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ブログ 「経営支援オフィス MMO」
第1回(2022年1月17日(月)配信)・・・・・配信は不定期です
技術者の工場見学・・・そこには元気な社長さんと技術がある!!
京都市 / 上野金属工業さん / メッキ(鍍金)業
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初めに
社長の上野様とお会いしたのは京都商工会議所。
メッキ工場を見学をさせてくださいとお願いすると、
私は暇だからいつでもいいよとの即答。
暇?それ本当?と思いながら、ご厚意に甘えさせていただきました。
工場を訪問してお聞きしたのは、まったく独特の経営方法。
ただただびっくりするだけでした。
この話はメッキ工場の見学とは関係がないので、別の機会に是非。
上野社長様。
右上が国からの叙勲の賞状(勲記)で安倍首相の名前あり。勲章もついています。
左下の写真には(とっても高額な)愛車が映っています。
工場見学・・・メッキの工程はこうなっている
私はメッキの工程を見るのは初めて。前もって勉強しました。
クロムメッキの概略の工程は
汚れを落とす(①②③)⇨メッキする(④⑤⑥)⇨乾燥・検査(⑦⑧)
です。(番号は以下の詳細な工程の写真に対応しています。)
①脱脂・・・金属板等をフック状のもので吊り下げ液槽に入れます
金属板等についた油をアルカリ液で除去します
⇩
②酸洗い・・・金属板等についたさびを酸で除去します
⇩
③電解脱脂・・・もう一度、脱脂をします。
酸をメッキ槽に持ち込まないためだそうです
⇩
④亜鉛メッキ・・・クロムメッキの下地となる亜鉛をメッキします
表面が泡なのか白いですね
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⑤活性化・・・硝酸に漬けて金属板等の表面をきれいにします
⇩
⑥クロムメッキ・・・クロムメッキは、光沢メッキ・有色メッキ・
黒メッキ・緑メッキといろいろな種類があり、それぞれの槽で
メッキされます。
この液槽だけは液体が循環しています。
⇩
⑦乾燥
⇩
⑧検査・・・金属板が鉄系の場合、メッキ厚さを電磁膜厚計で測定。
9.3ミクロンで合格。
尚、これらの液槽は手動用の液槽で、全自動化されたメッキラインが別にあります。
得意技
営業しないでメッキのお仕事を受注できること
(営業マンはいないそうで、これはすごいことです)
特に、大物のメッキができる点、
さらに、スピードと100%完納を目指し、
RoHs対応の三価クロムメッキ方法を取り入れられています。
上野金属工業さんの住所・電話番号
住所:京都府伏見区横大路下三栖里ノ内34-19
電話:075-622-4840
ご興味があればご連絡を!
経営支援オフィス MMO / 井上 直久
2022年
明けまして
おめでとうございます
井上 直久
近くの郵便局の局舎前の花壇に大きなヒマワリが咲いています。
気付いたのは12月からなのですが、
夏の花であるヒマワリをどういう方法で咲かされたのでしょうね
???
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ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
第449回(2022年1月10日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
ものづくり・経営改善 製造業はなぜ儲からないのか /
「付加価値会計の強化書」 吉川武文
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1.はじめに
この特集では、「製造業はなぜもうからないのか」というテーマで話を進めてきました。海外からの安い輸入品のため、製造業のメーカが儲からないので、海外に工場を造ることがブームになった時期がありました。海外生産には①リードタイムは長くなる、②在庫をが膨れ上がる、③日本の生産技術者がサポートする費用がかかる、④その他いろいろな問題があります。個人的には疑問を抱いていましたが、そのあたりを整理して確かに海外生産は適切な戦略であると書いてある本はなかったように思います。そんな疑問に対してこの本は回答をほぼ書いてあるように思います。
2.結論
結論としては、117pや125pに書いてあります。その原因に関する部分だけ書き出してみます。
117p 今の会社が直面している問題点
皆が忙しいのに利益が出ないのは、活動がバラバラだからだ!
・・・
工数削減に取り組む場合は、
削減した工数で「何」をするのか?
を先に決めておかなければならない。
そうしないとムダがムダを呼ぶ活動になってしまう。
125p 会社が重大な危機に瀕している今、足りないのは
「どうかして社会やお客様の役に立とう」
とするその気持ちではないだろうか?
当社の製品の売上が伸びないのは社会の役に立っていないからかもしれない。
上記の部分だけを切り出しても分かりにくい部分があるでしょうが、製造業メーカが社内のことや原価計算などで、思考が内向きになっていることに大きな問題があり、お客様にとっての価値=顧客価値をあまり考えていないことに原因があります。
3.じゃあどうするの
①大きな原因の一つが全部原価計算で固定費が配賦されるために、誤った経営判断がされるため。直接原価計算でもまだまだ問題が残ります(13p)。
②結論としての対策は、付加価値会計の導入・実践となります。
(全部原価計算、直接原価計算、付加価値会計およびスループット会計の違いに関しては、78p、82p、235p、246pをごらんください。)
③付加価値会計を導入するにあたり、
大切なことは、
・付加価値の獲得 と
・付加価値の配分 を
明確に区別すること(243p)。
そのための3つのポイントは
・付加価値を明示
・管理のカーテンを取り払う
・研究開発費の管理から逃げない
です(76p、78p、80p)。
④これらは、製造業のコアコンピタンス(66p)
・現場のモノづくり力(特に材料費の管理力)
・モノづくり力を踏まえた製品やサービスの創造力
に基づいており、
PDCAを回すことになります。
具体的な打ち手などは88p~236pに記載されています。
4.終わりに
243pに以下のような意味の記載があります。
正しい指標が人の意識と行動を変え、
正しい行動が製造業行を復活させます!
付加価値会計の導入で、ぜひ製造業を復活させたいですね。
ご参考
本のタイトルを全て書き出すと、
「製造業の原価管理を根本から変える! 付加価値会計の強化書」
です。
データ
著者 :吉川武文
出版社 :日刊工業新聞
出版年 :2014年
ページ数:263p
外観 :
井上 直久