三右衛門

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ものづくり・工場改善 5S (2) 5S定着化ワン・ツー・スリー 平野裕之

2016年04月03日 | ものづくり・工場改善 5S

第158回記事(2013年8月26日(月)発行。次回9月2日(月)発行予定)

<はじめに>
 今回から、5Sについて、実際の本の内容について書いていきます。
 最初に取り上げさせていただくのは、平野裕之先生の「係長・班長のための 5S定着化 ワン・ツー・スリー」です。この本はタイトルにわざわざ「係長・班長のための」という言葉が入っているので、”企業の成果に繋がる5S”の調査の視点からみると関係が薄そうですが、中身を読んでみると、現場での”5S”を戦略的に”企業の成果”に繋げていく内容があり取り上げました。(読み返す度に評価がアップしていきました。)

<外観>
Photo

<おすすめ度>
 他の本ともいろいろな点で比較し、一番おすすめ度が高いです。そのため、5点満点で5点としておきます。

<内容>
 この本の一番のおすすめポイントは、先ほども書いたように、現場での”5S”のオペレーションを進めることで、”企業の経営的な成果に繋がる”点です。その点を具体的に説明します。
 5Sの「整理」の一般的な定義は、「必要なものと必要でないものを区分けし、必要でないものを捨てること」となります。ということは、一度区分けをしたらそれ以上のすることがない(もしくはあまりない)ことになります。つまり、現場活動はマンネリ化に陥りやすいことになります。
 しかし、マンネリ化に陥いらないようにするため、5S活動は三つのステップに分かれています。
 第1ステップは行動する5S
 第2ステップは効果ある5S
 第3ステップは予防5S
具体的に「整理」について行うことをことを記載すると、
 第1ステップでは、(要るものと要らないものを分け)要らないものを捨てる
 第2ステップでは、要るものの数量を規制する
 第3ステップでは、不用品(要らないものと必要量をオーバした要るもの)が出ないよう予防する
となります。5Sの定義では、第1ステップのみの行動になりそうですが、さらに数量の規制、そして予防に進むことで、活動のマンネリ化が防げる筈です。
 (モノの)種類の(質的な)規制 → (モノの)量の(量的な)規制 → (モノの)予防規制
さらに、「企業の経営的成果に繋がる」という点からは、在庫品の数量を規制することで、在庫金額を圧縮でき、キャッシュフローを増やすことが出来ます。

 以上では「整理」を取り上げて説明をしましたが、同様に「整頓」「清掃」「清潔」「躾」についても3ステップでの進化・マンネリ化防止が記載されています。

<目次>
 STEPⅠ まず工場をキレイにしよう【行動する5S】
 STEPⅡ 5Sを習慣化しよう【効果ある5S】
 STEPⅢ 一流の5S工場にしよう【予防5S】

<データ>
 著 者:平野裕之
 出版社:日刊工業新聞社
 出版年:1992年
 定 価:1900円+税
 ページ数:158p
 版 型:B5

                                                 井上三右衛門

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